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起業家精神を育む(8)

2014-02-12 13:56:27 | 高等教育

「余裕」がアイデアを生む 早稲田大学教授 東出浩教

 ビジネスの新たな仕組みを生み出すことが起業家や、企業の内部で起業家気質を持つ人材の役割の一つだ。そのためには「このルールの範囲内ならば、自身で『自由に』考えて行動して構わない」という雰囲気が企業内に求められる。従業員が新しいアイデアを考えられる「余裕」を企業が持つ状態を「スラックリソースがある」と呼ぶ。

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 表で列挙したのは、私の研究室が発見した「従業員の幸福と企業の高業績につながる要素」である。「自分で判断できる自由」を生かして「能力を試し」ながら「人々の助けになる」仕事に取り組む社員は、会社の業績拡大に貢献するとともに自身も幸福を感じる。

 従業員が可能性を広げる余裕を失った極端に効率的な組織から、起業家的な成果は生まれない。

 スラックリソースの例として米化学大手3Mの「15%ルール」が有名だ。従業員は業務時間の15%までならば、会社の許可なく好きな研究に割いてよい。粘着力が極めて弱い接着剤を使った付箋「ポストイット」はこの制度から生まれた。

 米IT(情報技術)大手のグーグルは、この仕組みをさらに強め、従業員に業務時間の20%を担当の仕事以外に使うことを義務づけた。

 スラックリソースを有効活用するには以下の3点への留意が必要だ。

 まず、事業環境に応じてスラックリソースの量をコントロールする。米エンロンは従業員の過剰な自由裁量が破綻につながった。次に、企業のビジョンや戦略を経営陣と従業員と共有する。さらに、失敗から学ぶ姿勢を大事にすることだ。


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