名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

指導しない指導~思考実験編~

2018-02-17 12:57:06 | 教育に関する私論
この記事の続きです。

この記事は、いつものような「私はこうするべきだと考える」という主張では無く

「もしもこうなったらどうなるだろうね」という思考実験のようなものです。

その点をご了承の上、お読み下さい。



前回の記事では、昔は当然のように行なわれていた指導も、今では体罰になり得ると言うことや

体罰を行なっても教育的効果は期待できないし教師側が悪者になるだけだから、やるべきではないということを述べました。

そこで、学校のシステムを抜本的に変えてしまったらどうなるか、と想像してみました。

私の想像は、こうです。

何か悪いことをした生徒がいた場合、今までであれば

事実確認→指導→生徒を反省させる(場合によっては謝罪させる)というのが、大まかな生徒指導のパターンでした。

これを、捨てる。

事実確認→処罰

これで終わりにするのです。



イメージとしては、こうです。

あなたは、車の運転中です。

うっかりスピードを出しすぎてしまい、パトカーに捕まってしまいました。

警察官は、どのような対応をするでしょうか。

まず、どのくらいのスピードを超過していたのか、事実を伝え

所謂違反キップを切られるという、淡々とした行政処理が行なわれるわけです。

よっぽど違反者の態度に問題が無い限り、叱責や暴力が行なわれることは無く

そもそも、警察官がそんなことをする意味も必要性もありません。

悪事に対して淡々と処罰が下され、その事実が他者への抑止力にもなっているわけです。



この原理を、学校現場にも適用したらどうなるでしょうか。

まず、年度初めに、全生徒に同じ点数を付与する。

そして、悪事を働いた生徒には、淡々と、悪事のレベルに応じて減点をしていくのです。

持ち点が、ある点数未満になった場合、強制的に学校から排除されます。

すなわち、みんなと一緒に学校生活を送ることはできなくなり、矯正施設のようなところに送られます

それでも更正できなかった場合、高校の受験資格を失うなど、さらに厳しい処罰が下されます

もちろん、子どもたちには事前にこのシステムを重々説明し、それを抑止力とするのです。

このシステムになった場合、教師は悪事の事実を見逃さないことに注力するだけで良くなるので

体罰や暴言は学校から消えます。


だって、やる必要がなくなるのですもの。

あとは、先生によって減点の仕方に差があってはいけませんので、「この程度の案件は注意ですます、この程度の案件は減点する」というラインを明確化し、それを全職員で共有するだけです。

廊下や教室に監視カメラを設置するのも有効でしょう。オービスみたいなもんです。



いかがだったでしょうか。

良いことか悪いことかは私には分かりませんが、このようにすれば、少なくとも体罰やそれに近いような指導は学校から消滅します。

ま、こんなシステムが現実になることはまず無いと思いますけれども。


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