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遊星號による天体観察(46)

2021-08-09 00:10:18 | 木星
遊星號[1]を用いて、木星[3]のガリレオ衛星[4]を観察した結果を記す。
また、マカリ[5-7]を用いて木星とガリレオ衛星の距離を計測し、その軌道半径と公転周期の概算を行った。

(1)2021年の木星とガリレオ衛星(上が北)

2021-08-03 木星とガリレオ衛星[13]
上:20:20、中:20:48、下:22:27
OLYMPUS E-PM2, 遊星號 800mm F16
動画撮影モード, 800mm, F16, 自動露出, 1920x1080, 29.97fps


2021-08-04 木星とガリレオ衛星[13]
上:20:36、中:21:49、下:23:08
OLYMPUS E-PM2, 遊星號 800mm F16
動画撮影モード, 800mm, F16, 自動露出, 1920x1080, 29.97fps


2021-08-05 木星とガリレオ衛星[13]
上:20:33、中上:21:32、中下:22:32、下:23:31
OLYMPUS E-PM2, 遊星號 800mm F16
動画撮影モード, 800mm, F16, 自動露出, 1920x1080, 29.97fps

※望遠鏡をポルタ経緯台に固定し、動画撮影モードで約5秒間撮影
※RegiStax6[10]でスタック処理、および、Wavelet処理を実施
※ImageMagick[11]を用いて、jpg変換、および、トリミング

・口径:50mm
・ドーズの分解能:2.32"[12]
・イメージセンサ分解能:1.93"相当[12]
(イメージセンサ画素ピッチ:3.74μm[12])

(2)測定結果(ガリレオ衛星の動き)

マカリの測定画面例(グラフ機能、距離測定、輝度分布)
※撮影したそれぞれの画像(jpg)について、マカリを用いて木星とガリレオ衛星の距離を測定


木星とガリレオ衛星の距離
縦軸:木星とガリレオ衛星の距離 Dx(pix)、横軸:観測日時 Date
Ⅰ:イオ、Ⅱ:エウロパ、Ⅲ:ガニメデ、Ⅳ:カリスト
グラフにプロットした結果より、ガリレオ衛星の動きは、周期的なサインカーブに載っていることがわかる。
また、上記の結果より、ガリレオ衛星のそれぞれについて、軌道半径:Da(pix)と公転周期:P(day)を次のように概算できた。


ガリレオ衛星の軌道半径と公転周期
グラフにプロットした結果より、ガリレオ衛星の公転周期:Pは、軌道半径:Daの3/2乗に比例することがわかる(青線)。
すなわち、ガリレオ衛星の軌道は、ケプラーの第三法則[8-9]に一致することがわかる。

(3)まとめ
遊星號を用いて、木星のガリレオ衛星を観察した。
また、マカリを用いて木星とガリレオ衛星の距離を計測し、その軌道半径と公転周期の概算を行った。
さらに、上記の結果について、ケプラーの第三法則に一致することを確認した。

参考文献:
(1)アメリカン!遊星號(三脚台座1/4雌ネジ付)
(2)今日のほしぞら-国立天文台暦計算室
(3)木星-Wikipedia
(4)ガリレオ衛星-Wikipedia
(5)すばる画像解析ソフト-Makali`i-配布サイト
(6)マカリ:Makali`i 超入門編(マニュアル)
(7)鈴木文二・洞口俊博 編、あなたもできるデジカメ天文学 "マカリ"パーフェクト・マニュアル、発行所 恒星社恒星閣、2015年11月15日初版1刷発行、pp.48-51.
(8)ケプラーの法則-Wikipedia
(9)万有引力Wikipedia
(10)RegiStax6
(11)ImageMagick
(12)望遠デジタルカメラの分解能-goo blog
(13)Galilean Moons of Jupiter

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2 コメント

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ガリレオ衛星の公転周期に関して (starskys2)
2021-08-09 10:50:41
新星空の友です。

ガリレオ衛星写真から観測値を使ってガリレオ衛星の公転周期を算出しましたね。
私はガリレオ衛星の公転周期を自分で算出とたことはありませんが、興味を持って自分で算出してみるこは大切ですね。
衛星の距離がサインカーブの動きをしていることも実験で確認していますね。
自分の観測値から既に判っている天文現象を確認することは意義があると思います。ネット検索等で調べれば判ることでも自分の体を使って導き出すことは大切です。
参考までに天文年鑑に木星の4衛星と土星の3衛星
の運動図が載っています。この図から公転周期と観測日の衛星位置が読み取れます。
ガリレオ衛星の公転周期は一定ではなく、地球の公転軌道と木星の公転軌道の位置関係で範囲があるそうです。
ガリレオ衛星の公転周期の次は、木星の自転周期を写真観測値から算出してはどうでしょうか。木星表面は気体のため、赤道付近と高緯度では自転周期が約5分異なる(高緯度の方が遅れる)そうです。
私はまだ木星の自転周期を写真観測から算出したことはありません。大赤斑の眼視観測で大体10時間と知っている程度です。
天体写真撮影から始まり天文計算して算出するところまで興味が深まってきましたね。
天文分野も幅が広いですから、東京の空でできることを模索して自分流の星の楽しみ方を見つけるとよいですね。
それでは、次はブログに何を載せて頂けるか楽しみにしています。
暑い日が続きますので、体調に気を付けて星空撮影して頂きますようよろしくお願いします。
返信する
Re:ガリレオ衛星の公転周期に関して (KIMUKAZU)
2021-08-09 13:44:12
新星空の友 様

いつもコメント、ありがとうございます。
ここのところ、月のない星空となりましたので、ふだん月の観察に用いている遊星號を、木星とその衛星の観察に使用してみました。
また、光度測定をきっかけに使い始めたマカリを使いこなすために、図書館で「あなたもできるデジカメ天文学」を借りたところ、今回のガリレオ衛星の動きなど、興味深い情報が豊富に掲載されており、参考にさせていただきました。
今回、わずか3日間の木星の観察結果ですが、マカリを活用して、ガリレオ衛星の軌道半径(正確には相対値)と公転周期を、大雑把ですが自分なりに求めることができました。
ご指摘の木星の衛星の運動図につきましても、天文年鑑2021、p.151に掲載されていることを確認できました。
特に今年の木星は、昨年に比較して視半径が大きく観察しやすいようですので、口径の大きい望遠鏡を用いて、自転周期の測定等にもマイペースで挑戦してみたいと思います。
引き続き、ご指導よろしくお願いいたします。
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