ぼかぽかポカリ☆(仮)

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論文(15日現在)

2009-09-07 14:29:46 | 日記
1、 業界研究 (2500)
1-1 大塚製薬について
大塚製薬の歴史は、1921年に大塚武三郎が徳島県鳴門市に化学原料メーカーとして大塚製薬工場を創業したことに始まる。当初は鳴門の塩田でとれる苦汁を原料として工業用炭酸マグネシウムを生産していた。
1964年設立された大塚製薬は、点滴注射薬などの販売会社として活動を始め、1971年より新薬の自社開発に乗り出した。1980年にはβブロッカー「ミケラン」、気管支拡張剤「メプチン」を上市し、つづいて抗血小板剤「プレタール」、胃炎・胃潰瘍治療剤「ムコスタ」、抗精神病薬「エビリファイ」などの革新的な薬剤を世界で展開している。また、医薬品研究のノウハウを活用したニュートラシューティカルズ(栄養+薬の造語)の製品開発と事業展開を進め、1980年に「ポカリスエット」を発売後、「カロリーメイト」「SOYJOY」などそれまでになかった新たな市場分野を創出している。
大塚製薬のグローバル展開は、1970年自社医薬品事業の立ち上げとライセンス導入より始まった。1973年タイ大塚製薬設立よりアジアでの輸液事業展開を開始、1981年の自社新薬のライセンス導出を経て、1989年にアメリカ、1998年にはヨーロッパに事業統括会社を設立し医薬品事業の国際化を進めてきた。消費者商品事業は、1982年香港、台湾において「ポカリスエット」を発売後、アジア、アメリカに事業所を設け、各社間の協力を図りながら事業を展開してきた。近年では、ヨーロッパにおいて各方面で実績のあるパートナーに資本参加し、新たな可能性への挑戦を始めている。
Otsuka-people creating new products for better health worldwide
この言葉には、自らの手で独創的な製品を創る、健康に役立つ、世界の人々に貢献するという思いが込められている。
大塚製薬はこの企業理念のもと、大塚の遺伝子である「実証と創造」を受け継いで、「大塚だからできること」「大塚にしかできないこと」を、日々実践しようと努めてきた。そして今日、大塚製薬の革新的で創造性に富んだ医薬品や消費者商品は、人々の暮らしをサポートしている。

1-2 他社との比較

1-3 スポーツドリンクについて
 スポーツドリンクは、大量の発汗等によって失われる水分やミネラル分をといった養分を効率良く補給する事を目的とした機能性飲料である。体液にほぼ等しい浸透圧を持つため、近年ではアイソトニック飲料・ハイポトニック飲料と呼ばれることがある。
 現在、「ポカリスエット」をはじめ、「アクエリアス」・「ゲータレード」・「DAKARA」など約30種類のスポーツドリンクが存在する。
スポーツドリンクは、効率良く水分補給をすると共に、大量発汗によって崩れやすいイオンバランスを保ち、ミネラル分を補給する役割を持っている。発汗時には、体内の水分とともに塩分も失われる。スポーツドリンクの成分には、ナトリウム(塩分)、電解質、ミネラル分も含まれていて、発汗で失われた水分と養分を一度に補給できるため、スポーツ時や熱中症に適した飲料であるとされている。また、スポーツドリンクは体に負担を掛けないように考慮されていて、スポーツを行った際に蓄積される乳酸などを分解するアミノ酸やクエン酸が含まれているものもある。

2、 マーケティング戦略(3500)
ポカリスエットのマーケティングを調べる上で、4PとSWOT分析を軸に考えていった。
2-1 製品
1973年、大塚製薬は、汗をかいた時の水分補給を目的に「飲む点滴液」をコンセプトとし、ポカリスエットの製品開発を開始した。同社は輸液(点滴液)のトップメーカーであることから、電解質輸液の生産技術、口渇や脱水のメカニズムな研究などの豊富な蓄積があった。そのようなノウハウを生かし、「KN補液4B」という既存の輸液を原型として、これを「飲料としてお金を出して継続的に飲んでもらえるような味」、「発汗時におけるおいしい味に」を目標とし、7 年後の1980年にポカリスウエットの販売が開始された。
ポカリスエットの製品戦略としての最大の特徴は導入に際して「スポーツドリンク」という狭いカテゴリーに押し込まないポジショニングをとっていたことである。前述の通りポカリスエットは「飲む点滴液」として開発されていたため、飲料としての本質的な価値を「発汗に伴う口渇や脱水を補うための水分と電解質補給」と据えていた。従って、先行商品として販売されていたゲータレードとは飲料の位置づけとは異なり、スポーツ後だけでなく、入浴後や飲酒後、起床時等、発汗に伴う口渇が生じるあらゆる生活場面で引用される飲料として位置づけたのである。このため、当時ポカリスエットに先駆けて市場参入していた既存のスポーツドリンクとは、飲料の形態や味、容器の形状や色、価格面において徹底した差別化を図った。

2-2 流通
製品の発売当初は医療品のチャネル、オロナミンCで開発したチャネルと自動販売機ルートから開始した。さらに、小売店回りを徹底して行い、開放的流通チャネル政策をとった。
飲料は最寄品であるため、積極的なプロモーションを行っても、取り扱い小売店が少なければ購入を期待することはできない。そこで、営業による小売店回りでポカリスエットの機能性や味を徹底してアピールし、多くの小売店で扱ってもらうことに成功した。1982年に「二日酔いに効く」という訴求点を新たに加え、酒店を中心に販売店を拡大した。さらには脱水症状に効果があるとして医者や病院にも販売先を求めた。この間には多くの競合飲料が販売されたが、ポカリスエットは確実に売り上げを伸ばしていった。

