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ずんぐり兄弟 中学受験体験記

2007年、筑駒・開成中に合格した長男の開成ワクワク体験記と
2009年に本郷中に合格した次男の本郷ドキドキ奮闘記

開成マラソン

2007-11-15 | 開成の生活
年によって日程に前後があるのかもしれませんが、
10月の終わり頃 開成マラソンが開催されます。

荒川の河川敷に学年ごとに時間差で現地集合。
高校生は8キロ、中1は5キロ(数年前までは4キロだったらしい)、
中2と中3は6キロを走ります。

今年は時折吹く風が冷たいものの、
好天に恵まれ、絶好のマラソン観戦日和。
会社のお休みをいただいて観戦に行ってきました。
観戦が快適な陽気ということは、
ランナー達にはやや暑すぎる陽気。
高校生はスタートが早い時刻なのでまだ良かったようですが、
最後に走った中2と中3は暑くてかわいそうなようでした。

マラソン大会に向けて、
2学期の中間考査前あたりから、
マラソン練習が始まります。
体育の授業を使ってただひたすら走る、走る。
小学校のマラソンは6年生でも2kmでしたから、
ずんぐり長男にとっては走りごたえがあったようです。
早い生徒はとても早くて、あっと言う間に折り返し、
戻ってきてゴール!
タイムの差はありますが、全員完走(したと思います)
長男は半分より少し後。
ずんぐりにしては頑張った方かな?
当日体調が悪く走れない生徒は、欠席していなければ、
ゴール後のランナー誘導などの係を務めてくれました。

中1は約300人、それでも結構な人数ですが、
中2と中3は600人、
高校生にいたっては1200人近くが一度に走るわけで、
それはもう圧巻です。
上位の生徒は本当に素晴らしいですが、
順位やタイムにこだわらず、
開成最後のマラソンを楽しんでる高3の姿もチラホラ。
ゴール近くなると2、3人横並びで
「俺達が最後かなぁ?」とか話しながら走っていたり、
4、5人縦一列に並んで、おそらく応援に来ている保護者に向かい
照れくさそうに片手を上げ、全員同じポーズで走り抜けて行ったり。

長男も5年後に彼らみたいな笑顔で開成マラソンを走れるように、
たくさんの仲間達との素敵な関係を築いてほしいな、と感じた日でした。

文化祭

2007-11-08 | 開成の生活
9月、開成生として初めての文化祭を体験しました。

文化祭には様々な団体が参加します。
この団体のことを参団と呼びます。
今年は、中1の7クラスと高校から入学した2クラスが
クラス参団として参加しました。
その他は全くの自由参加。
クラブ参団もあるし、有志参団もあります。
毎年物理部や模型部などは大人気。
ジャグリングやマジック、クイズ研究会なども賑わいます。
運動部では他校を招待して親善試合をやることもあります。
今年の変わり種は「陸上部員達によるピアノ演奏会」で、
素晴らしい演奏だったようです。
聞きたかったなぁ、残念!

先生達によるライブもあって、
これは在校生の母達に人気があるようです。

人気の参団はとても混雑するので、
混みそうなところから早めにまわることをお勧めします。
土曜も午後は他校の学生で混んでくるので、
土曜午前が狙い目です。

クラス参団の準備は一学期中間考査が終わり、
部活に慣れ始めた頃から始まります。
クラスの中で委員や副委員を決め、彼らを中心に、
どんな催し物をやるか話し合い決定します。
有志参団はもしかしたらもっと早くから始動してるのかも?
展示、参加型アトラクション、演劇、音楽…
どんな企画を立てるのも自由です。
ただし、その企画を「通す」必要があります。
各参団の計画を、高2を中心とした「文化祭準備委員会」略して
「文準」が審査するわけです。
最近の男子校の企画で多いのは
「カジノ」「お化け屋敷」「迷路」「ダーツ」などの
参加型アトラクションが多いようですが、
似たり寄ったりの企画で特徴がなかったり、
いい加減な計画だったりしたら、
「容赦なく却下します」と事前プリントに書かれていたようです。
クラス参団については、審査はそんなに厳しくないのかもしれませんが、
たぶん今年から(もしかしたら去年から?)
景品として駄菓子を配布することがNGになったようで、
内容の魅力だけで集客しなければなりませんから、
中1なりに頭を捻ったのではないかと思います。

