美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

文化祭と美術科と私

2018-09-12 16:32:33 | 日記
夏が終わりそう…いやほぼ終わりですね。
今年は大規模校に赴任して2年目。

ある程度先が見え、落ち着いて仕事ができるようになり、夏休み明け、文化祭から地区新人戦とほぼ休みなく続く激動の数週間を無事乗り越えました。良かった良かった。

さて、今年は本校文化祭で長年続いてきた大きな企画をやめた年。変化の年となりました。
1つは、いつからかわからないくらいずっと続いてきた『壁新聞コンクール』を廃止。
これ指導が得意な先生が市内に何人もいて、各クラスのコアな白黒模様職人のような一部の生徒たちや、イラスト好きの生徒が活躍する場だったのですが、恐ろしく制作時間がかかります。そんなに美術的にも国語的にも学習の成果を発揮することもなく。担当の職人生徒は他のステージ発表とかの練習もほとんどできません。
もう1つは『アーチ』制作の廃止。
アーチの材料の老朽化と美術科・美術部の負担、通行する際の狭さ、設置場所の通行量の少なさなどが理由です。

壁新聞はやめたことにより、生徒の多忙感と学級担任の負担感解消になったと思います。ねらい通り。
それにより展示場所が空いたので、美術科・美術部展示を充実させることもできました。美術部の生徒は念願だった黒板アートにも挑戦できました。…生徒も顧問も全然時間がなかったので、ここにお披露目するほどのものにはなりませんでしたが、制作者たちは満足そうでしたし、今年から新設した「展示大賞」なる賞もいただいて良かったです。

アーチはそれに代わるものとして、看板制作を始めました。今年は少し見栄えが良くなかったかな…大きさや設置箇所など今年の反省を生かして改善していけば色々できそうな気がするので、これもまぁ良し。

問題は今年でファイナルが決まった『空き缶壁画』。

昨年度FBのグループ内で同様の話を発信し、いくつかのアイディアをいただきましたが、まだ決められていないのが『来年から何やろうか?問題』。
・担当者の負担を考慮した持続可能な制作物。
・文化祭オープニングでステージバックに展示。
・文化祭後は1年間体育館背面へ展示。
・全校生徒の手や思いが入るもの。
・空き缶壁画に代わる見応えのあるもの。
・オリジナルで他にはあまりないもの。

を、目指し検討を続けています。
いつも仲間内でこの議論をする際「モザイク画のような…」を例に出しながら話してますが、それはオリジナリティに欠けすぎる。モチベーションが高まりません。
空き缶壁画は市内ではそこそこ知られた大規模な取り組みだったので、“それに代わる”にはもう少しなんじゃそりゃ!感が欲しい。
特活主任と僕に任せられている感じがあるので、度々2人で話してはいますが、決定打がまだ出ません。

皆さんの学校ではどんなことしてますか?
共同制作のようなことをしている学校はありませんか?
アイディア募集中です。
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全国造形大会in秋田から来年度へ

2018-08-01 13:54:32 | 日記
忘れないうちにメモ!
これはFBにリンクしないでおく。

◎2018年7月30〜31日
全国造形教育研究大会in秋田(兼東北造形研究大会)
隣県での全国大会開催だけに行かなきゃ損!
青森県からの参加者は例年の東北大会と比較すると非常に多かったと思います。残念なのは僕のホーム弘前市周辺の先生方が少なかった点。地区の研修と重なったこともありますが、事務局の努力不足もあるか…反省です。

さて、行きたくても行けなかった方々のことも考え、報告の意識も持って綴っておきます。

◼️日程と授業研修会場について


1日目のスタートが各会場での研究公開授業。
僕は秋田大学附属中へ。
この日の秋田市は稀に見る猛暑日。
36℃?37℃?…どこにいても何をしていても暑すぎる。ガンガンの扇風機の風も虚しく感じるほど。飲み物を持参していなかったのが悪かった。控え室にも何もないので、なんだか意識もうろう。
授業を2時間見終えたところでダウン。飲み物を買いに出たらもう戻れない…結局ホテルへ。
協議会欠席してしまい申し訳なかったです。
一緒に行動した方々と、
・とにかく控え室に水分補給ブースが欲しかった。
・塩分補給用タブレットもあっていいかも。
・休む間もほぼ無く連続4時間はつらい。
・美術館は涼しくて良かったが、座ることなく2時間連続参観はつらい。
などの声を集約。来年度に生かします。
→水分補給ブースを作る。
→休み時間を15分に。分科会までの間だけでも?
→数カ所に椅子配置。