2-3 価格
ポカリスエットの価格は、発売当初は245ml缶で120円であり、当時のコカコーラが250ml缶で100円であったことを考えると高級志向の飲料であったことがうかがえる。しかし、ポカリスエット発売の3年後の1983年、日本コカコーラ社はスポーツドリンクとして「アクエリアス」を250ml 缶100円という低価格で発売したことにより、万人受けするような価格に変更せざるを得なくなったため、ポカリスエットは250ml缶100円へ値下げを行った。1987年にアクエリス350ml缶100円、1988年にはポカリスエット350ml缶100円というように実質価格の変更が行われた。
現在、薬局や小売店などでは一般的にアクエリアスやDAKARAなどのスポーツドリンクは比較的安価で販売しているが、ポカリスエットはほぼ定価で販売されている。

2-4 プロモーション
 発売当初はポカリを1本でも多く置いてもらえるように、販売店を回ったが、店主に味がまずく売れないから取り扱うことができないと断られた。一般消費者の意見を聞いてみても、まずいという評価を得た。そこで社長は、無料サンプルを無制限にひたすら配る戦略を打ち出した。その理由として新しいものを作ろうとしているので最初に売れないのは当たり前と考えたからだ。まずは製品コンセプトの認知を高めるために、ひたすら配ることが大切だと考えた。そして無料配布を開始し、まずは、野球をしている少年たちに、そして汗をかきやすい場所に出向きサンプルを配った。そこでの評判は上々であったが、無料配布本数が約3000万本で赤字額が40億円にも上った。しかし2年目の夏ポカリの製品コンセプトがようやく消費者間に広まり、売り上げが前年の3倍の280億円まで伸びた。ポカリの発売後、後続商品が続々と発売され、7年後には市場規模が1000億円まで成長した。
ポカリスエットは発売当初から若手女優と有名歌手の取り合わせで青春を感じさせる中高生向けのテレビCMに仕上げた。認知度が極めて高いのでフレッシュなイメージを打ち出し、共感を得ることが狙いだった。だが、新鮮さを保ち続けるのは難しい。そのための仕掛けの1つがテレビCMの転換だった。そこでイメージを一新して国民的アイドルグループSMAPを起用した。CMコンセプトを「ACTION」とし、500mlペットボトルで国産最軽量容器に刷新したことをアピールした。これらに共通することは、前に進み続けることであり、商品の中身は変わらなくても、止まっていないというイメージをアピールした。
 競合関係も広告戦略を転換した理由の1つである。ライバルと目されるコカ・コーラグループのアクエリアスはスポーツ選手を起用したテレビCMを展開しているが、ポカリスエットはスポーツの時だけでなく様々な機会に飲まれているとの分析から、より幅広い層にアピールしようと考えた。広告の評価が高いこともあり、2007年4~6月は単品で前年実績を上回る販売実績にあげているという。

2-5 ブランド
2-6 SWOT分析
強み
 ポカリスエットは過去に、競合の参入と市場の成長の鈍化を受けて、風呂上りや睡眠時などの効率的な水分補給のためのアイソトニック飲料とポジショニングを変更して、新たな需要開拓に成功した。さらに、ほかに例を見なかった青いパッケージの採用がポカリスエットのブランドイメージを確立し、根強い支持を得られたことが強みにつながったと考える。

弱み
日本においてはアクエリアスに負けずに十分な売上をあげているが、世界的に見るとアクエリアスは国際オリンピック委員会やFIFAワールドカップの公式飲料になっているように、アクエリアスの規模が圧倒的である。
機会
 ポカリスエットのマーケティング機会として2つあげられる。
 まず1つ目が2010年FIFAワールドカップアジア最終予選の公式ドリンクになったことだ。競合アクエリアスが国際的なマーケティング展開をしているのに対し、ポカリスエットは後れをとっていた。しかし今回公式ドリンクに選ばれたことで世界的な知名度も上がり、国際化への足がかりとなるだろう。
 2つ目が環境問題に関心を持つ消費者が増えたことである。大塚製薬は他社に先駆けて日本初の「陽圧無菌充填方式」を採用し、同社従来容器と比較して容器重量の約30%の軽量化を実現した。国内製造の500 mlペットボトルとしては最も軽い1本当たり18グラムとなった。(2008年12月現在 自社調べ)ひとたびキャップを開くとボトルが柔らかく手になじみ、持ちやすい硬さに変化する。また、飲み終わった後は女性でも片手で簡単につぶすことができ、リサイクルの時にも便利になった。今回、ポカリスエット500mlペットボトルの容器を「エコボトル」にして約30%の軽量化を行うことで、年間約2700トンのペット樹脂量が削減できるという。これをエネルギー量で原油換算すると、年間約4000klの削減となる。また、CO2削減量としては、年間約8300トンの削減となり、約1500世帯分の年間CO2排出量に相当する。
脅威
 近年の健康ブームにより、スポーツドリンクの重要性が見直された。それに伴い様々な新製品が開発された。その新製品は主に2つにわけられると考えた。1つ目は、花王のヘルシアウォーターのような、機能性に特化した製品である。2つ目はサントリーのDAKARAのような、シーンを限定しない製品である。ポカリスエットも元々シーンを限定しないことを戦略としてきたが、一般消費者はポカリスエット=スポーツドリンクの印象をぬぐい去れない人が多く、DAKARAの登場に衝撃を受けた。

3、消費者分析 (4000~4500)

4、シェア拡大への提案(1500)