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(経営学はいま)起業家精神を育む(7)

2014-02-12 13:55:29 | 高等教育

 社内の意思疎通を高める 早稲田大学教授 東出浩教

 「人(従業員)の数が増えなければ業績を伸ばし続けるのは無理」。企業の経営資源を有効利用するIT(情報技術)システムなどを提供するワークスアプリケーションズ(東京都港区)を創業した同社の牧野正幸代表取締役は話す。「働きがいのある会社」の各種調査で常に上位にある。

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 同社のようなベンチャー企業は常に人が増え、規模が拡大する。成長期には創業時の文化や理念が希薄になりがちだ。解決する手段の一つが「インターナルコミュニケーション(社内の意思疎通)」の充実である。

 これまでの研究によると、社内コミュニケーションに関する従業員の満足度が高いと仕事の充実感も強まり、企業の成長につながることがわかっている。米欧には、専門の調査票で社内のコミュニケーション満足度を測り、改善策を施して業績を高める会社もある。

 図は私の研究室にいる古屋光俊氏と私が共同で日本のベンチャー・中小12社に実施した2013年の調査結果だ。矢印で示したのがワークスアプリケーションズ。満足度は「仕事」「インターナルコミュニケーション」でともに最高だった。

 同社には社内コミュニケーションを促進する専門チームがある。会社の頂点の牧野氏が社内コミュニケーションに強い意志をもって関与し、企業の成長に応じ、調整し続けてきた。管理職に経営陣の考え方を理解させるため、管理職同士が仕事の話の尽きるまで話し合うようにし向ける。牧野氏は、社員に対して「同じ話を百回しなければふに落ちなければ百回する」と語っている。


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