しかし生徒さんたちはあの環境の中、ほんとによく頑張ってました。拍手です!
運営、授業者の方々も、もちろん大変だったことと思います。疲れさまでした。ありがとうございました。

◼️公開授業と協議会について
あきた発 新たな美を拓く
〜わたしを問い,発信する造形活動〜

のテーマのもと、中学校部会では6つの授業が公開されました。
「社会に開かれた教育課程」を意識し、また対話的な活動を意図的に多く取り入れた印象が強かったです。
夜の部会で話題になったのは、
・グループ活動の方法について。しっかりとしたねらい・意味を考えたものにすべき。何でもかんでもやるのでは逆効果も。タイミングや教師のファシリテータ的働きかけも大事。
・授業中の写真撮影。自由過ぎるのでは…。
・各題材については“制限”が気になった。表現の幅を広げるための色々を考えるべし。
・付箋紙を使った協議会をやるような雰囲気が、掲示物から伝わっていたのだか、紙袋にそれ用の付箋紙及び説明文書が入っていることに気づきにくい。
と、このような感じ。
これらも来年度に生かします。
→指導案検討会でグループ活動チェック。
→写真撮影の制限、注意を張り物等で呼びかけ。
→受付で内容物説明。

◼️2日目 実践発表

第1部は山形の亀井さんを応援しつつ、もちろん内容も楽しみに参加。また第2部は、自身でも近年活用を始めた美術ノートの活用の発表(秋田 菅原先生)で勉強したく参加。
亀井さんの発表は、田中真二朗先生と彼発「美術の時間展」との出会いから、今に至るまでのご自分の実践を発表。真面目なんだけど笑いも交えた、とても良い内容でした。
感じたことは、
・また形を変え人を変えて広がりを見せるといいな。
・亀井さんの人柄が出ていてとっても良いプレゼン!
・総合や他教科の巻き込み方も参考になるな。…しかし、後で澄生先生がお話しされていた危惧感も気にかかる。この話はまた別の機会に。
美術ノートの活用は、やはり人それぞれ。
今回のものは、私的にはちょっと丁寧過ぎて真似はできないかな…と。
評価に活用する術という点、3年間の学びの足跡としての点、色々考えるべきことはあり、何のために使うのか?どう使うのか?自分の中での今後の方向性、一旦の結論は出せなかったので、実践しながらまた改めて考えたいです。
→自分は実践発表者との連絡調整担当、全体のアドバイザー的な立場で運営に関わらせて頂いているので、全体テーマと関わらせつつ、今後の美術教育への良い提案となる内容になるよう尽力すべき。運営側と発表者とのハシゴ役として頑張らねば。

◼️文科省講評

毎回の東良視学官のお話は、良い復習になります。何度か聞いていると、もちろん同じようなお話もありますが、全て頭に入っているはずもない僕にとっては、定期聴講が必要とすら感じました。
何のためにこの大会を開催しているのか、何のために自分はそこに参加したのか、今後何を考えて仕事をしていくべきなのか…勝手に整理整頓完了です。

◼️「美術の時間」展

合間に秋田駅前へ。フォンテ秋田で絶賛開催中の同展へももちろん行かせてもらいました。
田中真二朗先生、黒木健先生のさすがの展示会!
この大会にぶつけて、しかも集客力のある駅前の商業施設の一角を使って。憎いですね、流石です。
これを今後にどう繋げるか?
亀井さんの発表にもあったことですし、来年度、青森(八戸)で僕たちなりのアンサーを出したいと思います。1日目夜の部会で構想は立ち上がりましたが、まだ内輪での勢いの構想段階なので詳細はまた。
勢いで走ってしまい、大会運営に水を差さないように気をつけて進めます。大会テーマに関わる実践の例として、題材提案的な内容になればいいかな。
仲間うちだけの声ではなく、今回寄せられた声を広く聞き集めて考えていきます。
ご意見のある方、こちらへのコメントは基本非公開です。お寄せいただければと思います。

