旅する骨董屋 喜八

チベット圏を中心にアンティークや古民芸・装飾品を旅をしながら売買する喜八の、世界の様々な物や人その文化を巡る旅のブログ。

ザンスカール編 最終 パドゥムからレーへ戻る。

2023年09月14日 | 仕入れ旅




さて、短いザンスカールの滞在も終わる。

プルネ村からパドゥムへジープで移動し、
パドゥムで宿泊。

当初の予定はパドゥムで一泊し、
翌日に友人と共にレーに戻る予定だったが、
一応、ザンスカールでアンティークも探してみようと思い、
パドゥムで2泊する事に変更した。

結果から先に言うと、
やはり良い物は全く見つからなかった。

先日の投稿でも書いたが、
前回は数々の寺院に訪れ、
僧侶から直接譲り受けたが、
今回はその時間はなく、今回は地元民に聞いて回った。

結論は、ターコイズですら質も良くない。
他の良い物は市場に流通してもいない。
知ってはいたが、アンティーク・ショップもない。

わずかに古い物を持っている一般人にも会ったが、
レーよりずっと高く、
交渉する気も起きず買わなかった。

経験上、概して一般人の値段はメチャクチャな時が多い。
それは僕だけではなく、
ラダック(またはネパールでも)の地元の業者に持ち込まれる物ですら、
地元の業者も驚くほど高値を言われ、唖然とする場合もあるとも聞く。
相手が一般人であると、値段の折り合いは難しいのである。

とは言え、
ザンスカールの寺院には、
素晴らしい仏像や仏画の数々が多くあるのは知っているが、
一般流通する事はないだろう。

とゆー事で、
まったり過ごす。



昼食は麺。
肉はマトン(羊)。
臭みもなく、柔らかく煮込まれている。
美味。

ザンスカールでは基本、質素な食事だったので、
すごく美味しく感じた。




眺め。

パドゥム中心部(商店街の道が一本だけだが)から、
100メートルだけ離れただけで、
周囲の山々が良く見える。



翌日のレーまで、ジープの前の席に座りたかったが、
電話予約では後ろの席しか空きが見つからず、
中心部から2キロ位離れたジープ・スタンドまで宿の人に連れてってもらった。

結果、翌日にレーまで行くジープは一台だけらしく、
最後部の席を予約する。



宿からの山。

パドゥムでの宿は、
ザンスカール人の友人が勧めてくれた中心部から近い中級ホテル。
一泊2000ルピーを値切り1500ルピー。意外と高い。
清潔で快適でした。





翌日。
レーまでジープで帰る。
ダイナミックな景色だが、もう見慣れてしまった。

同日の夕方5時頃、レーに到着。
いつもの宿に帰宅。

因みに、ザンスカールからのジープは宿まで送ってくれます。



翌日、仲間で打ち上げ。

手前は友人と彼の奥さん。
日本人に顔は似ているが、生粋のザンスカール人夫婦。


ザンスカールの旅、終了。

めでたし、めでたし。

-----

後日、インド独立記念日の祭りがやっておった。
ここもインドだと改めて実感する。





美しいラダックの民族衣装。
若い女性が着込むと輝きを増す。



踊っておりました。

----

ザンスカールの旅を終えて感じる事だが、
ザンスカールは、
僕にとって奥地ではなく、秘境でもない。
ストレスも全くない。

確かに、景色は壮大で素晴らしい。

しかし、
リラックスしてしまい、心が深まらない。

いくらジープが崖ギリギリを走ろうが、
一車線の道を3台でカーチェイスばりに爆走しようが、
圧倒的な風景を見ようが、
心があまり動かない。

なぜだろう。

もっと奥地へ行けば、また違うのだろうか。

カトマンズの場末の茶屋で、
独りで黄昏ている時や、
チベットの奥地で死にそうになっている方が、心が深まる。

僕は心に、ある程度の負荷があった方が、
結果として旅を楽しめるし、
仕事としてもモノを深く視れる。
また、後々、印象に残ったりする。

心への負荷をかける事は何かと大変だが、
心の底へ深く潜ると、
新たな景色が自分の中に広がるのである。

電波も通じないザンスカールは、
一般的には秘境なのだろうが、
もっと強烈な、心馳せる旅をしたいと思ってしまった。

僕にとって、
心が深まる、
心馳せる旅とは、
地理的な事だけでもなく、
物理的な要素だけでもないらしい。

人との出逢いや別れ、
視覚的な要素や、
匂いや雰囲気、
哀愁や悲哀、
苦しみ、
祈り、
死と生など、
それらの複合的な要素が絡まった時に、
僕の心は動くらしい。

色々と想う事は多い。



ザンスカール編
終わり。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
« ザンスカールのプルネ村での... | トップ | 蒼いチベタン・ターコイズ「... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (eel__dog)
2023-09-14 12:18:33
いつも興味深いブログを読ませていただき、ありがとうございます。チベット文化に興味があり、ラダック周辺の地域のことを調べているので、喜八さんのブログ、凄く楽しみにしてます。ラダックの事はインドでアクセサリーを作っているRIOさんに色々と教えていただきました。
これからもよろしくお願いします。お体に気をつけて旅を楽しんでください🙏
返信する
Unknown (喜八)
2023-09-14 13:19:50
コメントありがとうございます。当方を見つけて頂き感謝致します。気ままに好き勝手書いているブログなので恐縮致します。今後とも宜しくお願い致します。
返信する

コメントを投稿