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WindowsPC環境におけるプレートソルビング(6)

2021-11-14 00:00:41 | AZ-GTi
(1)プレートソルビング機能概要とソフトウエア構成
プレートソルビング(plate-solving)とは、望遠鏡で撮影した星空画像を解析し、前記画像がどのような姿勢の望遠鏡から撮影したかを星図から特定する機能のようだ。
上記の機能によって特定された望遠鏡の姿勢情報を、望遠鏡のマウントにフィードバックすることで、天体の望遠鏡視野への導入を容易に実現できる。
ここでは、前回のブログ[12-15]と同様の構成において、次の対策を施して試行運用した結果を記す。

・SharpCapのバージョンアップ:3.2→4.0[1]
・ASTAPのバージョンアップ:0.9.584→0.9.587[2]
・鏡筒をファインダー用のSV165(120mm F4)を使用[9-11]
・ASTAPのFOV(Field of view (height))値を適正値(auto)に設定[22]
・露出やゲイン、画面の明るさを調整し、星が多数写るよう調整[21]


WindowsPC環境におけるプレートソルビング試行運用構成例

構成概要
 【ソフトウエア】
 ・イメージキャプチャ:SharpCap4.0[1] イメージキャプチャ、Plate-solve、ハード制御
 ・Plate-solve:ASTAP 0.9.587 & Large star database H18[2]
 ・ハードウエア・ラッパー:ASCOM - Platform 6.5SP1[3] & SynScan ASCOM Driver 1.3.0[4]
 ・AZ-GTiマウント制御:SynScan Pro 1.19.0[5]
 【ハードウエア】
 ・パソコン:WindowsノートPC(Core i5 2.30GHz 、8GB、240GB-SSD)
 ・イメージセンサ:SVBONY SV305(SONY IMX290NQV:1/2.8型 1920x1080 2.90μm)[6]
 ・マウント:AZ-GTi赤道儀化マウント[7-8]
 ・望遠鏡:SVBONY SV165 120mm F4[9-11]


試行運用の様子

(2)SharpCapとASTAPのバージョンアップ
 1.SharpCapのバージョンアップ:3.2→4.0
 ・ShrapCap3.2をアンインストール後、SharpCap4.0をインストール
 ・SVBONY SV305のドライバをインストール

 2.ASTAPのバージョンアップ:0.9.584→0.9.587
 ・ASTAP0.9.584のアンインストール後、ASTAP0.9.587をインストール

(3)SharpCap4.0の設定[13,18]
 1.SharpCap4.0 > ファイル > SharpCapの設定 > ハードウエア

ハードウエア設定タブ画面例
※SharpCap4.0は、日本語化対応となっている。

 2.SharpCap4.0 > ファイル > SharpCapの設定 > プレートソルビング

プレートソルビング設定タブ画面例


”選択したプレートソルバーをテストする”結果画面例(テスト成功)

(4)SharpCapにおけるASTAPを用いたプレートソルビング試行運用結果
試行運用の手順は、次の通りである。

 1.SynScan Proを起動し、AZ-GTiと赤道儀モードで接続する
 2.SharpCap4.0を起動し、カメラにSV305を選択する
 3.SynScan Proで、1スターアライメントを実行する
 4.SharpCap4.0の望遠鏡制御メニューで"プレートソルブ&同期"を実行
 6.ASTAPにおけるプレートソルブが成功するとその情報がAZ-GTiマウントと同期し、アライメントした天体が望遠鏡視野へ自動導入される
 7.SynScan Proでアライメント完了を実行


"プレートソルブ&同期"成功時のSharpCap画面例
※ここでは、SynScan Proにおいて、カペラ[26]で1スターアライメント実施


"プレートソルブ&同期"成功時のメッセージ例


SharpCap4.0の望遠鏡制御メニューの画面例
※赤枠が"プレートソルブ&同期"ボタン


すばる(M45)[27]の自動導入画面例

(5)まとめ
天体の電視観望(Electronically-Assisted Astronomy:EAA)を目的に、WindowsPC環境にプレートソルビング・ソフトウエアをインストールした。
また、望遠鏡(SV165 120mm F4)にCMOSイメージセンサ・SV305を搭載し、また、AZ-GTi赤道儀化マウントを用いて、プレートソルビング機能の運用試験を行った。
今回は、SharpCapとASTAPのバージョンを最新化するとともに、"ASTAPのFOV(Field of view (height))値を適正値に設定"と"露出やゲイン、画面の明るさを調整し、星が多数写るよう調整"する対策を施した。
その結果、プレートソルビングが成功し、AZ-GTi赤道儀化マウントにおいて、希望する天体の望遠鏡視野への自動導入が実現できた。
現時点では、プレートソルビングに失敗する場合もあるので、安定的な運用を目的に、失敗の原因分析と、別鏡筒を用いた場合も含めての運用上のノウハウ蓄積を行っていく。

参考文献:
(1)SharpCap
(2)ASTAP, the Astrometric STAcking Program
(3)ASCOM - Standards for Astronomy
(4)ASCOM Driver - Sky-Watcher
(5)SynScan App - Sky-Watcher
(6)SVBONY SV305 CMOSカメラ 接眼レンズ 1.25インチアイピース 惑星観察
(7)Sky‐Watcher AZ-GTiマウント
(8)AZ-GTi赤道儀化マウント-goo blog
(9)SVBONY SV165 コンパクトガイドスコープ 30mm/120mm F4
(10)SVBONY 天体望遠鏡ファインダー ミニガイドスコープの紹介
(11)ガイドスコープをSV305に組み合わせテスト
(12)WindowsPC環境におけるプレートソルビング-goo blog
(13)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(2)-goo blog
(14)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(3)-goo blog
(15)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(4)-goo blog
(16)WindowsPC環境におけるプレートソルビング(5)-goo blog
(17)カテゴリー AZ-GTi-KIMUKAZU blog
(18)(多分)一番シンプルなプレートソルブ-ほしぞloveログ
(19)Windows MiniPCでヘッドレスリモートEAA環境ようやく全て動作(かな?)
(20)Solver - Usage as a solver with other programs - Using as SharpCap
(21)プレートソルビングが失敗する場合の解決策 まとめ
(22)Conditions required for solving
(23)撮影現場での傾き検知と補正(ASTAP)
(24)ASTAPというソフト
(25)ASTAP Ver.0.9587から新Database
(26)カペラ (恒星)-Wikipedia
(27)プレアデス星団-Wikipedia

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