長く職人の仕事をしていると驚くような御注文を
頂く事があります。
11年程前にいかりや長介さんが、
「踊る大走査線ＴＨＥ ＭＯＶＩＥ」で最優秀助演男優賞を
受賞された時、いかりやさんのお知り合いが、
お祝いにグラスに劇中の和久平八郎の横顔を
切子してプレゼントしたいとのご注文。
人の顔は江戸切子の技法では出来ないと、
そして他の技法を御提案したのですが、
「是非、特に帽子を被り、コートを着て、マフラーをしている
横顔で、マフラーの格子の部分を
切子で表現したものを制作して欲しい。」と、
いかりやさんの横顔のデッサンを何枚もお持ちになり、
懇願され、胃の痛くなる思いをしながら制作。
思いの他の出来栄えに御客様は大満足。
ところが、「横顔の向こう側に船の碇を入れて」と、
追加のご注文。主人は「怒った(碇)」と今でも話しますが、
何よりいかりやさん御本人が喜んでくださり、後日、サイン色紙を
送って下さいました。色紙の隅に和久平八郎と、
又、上にはドリフターズとも書いて下さり、
我が家の家宝になっています。
「苗字のあるものはやらねえ。」と職人のぼやきです・・・
通常は写真に残すのですが、いかりやさんのグラスは、
何故か写真を撮り忘れていました。
「踊る大走査線ＴＨＥ ＭＯＶＩＥ２」は、7年前の姪の
結婚式の帰りに家族で見て、
今回の「踊る大走査線ＴＨＥ ＭＯＶＩＥ３」は、昨夜見てきました。
いかりやさんの居ない寂しさはあるけれど、
皆がいかりやさんの事を今でも想っているのがわかりました。
映画は面白かったか？ 勿論期待を裏切りません。
レイトショーでしたので今日は少々寝不足です。
夏休みも近くなりました。
恒例の夏休み親子体験の予約開始いたしました。
