未来の少女 キラシャの恋の物語

みなさんはどんな未来を創造しますか?

第16章 運命の分岐点 ④

2021-05-01 13:22:19 | 未来記

2010-01-07

4.ヒロの企て

 

ヒロの休暇も、超忙しい。

 

ヒロのずば抜けた頭脳や技能は、いくつかのラボから関心を持たれていたので、休みの間に見学へ来るようにと誘いがかかっていた。

 

ヒロは、自分なりに研究開発していたモノがあって、ずっと前から、それを実現できるラボを探していた。

 

小さい頃から暖めていた、自分の頭の中にあるフィラという惑星の技術を、ヒロは実際に使ってみたいという企てもあった。

 

しかし、実際に見学しながら、研究の内容を話してみると、どうもルールがじゃまをして、今のところ実現化は難しいらしい。

 

幸いなことに、もし何か作ってみたいモノがあるのなら、自由に使っても良いというラボがあったので、休暇の間に借りて作ってみることにした。

 

『タケルからは、まだ地球に帰るかどうか迷ってるとか、

 

悪魔のような女の子がいるから、何とかして欲しいとかグチをこぼされてさ。

 

フン、キラシャのことはどうするンだとイヤミを言ってやった。

 

モテるやつは、スミに置けないね~。

 

 

タケルから、またSOSメール送ってきた時は、びっくりしたけどさ。

 

ユウキ先生に相談したら、先生が警察に連絡するから、

 

ヒロはよけいな心配しなくていいよだって…。

 

 

せっかくタケルを助けたと思ったのに、また助けてくれ!ってメールされて、

 

見過ごすわけにはいかないじゃないか…』

 

 

ケンとマイクが、アフカに着いたことをメールしてきた時には、ヒロは電話に切り替えて、自分の夢を自慢げに話した。

 

 

「オレはな、今の地球にフィラの技術を浸透させたいンだ。

 

あの技術が地球で生かせれば、絶対地球に戦争なんて起きないンだ。

 

フィラにはね、人を憎むとか、殺したいっていう感情がないンだぜ。

 

 

かといって、ただボーっと生きてるだけじゃないよ。

 

ひとりひとりが、夢や目標を持って生きてるンだ。

 

その夢を実現するための犠牲は、自分だけの幸せを無くすことなンだ。

 

 

自分だけがおいしいものを食べたいとか、

 

自分だけが儲けたいとか、

 

いろんなトコヘ行きたいとか、

 

好きな子にモテたいとか、

 

そういう欲を無くすことなンだ。

 

 

自分以外の人の役に立つために、自分の夢を持つ。

 

それが、フィラの世界の流儀なンだ!

 

オレも、ニールのエネルギー開発が実現できるように、

 

平和のために使えるMフォンの開発に取り組むぞ~!」

 

 

ヒロは、休暇中も時々仮眠するだけで、自分の作業に没頭した。

 

そして、やっと完成したぞと一息ついた時、キラシャからメールが届いていたことに、ヒロは気づいた。

 

『よし、キラシャが驚くといいな~。

 

ケンとマイクも、なんとかうまくやってくれるといいンだけどな。

 

アフカ・エリアなら、この技術はルール違反にならないからな。

 

何たって、あのエリアには、こんなことを禁止するルールが、ないンだから・・・』

 


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