優秀なデザイナーは、「みんなのアイデアを聞いて、助ける」
アルネスト・シローリは、開発援助の専門家です。彼は「地元の人たち自身が何をしたいか理解して、それをサポートする」といってますが、これは結構大きな流れです。開発援助だけではなく、世の中全体も、その方向に動いていると思います。
僕から見れば、彼はとても優秀なデザイナーです。デザインというと、絵を描いたりすることをイメージするかもしれないですが、最近は、デザインという言葉はもっと広い意味で使われています。たとえば、環境のニーズを理解して、そのニーズによって何かをつくることもデザインです。
そのことを表すのにuser-centric designという言葉が使われます。スティーブ・ジョブズは、マッキントッシュやアップルをつくったとき、ユーザーのことをとても意識していました。エンジニアが中心ではなく、使う人を中心にモノをつくる。それがuser-centric designです。
で、その次の段階には、participatory designがあります。ネットでは最近、洋服や靴を自分でカスタマイズして、自分に合った組み合わせを注文できますが、これがparticipatory designです。ユーザーがデザインに参加しています。
そして最近、個人的にとても注目していて、世の中の大きな流れにもなっているのが、co-designです。co-designでは、ユーザー自身がデザイナーになります。アルネスト・シローリはプレゼンテーションで、「村に行って、そこに自分のアイデアを持ち込む」のではなく、「みんなのアイデアを聞いて、助ける」という話をしていました。そのやり方こそ、co-designの、とてもよい例だといえるでしょう。
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