◼️来年度東北大会in青森(八戸)
青森県視察団はかなりしっかりと視察していたようですから、来年の構想はかなりまとまったのでは?暑い夜に熱く語り合えましたし。
青森県部会長最後の年に開催となるこの大会。絶対有意義な企画にしようと意気込んでおります!
来て損はさせないつもりですので、今からご都合を付けていただきたいと思っております。東北地区とか関係なくいかがでしょうか?

〔大会ホームページ〕
http://www.hachinohe.ed.jp/zoukei/index.html

*あとがき
情報交換会。日本酒美味過ぎ♪…あと、すごい人数でした。600人超?もうどなたと情報交換すればいいんだか迷子になりそうでしたが、幸いいくつかの新しい有意義な出会いがあり、今回も参加できて良かった!と実感。
仲間になって下さった方々、声をかけていただいた方々、いじって(?)くれた方々、ありがとうございました!
以前からの仲で更に関係を強くして下さった方々も、ありがとうございました!
秋田の運営の方々、このような機会を設けて下さりありがとうございました!
皆さんに感謝しかないです!
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1学期の振り返り2018

2018-07-22 12:55:32 | 日記


2年1組担任として過ごした今学期。
誕生日の朝、教室に入るとハッピーバースデーソングに、黒板にプレゼントに…と、まだ4月、担任になったばかりのクラスの子たちのサプライズに大感動で始まりました。
絵心ある子、イラストが得意な子、美術好きな子が集まったクラスなんだなと気づきました。
担任として相性いいかもと思ったものです。

もちろんそこからの3ヶ月は平坦なわけはなく色々…ほんと色々初めての経験もしながら、体調もちょっと壊しながらと苦労も多かったのですが、なんとか夏休みに辿り着きました。

結局今年も2,3年生1学期のメイン題材の文化祭のポスター原画制作は終えることができず、残りは宿題!…となってしまいました。
昨年の反省を生かして無駄を省いた年計にしました。
他にも工夫したのは、紙と絵の具(ケント紙・ポスターカラーor画用紙・水彩絵の具)を得意な方に選んで良しとした点。紙を独自サイズに全部手作業でカットしてやや小さくして負担感を減らした点。
少しは効果あり。授業数が十分だったクラスは、3分の1程度の子たちが完成までこぎつくことができたので昨年よりはマシ。
しかしまだ工夫は必要かなと。
宿題にすることなく、学校の特活指導部からの要求にも応えつつ、より良い学びを得ることができる題材に進化させたいと思います。

さて、夏休み。
あと数日で全造秋田大会。
まずは明日からの三者面談にしっかり取り組み、合間に文化祭準備も進め、サッパリした気持ちで教科の勉強に向かいたいと思います。
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言葉のデザイン

2018-05-19 08:22:03 | 日記
すっかりアップが遅くなってしまいました。
昨年度末の記事がようやく完成。
新年度はやっぱり忙しいですね(ー ー;)
以下、全て昨年度3学期の取り組みについての内容です。

「何と読むんでしょうか?」
今年度1年生で実践を始めた題材です。
言葉の意味を形状化、デザインして表現してみたらどうなるだろう?
言語が違う人や、目や耳が不自由な人へでも伝えることができる言葉を美術的に作ることができたら面白いのでは?ユニバーサルデザインか…授業を進めながら気づいて、後付けで指導項目に加えました。
主に他者へ伝える形のデザイン、社会との繋がりなどを考える機会にしたいと思っています。

[工程]:8時間
❶相手に伝える意味をもつ日本語を書き出してみる→表現する言葉を決める
❷マインドマップで言葉のイメージを広げる
*ここまでで、小グループ活動や個々の交流の機会を何度も設けて、他者とのアイディア交流やサポートを意識。その学級、その日の雰囲気も見ながら、その時その時で交流の仕方を考えて指示。
❸アイディアスケッチから形のデザイン決定
*この辺りで今回は抽象表現を経験してみようと説明。抽象と具象の説明。簡単な鑑賞を組み込む。
*抽象表現はひとつの表現方法であり、これまでやったことがない表現方法だから、難しいと思うけどできる限りやってみよう!というスタンスで。
❹デザインした形を3Dイメージして計画書を作成
*頭の中でフワッとイメージした形状を、具体的な3Dイメージに変換していく。


