美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

12月の美術

2016-12-11 00:03:41 | 日記

12月。
弘前では県と市2つの作品展に出品できる環境にありますが、この時期が県美術展の出品者名簿提出時期です。
作品制作も大詰めとなっております。


1年生。

最近は本校の必須題材『りんごジュースのラベルデザイン』。

例年どおりPCのソフトを使った実践です。が、今後実施する2,3年生の授業ではあえて手描きの表現を取り入れてみようかな?と検討中。

1年生で学ぶPCを使った作業と融合させると、今までの無機質な感じが取れ、生徒が作った手作り感が出て良いかもしれないです。

 

2年生。

『これが日本の花』。2年目の取り組みです。 自国日本をあらためて見つめ、その良さを花の形に表わす彫刻の題材です。

花というのは(おそらく)万国どこでも美の象徴的な存在。

その花という存在に日本を投影させるわけですが、どうしても導入で教科書や資料集を使うと、生徒たちは日本の伝統的な美術・工芸作品の美しさにイメージをグーンと引っ張られてしまいがちです。

教科書や資料集ではそういった伝統美の部分を大きく・多く取り上げていますから。

そこで、今年は同じように教科書・資料集も使いはしますが、構想段階2時間目の冒頭でリオオリンピック閉会式の「TOKYO SHOW」の部分を鑑賞。

あのショーは主に東京中心のイメージを表現したものではありましたが、「日本代表のクリエイターたちが東京・日本を世界に向けてアピールしたらこうなりました」という体で見せることで、伝統美ばかりに考えが向いていた視点を、現代日本にも向けさせようと狙ったわけです。

このおかめさんの花びらも面白いですが、左奥にあるビルが描かれた花びらはTOKYO SHOWからのイメージかな。

こちらも和柄を中心にしながらも、TOKYO SHOWの冒頭君が代や後半での旗を使ったパフォーマンスが影響した感じ。

 

さて、この題材はそろそろ完成間近。

作品展にも数点出すことができそうです。

 

3年生。

『未来の樹』。学校農園のりんごの木を用いた題材です。こちらは4年目の実践。

3年前の東北大会を機に開発した題材を毎年少しずつ改良してきたもので、このブログを始めるきっかけになった思い入れのあるものでもあります。

学校農園の剪定作業で出た廃材の枝を活用するため、本校ならではの題材だと考えています。

卒業制作と位置づけているため、生徒たちは毎時間熱心にこれまで学んだこと全てをつぎ込みながら、自分の将来に対する思いをコテコテに盛って表現しています。

絵お気に入りの枝を選ぶ様子。

枝を手に取る前のアイディアと、実際に気に入った枝を手に取ってからのイメージはまた異なるので、構想をまとめているところです。

グルーガン好きだよなー…。

…といった感じに進み、現在は完成が見えてきた作品たちも増えて来ています。

相変わらずこだわりが強く、コテコテになってしまう傾向なので制作時間もかかりすぎています。

「表したいことの足し算ばかりじゃなく、引き算も考えなさい。」、「なんでも盛り込めばいいっていうものじゃないぞ。ちょうどいい美しい状態考えようね。」といったことを呼びかけ続けているここ数時間です。

また『放課後美術』も相変わらずやり続けることで、どうにかこうにか冬休み前までに完成させることができそう。

しかしこれもね…2年前にやりすぎて、休日返上みたいな生徒も出始めてしまったので、それ以降は反省して題材の設定や大きさなどを改良したり、年間の授業計画を工夫することで、授業時間以外での制作をできる限り減らすように努めています。

今年は学習会後に数名の生徒がちらほらと寄り道のように美術室に立ち寄り、30分~1時間程度作ってから帰るような毎日。

テストの前数日は誰も来ません。僕も以前のように大々的に呼びかけたり宣伝したりもしません。

休日登校での制作は一度だけ。テストが終わった翌日にあたる昨日土曜日に開催。

「よく土曜日に登校してまで美術やるよな…」と感心するのですが、考えてみるとこの地域の子どもたちの環境がそうさせるのだと思います。

田舎の中の田舎なので、いかんせん遊ぶ場所が本当になく…最近は雪が積もったせいで自転車にも乗れないため遠出もできず…そういった環境にある生徒たちにとっては、友達と和気あいあいと楽しくおしゃべりしながら集まることができる憩いの場的な美術室になっているのかもしれません。

放課後もそう。寄り道しようと思っても、可能なのはコンビニ1つくらい。また、外は寒すぎるので、友達と青春トークしながら帰ろうとしようものなら凍え死ぬ。

更に3年教室から玄関に向かう途中、ほぼ中間地点にある美術室。

そんな環境もあり美術室が繁盛するのでしょう。

ただやはり高校受験を控えている3年生ですから、やりすぎには注意してあと2週間頑張らせたいと思います。

 

作品展に向けての展示方法も例年のことながら考え中。

来月は完成した作品について、今年の展示の工夫、美術展で考えたあれこれなんかを投稿できればと考えています。

 

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