まだ中1ですから、顧問の先生(担任とは限らないらしい)の
アドバイスをいただきながら、ですが、
文準に指摘を受けては手直しをして、企画を作り上げていったようです。

文化祭はお客様を集めることだけが目的ではないですけれど、
一生懸命準備した企画にたくさんのお客様がいらして下さることは
達成感を大きくする要素ですよね。
開成では参団グランプリというのがあって、
面白かった、感心した企画に対し、お客様に投票をお願いしています。
この結果は後夜祭で発表されるそうで、
残念ながら私は発表を見たことがなく、
長男も後片付けで後夜祭には参加できなかったようです。
きっと盛り上がるんだろうなぁ。

さて、企画が通ると、具体的な計画に取りかかります。
使用する教室や予算が割り当てられ、
資材は何がどのくらい必要か?などの準備が始まります。
夏休みに入ると、運動部はもちろん文化部でも、
多くのクラブで合宿がありますが、
その合間を縫って、各参団のメンバーが作業にとりかかります。
クラス参団では、委員が活動日の予定を決め、
「来られる人は来てください」と委員が呼びかけるようです。

この活動は自由参加ですから、
長い夏休みを利用して海外に行ったり、
家族旅行や塾に行く子もいます。
それでも活動日には多くのクラスメイトが学校に来ていたようです。

1クラス40人以上いますから、
全員が同じように文化祭に燃えているかというとそうではないでしょうし、
登校しても準備そっちのけで遊んでいる子も中にはいるようですが、
夏休み家でダラダラしていて
親に「ちょっとは勉強したら?」などと言われるよりは、
学校で友達と過ごす方が楽しいんでしょうね。

長男は「部活は休みたくない」と言い全日出席、
また、部活に重ならない日は文化祭準備に全て参加しました。
夏休みの3分の2近く登校していたと思います。
学年旅行もそうですが、こういう行事を体験して、
企画力や交渉力などを身につけていくのでしょう。
1年目のクラス参団は大変勉強になったようで、
「来年は有志参団やりたいな」と言っています。



開成の夏休み

2007-11-01 | 開成の生活
夏休みに入ってすぐ、水泳学校が終わると、長い長い夏休みです。
他校を詳しく知らないのでよくわかりませんが、
他の学校に進学した友達ママから話を聞くと、
どうやら開成の宿題の量は、とても少ないみたい?

通常授業の宿題もないに等しいような気がします。
たまに英会話のCDを聞いたり、
何やらゴソゴソ慌ててやっていることもあるので、
提出ギリギリに慌ててやっているようなのですが、
毎日「やらなきゃいけないもの」があるわけではないみたいです。
(長男がやっていないだけだったらどうしよう?)

勉強のことはあまり家で話さないので正確なところはわかりませんが、
入学後しばらくした頃、授業で配布されたプリントをのぞくと
数学の問題集は
「授業の進度に合わせて各自進めておくように」とか
漢字テキストは
「5回の定期考査の出題範囲は、それぞれ○ページから○ページなので、
各自取り組むように」とか、書いてありました。
先日も「美術で来週までに書かなきゃならないんだ」と、
何やらスケッチブックに書いていましたが、
締め切り当日帰宅した長男に「忘れず提出したの?」と聞いたら
(過保護です、スミマセン)
「いや、別に『出せ』って言われてたわけじゃなく、
『各自来週までに進めてておくように』って言われたんだ」
要は「自分でやっておくように」と指示があるだけで、
提出義務があるわけではないらしいのです。
つまり「提出しなきゃならないからやる」んじゃなくて、
「自分でしっかりやりなさいよ」ということなのかも。

