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起業家精神を育む(5)

2014-02-12 13:58:01 | 高等教育

「できる理由」探しに知恵絞る 早稲田大学教授 東出浩教

 起業家の行動パターンを支える思考の基盤にあるのは「先の見えない時代で戦略的に対応する」ということだ。目の前の問題の解決でなく「未来を創る」活動こそが戦略的な起業家の知的作業だといえる。

 この知的作業の過程を明快に語るのが、1988年に株式の上場(店頭登録)を果たしたフォーバル(東京都渋谷区)の創業者で、同社会長の大久保秀夫氏だ。同社は情報通信関連サービスなどを手がけ、多くの「新しいあたりまえ」を生み出してきた。これは大久保氏によると「昨日までなかったものを今日からの常識に変えていくビジネスモデル」を指す。

 大久保氏はしばしば「結果から逆算して考える」と指摘する。さらに「できない理由でなく、できる理由を考えることが大切」と周囲に説く。

 「逆算」とは何か。まず数年後にビジネスが成熟したときをイメージする。そこから逆算して(1)競合他社が対応策をとるタイミング(2)顧客基盤拡大のスピード(3)新たな製品やサービスを市場に投入する時期(4)そのための資金が必要になる時期(5)新たな製品やサービスの原型を完成させる時期(6)そのために事業コンセプトと収益の構造を固める時期――などの重要な節目を設けることだ。

 そのうえでそれぞれの節目での目標達成を目指し、それには何をすべきかという「できる理由」探しに知恵を絞る。「できる理由」の多くは仮説なので、やってみないと検証できない。

 検証過程における多くの失敗を前提として、こうした失敗のコストを最小化し、学習効果を最大化するように行動する。これが多くの起業家に見られる態度だ。新しい何かを創り出そうとする個人や企業に求められるカルチャーともいえる。

 ビジネスの業績が予想と異なる場合は多い。そのとき、起業家や同様な考え方をするビジネスパーソンは「学び」を得たことになるのだ


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