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木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

《OSS 117 私を愛したカフェオーレ》

2013-01-15 14:23:41 | 日記


『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(2006年フランス)

スパイ・パロディのお約束。
鈍い、すぐに調子に乗る。
この二つを見事にクリアしている、
OSS 117ことユベール。
やっぱり、人の話を聞いてない。
そして、単語覚えられない…
というか、知らない?
こんな人に仕事任せちゃダメだよ。
自分に優しく、他人に厳しい男。
って、おいおい…
何故か、突然、官能モードにスイッチが入る困った奴。
まぁ、ただのスケベです。
ノリノリで踊るシーンは、
うはっ、キュートだぜ!OSS 117。

1955年、エジプト。
任務中だったフランススパイ、ジャックが失踪。
その後、彼の死体が写っている写真が見つかる。
親友の死の悲しみを抱え、エジプトに乗り込むユベール。

スエズ運河をめぐって、不穏な空気漂うエジプト。
フランス、イギリス、ソ連、アメリカのスパイが入り乱れる。
表向きは、
カイロ養鶏協会、エジプト養豚協会、ベルギー養鶏協会、ソ連の羊畜産家、英国羊肉連合の競合。
他に思いつかなかったの?な隠れ蓑をフル活用。
ニワトリが乱れ飛ぶ中、
正確には、ニワトリが(一方的に)投げられる中、
ユベールの身辺も、きな臭くなってくる。
更に、秘密結社、王位復活をもくろむ王家、
謎の指令者、やたらコマ目に報告したがるスパイが現れ、
事態は、ごった煮。

OSS 117の無茶ぶり、
というか、無知ぶりはすさまじく。
“え?戒律でお酒禁止?バカみたい!”
あ、言っちゃったよ。この人…
とまぁ、あたり構わず侮辱しまくりな彼。
(構おうよ、少しは!)
“子供は8人かい?9人かい?”“2人です…”
それ、知識じゃなくて、ただの偏見だよぉおおお。
怖いもの無しなOSS 117。
敵しか作ってない気もするけど?
挙句の果てに、朝の祈祷係に向かって、
“うるさい!静かにしろっ!!”
こんな人、他国に送り込んじゃダメだよ。
送られたほうは大変だよ。
ってそういう作戦か?!


フランスでコメディと銘打つと、
やたら気張りすぎてたり、幼児化してたりして、
付いていけない映画もあるが。
この映画に関しては、ゆる~いとこが有り難い。
芸人も嫉妬しそうな、愛嬌あるデュジャルダン・スマイル。
これには、トロけます。
というか、本人がトロけてるから、ね。
くったくのない笑顔(ただの間抜けヅラか?)に、つい油断。

そうかと思うと、切れ味ある動きや演技を繰出す憎い奴。
全身から発散するコメディのエネルギー。
セクシー、ダンディ、二枚目…
あらゆる形容詞を味方につける奇跡の男。
今回は、マンボを踊り、ウード片手に歌まで披露。
サービス精神って大事だよね。

小気味いいテーマ曲が楽しい、
アクションもほどほどなスパイ映画。

『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(2006年フランス)
監督・脚本:ミシェル・アザナヴィシウス、脚本:ジャン=フランソワ・アラン、
原作:ジャン・ブリュース、音楽:ルドヴィック・ブールス、カメル・エシェーク
出演:ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、オーレ・アッティカ、
フィリップ・ルフェーヴル、コンスタンティン・アレクサンドロフ

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