もちろん教科によって提出期日があるものもあるし、
未提出だと校内放送で「未提出の者は必ず○日までに持ってきなさい」
と流されたり、
中には先生から自宅に電話があることもあるらしいのですが。
とりあえず今のところ我が家には先生からの電話はなく、
かといって毎日勉強している様子もありません。
部活のある日は机に向かう時間はゼロですし、
夕食後いつまでもテレビを見ていて、我慢しきれず私が
「何もしなくていいの?」と聞くと、重い腰を上げ机に向かうも、
30分程で居眠り、という毎日。
開成の求める『自学自習』…道のりは遠いです。
「塾でも行かせなきゃ1日1分も勉強しないわ」と
塾に行かせ始めたお友達も数名います。
「学校の予習復習をしっかりやらないで塾に行くなんて本末転倒!」
という私の『塾に行かせない宣言』も、時折くじけそうになります。
開成健児の母は頑張るぞ!

というわけで、夏休みの宿題も他校と比べたら、
たぶんとても少ない開成。
計画を立てて集中してやれば、私が見たところ
一週間はかからないと思いました。
さすがに夏休みの宿題は提出義務があるので、
長男は夏休み最後ギリギリになって苦労していました。
「来年はもっと早く終わらせて、後からガッツリ遊ぶんだ」と言っていました。
その言葉、絶対覚えてなさい!と私は言いました

一学期の期末考査後の休みも合わせると、夏休みは本当に長いです。
ですので電車の定期は入学式の日に3ヶ月を買いました。
が、結局7月に半年分を継続しました。
というのも、夏休みの半分以上は登校していたからです。

所属するクラブにも寄ると思いますが、
長男のクラブは週に2、3日のペースで部活がありました。

また、担当する係にもよりますが、
夏休みから文化祭の準備が始まりますので、
その係活動で8月は週に1、2日登校。
部活の合宿は私の夏休みとしっかりカブっており、
今年の夏休みも我が家は家族旅行ナシでした。
来年はまた次男の受験でどこにも行けませんから、
今年はパーッと出かけよう!と楽しみにしていたのに。
中学生になるとなかなか一緒に出かける機会がなくなるものなんですね。

お読み下さっている方で、小学生男子がいらっしゃる方がいたら、
今のうちにお子さんとたくさんお出かけなさることをオススメします

水泳学校

2007-10-24 | 開成の生活
開成にはプールがありません。
でも水泳部はあります。
水泳部は普段は公共のプールなどで練習をしている他、
夏休みには長い長い合宿を海で行うそうです。

開成は館山に宿舎があり、以前は毎年夏休みに
中1全員参加で水泳学校を行っていましたが、
諸事情により何年も実施していなかったそうです。
その水泳学校が昨年より再開されました。
館山の宿舎は何年かの間、主に水泳部の合宿で使用されていたのですが、
昨年の水泳学校再開を受けてか、今年全面建て替えを行いました。
つまり長男達の学年が、新しい宿舎の初めての利用生徒です。

昨年の水泳学校の様子を写真で見ましたが、
旧宿舎はすごい!
老朽化というか何というか、とにかくオンボロでした。
若い頃こういう環境で仲間と寝食ともにするのは、
とても良い経験だと思います。が、
申し訳ないけれど、私は絶対泊まりたくない!
写真で見る限りですが、そんな様子の宿舎でした。

それが入学した年に全面リニューアル!
新しい宿舎の写真を見ましたが、とても素敵でした。
と言っても、もともとが簡素な学校ですので、
ゴージャスな設備があるわけじゃないんですが、
開放感いっぱいの明るい宿舎です。
初めて利用できる学年で本当にラッキー!
古い宿舎を最後に利用した中2の先輩方にゴメンナサイ、という感じです。
ついでに、夜枕投げをしていて網戸を壊した友達がいたとか。
先生方ごめんなさい。
壊れた網戸の窓近くに寝ていた子は、そうとう蚊にさされたらしいです。