❺軽量紙粘土で立体造形
*形をある程度作ってしまう。

❻乾燥後に形状を直す、仕上げる
*粘土造形や道具の技術面を指導。

❼最終仕上げ,解説カード作成,土台への固定


❽「何と読むんでしょうか?」鑑賞会
*解説を見るべく、土台の裏をのぞき込む姿がいい♪

❾展示

…場所がない。美術室前にしたら目立たない。そこが残念。
新年度を迎えても「気づかなかった!まだ見てない。」という生徒が続出。
逆に息が長い展示となっております。



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何を学ばせ、何を発表すべきか?

2018-02-04 21:02:54 | 日記
県の美術展が終わり、すぐに今度は市の小中美術展。
この間が短くて慌ただしい。でも作品発表の場は大事です。
誰のどの作品をどうやって発表してあげれば、よりキラリと光るのか考えながら作品を選び出品しました。



さてこの美術展に先立って数週間前に行われた審査会にて。
近年審査に冷ややかな僕は、審査員の立場を先輩に譲り、立ち会いのみさせてもらいました。

入賞した作品たちを見て。
…年間の35時間、45時間をどう過ごしているの?
学習指導要領の改訂が近づき、様々な機会でこれからの授業のことを考えてきました。
皆さんそうじゃないのでしょうか…
漫然と今まで通り、何年も前からやり続けている題材に取り組ませ続け、そこに投票し続け、賞を取り続け…
それを見続けている免許外の先生方もそこを目指して…

入賞した作品のいくつかは免許外の先生方が制作させた作品でした。

つまり美術教師以外の先生方が教えても賞は取れる現状です。
専門家ではない人が教えても制作させることができるような作品に賞を与える美術展です。
そういう作品を良しとし、皆がそこを目指して制作させ。
他の作品制作や鑑賞などをする時間を削ってでも、一作品をとことん時間をかけて制作させることで大作を生み出し。
そこに賞を与え展示する。
観覧客はそんな作品を「素晴らしい!」と言いながら観ている。

そういった現状に誰も違和感や危機感を抱いていない和やかな雰囲気の審査会。
これ駄目じゃないんですかね?


どうしたらこういう現状を打破できるのでしょうか?
今年度春から秋にかけて、勉強したことを元に、県の会議にて美術展の在り方、それに伴う授業の在り方について声を上げて異論を唱え戦ってみたこともありました。結果は少数派で敗退。
多数派は美術展に大作を送り込む授業計画を捨てきれないようです。「目指すべき一等賞の作品を決めるべき」だそうな。
…なんじゃそりゃ。です。

これらの件については県の部会長さんともう随分話し合っています。
しかし新採用の美術教師が一切入って来ていない我が県では、もう数年かけて少しずつ美術科教員が循環して刷新されるのを待ちながら、長期戦を覚悟しながら声をあげ続けていくしかないようです。
その間、たくさんの生徒たちが犠牲になり続けることが心苦しい。

一方、小学校の図工界で頑張っているY君。昨日美術展会場で作品を見歩きながら色々話してきました。
信念を持って闘ってるなと感心。
勉強もしてるし、精力的に題材を開発し続けて実践も熱心にしてるし、それを全国的に発表して広めてる。
近くが変えづらいなら、外堀から変えていっているといった感もある。
そういう教師も確かに近くにいる訳です。

自分も頑張らなきゃな。
今はまだちょっと中途半端。

この学校で何ができるか?
今の立場でできることは何か?
今だから、自分だからできることを大事に、中学生たちに学ばせるべきことをしっかり考えた題材開発をし、教科年間計画も整理し、発表する作品たちは、それまでの授業が見える工夫・改善をし続けなくては。
やり続けていくこと、声をあげ続けることで、共感する仲間が増えていくことを狙うしかないかな。

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