第8回横浜トリエンナーレ。
今回のテーマは「野草:いま、生きてる」。
環境破壊や戦争や経済格差や不寛容などの多くの問題を抱えながら、野草のようにもろく無防備でありながら、しかしこうした状況をたくましく生き抜こうとするひとりひとりに目を向ける。
会期は3月15日~6月9日。
会場は、横浜美術館をメインとして、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO、クイーンズスクエア横浜、元町・中華街駅連絡通路。
この展覧会は7章で構成されている。
旧第一銀行横浜支店とBankART KAIKOは「すべての河」。
横浜美術館は「密林の火」「わたしの解放」「鏡との対話」「流れと岩」「苦悶の象徴」「いま、ここで生きてる」の6章。
横浜美術館。
「苦悶の象徴」。
この章のタイトルは、1900~1920年にかけて活動した日本の英文学者であり文芸評論家の厨川白村(1880~1923)の1923年刊行の著書「苦悶の象徴」からとられている。
魯迅は、自分の詩集「野草」を執筆しつつ白村のこの著書を翻訳した。
白村は、文芸は純然たる生命の表現だとする。外界の抑圧強制から全く離れて絶対自由の心境に立って個性を表現しうる唯一の世界であるとする。
しかし一方で、芸術とは「抑圧強制」と闘って生じる「苦悶の表現」のふたつの力がぶつかるところから生まれ出るとする。
サウス・ホー。
ピッパ・ガーナ―。
ジョナサン・ホロヴィッツ。
フンクワン・タム。
土肥美穂の立体作品。
小野重忠やジョン・イエフー等の作品。
ドバイ・ペーテル。
はてさて。
この章のタイトルの時代は「抑圧強制」が五感を通して可視化可能だった。ある意味わかりやすかった。
今の「抑圧強制」はどうだろう?
今の「苦悶の表現」とは苦悶してるのかどうなんだかわからぬことも多くなった。
Dream? strive to do, and agonize to do, And fail in doing.