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KIRAKU KUBOTA

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Constantin Brâncuşi

2011-02-18 12:58:51 | 09.art
Brancusi

Constantin Brancusi(1876 - 1957ルーマニア)
コンスタンティン・ブランクーシ


世界中において彼ほどストイックでミニマルなイメージをもつ

アーティストはいないでしょう。

上の作品はとくに有名なものですけれど

タイトルは

空間の鳥(Bird in Space)

と言います。

これが鳥ですよ!!!???

まあ動物名はなんでもいいんですが

このただただ凛とした誰がみても

背筋がすっと伸びるようなうつくしいかたち。

私は彼を初めて知って以来、

いまでも彼の残したものが

脳裏を離れません.........

おそらく死ぬまで虜でしょう..........

彼以降のどんなアーティストも

自らの作品の形を

シンプルにそぎ落としていくにあたって

彼を意識しないわけにはいきません。

それほど

見るものに強い印象をあたえます。


Brancusi2

彼のアトリエです。

どうですか、この雰囲気

まちがいなく

神がかっています.........

私としては

このアトリエにどうしてもいきたかった!!!

Brancusi3


光が作品に当たっている時なんて

確実に覚醒するでしょう。

この空間自体がある意味

視覚的麻薬感にあふれているとおもいます。

もちろん悪い方の麻薬感ではなくて

体感しなければ分かりませんが

まさに

光りにあふれた人間精神の健全な麻薬感とでもいいましょうか.......

このアトリエは

地区整備のために取り壊される事になり

それを残したいという思いから

ブランクーシは

アトリエ全体を国立近代美術館でそのまま再現すること

を条件にフランスに寄贈したんですよ。

彼は、他のアーティストと一緒にならべて

美術館に展示されることを大変嫌っていたんです。

自分の作品がどういう状態で置かれていたら

もっとも力を放つのかを

誰よりも理解していたのでしょうね。

彼は

マンレイに写真を習って
Man Ray  本名:エマニュエル・ラドニツキー(1890 - 1976 アメリカ)

自らのアトリエの写真を

自らの作品の写真を

美しく残していますよ.........


Brancusip1


Brancusip5


Brancusip4


Brancusip3


Brancusip2

いがいと超自分フェチですよね。

なんかとても微笑ましい気分になります.........

最後の写真から

彼が自然というものをつねに意識していた!?のが
(っていうか 写真の植物マリファナですね........作品に覚醒感の意味を込めたかったのかな???)

うかがえますね......



木、石膏、真鍮、草木、光

かれの近くにあるものは人間誰もが

もっているような素朴なもの。

けっしてとくべつなものじゃありません。


死ぬほど貧しい人から

死ぬほどリッチな人まで

人間ならだれでも感動せざる得ないでしょう。

けれども

現在 彼の彫刻を手に入れるとなると

超死ぬほどリッチなひとしか手に入りません!!!!
(クリスティーズのオークションで「Bird in Space」が2745万ドル(約28億円)で落札され、同オークション ハウスの彫刻部門での落札価格の最高記録を塗り替えた。
 これまでの記録は、同じくブランクーシ作「Danaide」の1815万9500ドルだった。とありました。 )

ほんとうに皮肉なものです。

できればわたしもほしいです。

3日ほど貸してほしいです。

(余談ですが、ブランクーシの本物の空間の鳥っていったい世界にいくつあるんでしょうね.......
当然世界最高値の彫刻家ですから贋作も多く出回るでしょうに.........けれどきれいなら贋作でもいいです。はい。
自分で本物を買うことができれば作品の裏を見たりして、サインのいれ方などや作品の裏面のこだわりなんかを
見てみたい気がします........誰か空間の鳥を持っている方教えてくださいな.........)

Brancusi15
ちなみに、これなんだと思います???

なんと アシカなんです。

そぎ落としまくりですね。

静かに凛としております。

美しいです。

以前のアトリエは


今は新しくポンピドゥーセンターの横へ

建築家レンゾピアノの設計で
(日本だと関空のターミナルビルエルメス銀座店のガラスビルもこの人ですよね......素晴らしい建築家です。個人的にはジャン・マリー=チバウ文化センターに衝撃をうけました.....)

アトリエブランクーシとして

当時のままの状態で移設されています。

とはいってもやはり

鑑賞のために作られたきれいな空間なので

当時そのままの再現とはいきませんよね。

それでも私は、パリへ初めて行った当時、

感動のあまり警備員そっちのけで

100枚近くの写真をとった覚えがあります.....
(写真とってよかったんでしたっけ???)




みなさんもご存知の

イサムノグチ(1904 - 1988アメリカ)は
Isamu Noguchi 

1927年 彼が若干23歳のときに

ブランクーシの助手をつとめています。

Isamu2
(ISAMU NOGUCHI ブランクーシのアトリエにて PARIS)


ブランクーシが51歳のときですかね。

やはり、偉大な人は最初から目の着けどころがちがいますねえ。

イサムもこの経験により、以降

ブランクーシの大きな影響力に支配されることとなります。

彼はそこから抜けきって

生涯にわたり偉大な仕事を成し遂げましたよね。

おそるべしイサムさん。

もっとさかのぼってみれば

ブランクーシだって31歳くらいの時に

ロダン
François-Auguste-René Rodin(1840 - 1917 フランス)

に師事していたんですからね。(ロダン67歳かな。)

やはり、天才同士はちがいますねえ。


ロダン

1_2

ブランクーシ

Brancusi_2

イサム

Isamu1

みながそれぞれに

生涯をささげて

芸術に喜び、もがき苦しみ

自らの手と魂でそのスタイルを

作り上げていったのですね。

その道のりは並大抵ではなかったでしょう......

もうここまでの芸術家になると

個人の感覚というものではないでしょう。



人間というものが誕生して以来

長い長い年月をかけて

蓄積して来た無限のエッセンス

偉大な芸術家たちの精神と魂によって

ふるいにかけられ

よりすぐられ

ふと自然に

かたちづくられてただそこにある

彼らの残したものは

そういうものだと思います。

個人というものを遥かに超えたなにか

人間の存在に根本的に関係するなにか

私たちが肉体を持つ以上は与えられてしまったなにか......

残された私たちが

今から生まれくる子供たちが

そのなにかの存在にふれたとき

分け隔てなく

感動できるのだとおもいます。

芸術とはいったい!???

なんぞやね。

まあ、そんな深くかんがえなくても

個人的に

イサムさんのスライドマントラ

を庭にほしい!!!

白でも黒でもいい!!!

できればアイスクリーム片手に

食べながら滑りたい!!!

Mantra1

ほら、いいでしょ!!?

どうですか?

滑る部分がお尻の摩擦で漆のように

しっとりとなめらかになっていますよね。

『おしりで滑る彫刻!!!おしりが彫刻をかたちづくるのよ。それで100年後に完成なのよ!!!』

ってイサムさん本人も申しておりました。

この黒いのはなんと日本にありますよ。

北海道札幌のモエレ沼公園です。

イサムさんの死後 2005年に完成いたしました。

まるでガウディのようです。
(ガウディはまだ完成してませんけれど.......)

彼の最後の最後の結晶です。

若い頃から構想してきたさまざまなことが実現されています。

札幌......なんてリッチな町なんでしょう.........

札幌のみんながうらやましいです。

ちなみに白いものは

フロリダのベイフロントパークにあります.......

いいなあ.........










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