島根県のY園のKさんより注文。お待たせしていて、すみません。
粉引きのカップ。正確には100個すべて違う。わざわざ違えてないが
だいたい同じでいいと思っている。
同じサイズ同じものをつくる修行もしてないし、意味もないと思っている。
機械のように作れる技術という美学もあるみたいだが、はなからそんなものに
何の興味もない。作る時の呼吸感が大切。
半乾きの時に白化粧をかけるが、このところ太陽が出ていない為、
こんなこともある。10個以上も嗚呼。お日様は偉大。
その後ストーブを焚き、その上に鉄の棚をつくり、そこで乾かす。
はじめからそうすればいいのにと自分に言う。後のまつり。
ソーサーをひいているところ。
薄いソーサーの下の粘土が100皿いくぞと言っている。
生のソーサー。まだかかりそう。随時アップしていきます。
今1度壊れたカップの分をひき、削る。写真に撮り改めて見ると
コラージュした絵のような仕事場に気が付く。
堅くなる前にソーサーを削る。
またも天気がすぐれない為、自作の薪ストーブの上でソーサーの化粧がけ。
しかしまたも幾つかブロークン。お空よ晴れておくれ。
晴れ間がのぞいた午後。一気にソーサーの化粧がけの勝負に出る。
なんと、かけ終わるやいなやお日様は雲の中。自然をうらめない。やな予感。
輪Oー。わおー。ワオー。68枚中20枚程ただの土に帰る。
こんなことは隠すべき事だとプライドの高い陶芸家から聞こえて
きそうだが、現実は現実。受け止める。
今日はおのれにガッカリして酒を飲もう。明日リベンジする。
リベンジなる。太陽は偉大と改めて感謝!
朝一、カップを干す為の鉄棚を溶接する。
そしてカップ&ソーサーの天日干し。およそ120組。ソーサーがあと少し足りない。
もう数日で全て乾けば、窯づめとなる。予測より日がかかるんだなと思う。
Kさん、もう少し待ってね。
いよいよ、くすりがけ。
窯づめ。
窯焚き。朝五時から次の日の五時半まで。還元焼き。24時間半。写真は1220度。
1245度。あと少し焚く。2、3日そのまま冷ましてから窯出しです。
窯だし風景。
並びに並ぶ。
写真上は焼きが強いカップ。同じ土、同じくすり、同じ焼きで
一窯の中でも、これほどの違いが表れる。窯に任せるというのはこういう
ところ。しかしいずれも私の子供達。それぞれの顔がありいい。
また、使い込まれる事により、その表情は大人へと変化してゆく。
Kさんお待たせしました。100セットお送りしました。お楽しみに!