水泳学校は夏休み中2泊3日の日程で、
中1を3グループに分けて行います。
指導して下さるのは主に水泳部のOB。
水泳以外にも、スイカ割り、地引き網、花火…
「夏の海でしかできない体験をたくさんさせたいんです」と
先生から暖かい説明がありました。
「砂遊びもやります。『中学生が砂遊び?』と思われるでしょうが、
これがけっこう燃えるんです」だそうです。
さすが先生、男の子の生態をわかっていらっしゃる!

ちなみに水泳学校、生徒は白フンドシです。
お天気に恵まれて帰宅した長男はお尻まで真っ黒けでした。

部活

2007-10-18 | 開成の生活
開成は中学7クラス、高校8クラス、全学年で45クラス
生徒数は約2100人。
都内にあるにしてはかなり多人数の学校です。
そのためクラブの数も実にたくさんあります。
これは開成の大きな魅力だと私は感じました。
中高一緒に活動するクラブも多く、
それぞれのクラブにけっこうな人数の部員がいます。

長男の所属しているクラブは筑駒にもありますが、
筑駒では数年前、部員不足から廃部の危機があったと聞きました。
開成のそのクラブの夏合宿参加人数は
50人を遥かに上回っていました。
一番人気のテニス部は総勢120人を超えるそうです。
鉄道研究会の他に模型部もあって、
模型部で鉄道模型を作っていたりします。
人数を集めれば同好会の発足もできるそうで、
以前はガンダム研究会なんてのもありました。
同好会については人数が集まらないと維持できなくて、
まとまった人数の学年が引退すると解散になってしまうらしいですが、
逆に同好会からクラブに昇格することもあります。

やってみたいことが何かしら部活にありますから、
何かしらのクラブに所属している生徒がほとんどで、
中1で、まるっきりの「帰宅部」は、ほとんどいないみたいです。
運動系のクラブは、
かなり練習量が多いクラブとそうでもないクラブがあるようで、
それぞれ自分に合ったクラブを見つけている様子。

1学期の中間試験の後、「クラブ勧誘会」が催され、
いくつものクラブに仮入部届けをし、
それらのクラブに実際に参加してみて、入部するかどうかを決めます。

ここで詳しくいろいろなクラブの紹介をしようとも思いましたが、
それだと、これを読んで下さっている方が入学された時の楽しみが
減ってしまって申し訳ないので、控えさせていただきます。

入学当初はクラスの中だけでの人間関係だったのが、
運動会や学年旅行を通じ、別のクラスとの交流ができ、
部活を通して先輩後輩の関係ができあがっていきます。

長男は「早く来年になって後輩が入ってこないかなぁ」と
首を長くして楽しみにしています。

学年旅行

2007-10-14 | 開成の生活
ご存知の方も多いかもしれませんが、
開成は行事盛りだくさんの学校です。
もしかしたら最近の私学はみんなそうなのかな?
自分の頃はこんなにいろいろなかった気がします。

入学するとまず、以前にも書いたボートレース、そして運動会。
中間試験が終わるとクラブ勧誘会があり、学年旅行。
学年旅行は高2まで毎年あり、中1は2泊。
中1は準備期間がないので、行き先も現地での行動も決まっていましたが、
中2以上は徐々に自分たちで決める部分が増えてくるようです。
行き先については、その学年によって
生徒の希望で決まることもあれば、
先生がある程度テーマを決めて、細部を生徒が決める、
ということもあるらしいです。

