成田国際空港は、国の閣議決定に基づいて、建設から開港に至った。以来、国際空港として使命を果たしてきたが、近年国際化が進む中で航空需要の拡大は予想以上の早さで進んでいる。東アジア地域では、各国に大型空港が設置され国際化の波は、成田(国際線).羽田(国内線)という、役割分担を許さない状況を発生させた。【羽田の機能拡充】 東京都の石原知事は、タイミング良く羽田空港の4本目の滑走路工事に着手して、羽田の国際空港として位置付けを確保する準備は完了した。政府も「アジアゲートウェイ」構想を提示して国内外の航空.空港事情が目まぐるしく変化している状況を明らかにした。国際空港の発着回数は、30万回以上が世界標準であるが未だ、完全空港化への過程にある成田空港に「成田.限界論」がささやかれている。【成田の課題.機能拡充】県内の経済団体「千葉力創造研究会」と成田空港周辺の3団体が、次期通常国会で審議予定の「空港新法」をにらんで、成田空港の機能拡充についての緊急提言を千葉県知事に行った。成田空港の発着回数について、「世界標準の30万回以上が望ましい」としたほか、鉄道や道路など包括的なインフラ整備に早急に取り組むべきと主張した。また、「空港と地域は運命共同体」共栄の理念に立ち、内陸空港の宿命である騒音問題など環境対策の実施に万全を期すよう要望。「事態は極めて切迫している」と訴えている。提言書を受けて堂本知事は来年度は空港都市づくりが県のトップの政策であると発言「限界論を乗り越え、魅力ある空港都市づくりへ一緒に努力したい」と述べて県は、中心的役割ではなく協力者の立場であることを暗示した。東京都の石原知事は、自ら先頭に立ち羽田の拡張により国際線へ着実に進んでいる。【30万回へのアプローチ】提言後、会見した研究会の会員でもある山本高千穂大学教授は「それぞれの立場は違うが、発着回数を増やすという点ではある種の方向性が出てきた」と話した。他の参加者からは、東京都からの法人事業税移転に伴い石原知事が羽田空港の国際化を求めたことに触れ、「成田には(そういう)したたかさが足りない」と述べ、提言書迄提出させて、地元の声としての「既成事実」を策する県のシナリオと消極的な対応に不満を顕にした。今回、緊急提言というセレモニーが開催されたが、2ケ月前から成田空港幹部職員により、成田空港の発着回数30万回は既に多くの場所で語られていた。今後の成田空港機能拡充への対応は、地元の意見と地元の代表としての「成田国際空港都市づくり推進会議」に、解決をさせる事になったようだ。堂本県政が得意とする「県民の声が重要」の戦略であり、目的は地元「空港都市づくり推進会議」に、丸投げをするレールが敷かれたのだ。県は、あくまでもオブザーバーであり、今回の機能拡充策が失敗しても県には責任はない。上部機関の描いたシナリオに乗せられた成田市長は責任の謗りは免れない。成田周辺自治体の首長の頑張りに期待したい。次回に続く
1966-2006-」を、成田国際文化会館で平成18年11月26日観た。
感想を一言で申し上げるなら「3人の尊い命と貴重な財産を国に捧げ、その上に開港した成田空港の歴史を風化してはならない。」
ときの為政者は、航海の操舵を慎重の上にも慎重にとってください。