各クラスから旅行委員が立候補し、先生のアドバイスのもとに計画します。
本格的な作業は新学年になった4月からですが、
中1の秋、今くらいから、中2の旅行について
少しずつ準備を始めているようです。
上級生になると状況は違うのかもしれませんが、
今は全てを生徒だけで決めるのではなく、
旅行委員の集まりには担当の先生が同席し、
「その地方は中3が以前行ったから、どうだったか聞いてみれば?」とか
「この地方は何年か前に行ったけど、
時間的にも予算的にもギリギリだったなぁ」
とかのアドバイスを下さっているようです。
私が面白いと思ったのは「旅行委員はクラスに何人」
という決まりはないみたいなのです。
0人のクラスがあると成り立たないかもしれませんが、
どのクラスにも好奇心旺盛な子はいますので、
○組は6人、△組は10人、というバラバラな構成での学年旅行委員会です。

今年の旅行は飯ごう炊さんあり、トレッキングあり、
夜は夜で先生に内緒で部屋で夜中までおしゃべりをし、楽しんできました。
来年はどこにいくのかな?
親も楽しみです。

面倒見の良い学校って?

2007-08-23 | 開成の生活
「面倒見が良い」学校ってどんな学校なんでしょう?
生徒の学習進捗状況をしっかり把握して、
習熟度が低い生徒に対しては声をかけたり、
必要に応じて補修をしたりしてくれる学校。
授業に集中できない生徒がいれば、きちんと注意して正してくれる学校。
大学進学についてもきっちりサポートしてくれる学校。
保護者への情報提供をマメにしてくれる学校。
そんな感じかな?

長男が入学する前から予想してましたが、
開成はそういう学校ではないなぁ、と
入学してみて改めて感じました。
そこが「面倒見が悪い」と言われてしまう所以なのかもしれません。

「面倒見が良い学校」の方が、母親としては安心。
でも長男の性格からすると、彼には開成が合ってるんだなぁ、
とも思います。

すごいきかん坊とかやんちゃな性格ではないのですが、
規制されたり、枠に納めようとするととても反発します。
誰かに力で強制されるのが大嫌い。
自分の考え通りに自分のペースで進みたいのでしょう。
それが周囲と全くペースが違って、結果自分1人で行動することになっても
本人は全く苦ではない性格。
小学校低学年で学童保育を拒絶したのも、
このあたりに要因があるようです。

開成生活は始まったばかり。
自由は自己の責任のもとに成り立つということをしっかり学び
自学自習できる自立した若者になってくれるよう祈っています。
今までは、塾から与えられた問題を解き、
合格という目標を持って勉強してきましたが、
これからは自分で気づき、自分のやり方で勉強を進める力が
必要なのだと思います。
その力を養うのが開成という学校の教育目標なのだと思います。

「面倒見の良い学校」については、
その様子は想像しかできないのですが、
それはそれで素晴らしい面を持っているのだと思います。
知人からの話や様々な資料を読むと、
・入学式前後にレベルチェックテストのようなものがあり、
その結果によってクラスを均等に振り分ける。
・日々の学習目標について、学校が用意したフォームに
生徒自身で記入させ、家庭学習の習慣づけをする。
・定期テスト以外にも小テストが度々あり、
個々の学習の進捗状況を把握して、必要に応じて補習をする。
・夏休みなどには、達成度に応じた講習を行う。
などなど。
うん、やっぱりこれはこれで安心ですよね。

次男はどうかなぁ?どんな学校に進学するんだろう?
・・・というか、受験までたどりつくのかも不安ですが




面倒見の悪い?学校

2007-08-21 | 開成の生活
受験する学校を選ぶにあたってよく耳にする言葉に、
「面倒見が良い」とか「面倒見が悪い」とか言われますよね。
「面倒見」って言葉は捉え方によっていろいろだと思います。
開成は「面倒見が悪い学校」の典型なんだとか。
学校説明会でも入学後の説明会でも、
「よくそう言われますが、そんなことはありません」
と、校長先生がおっしゃっていました。
私も開成は「面倒見の悪い学校」ではないと(今のところ)思います。
ただ、そう言われちゃうかもなぁ・・・と感じる場面もチラホラあります。

どういうことかと言うと、開成は
「目はかけるけど手や口は出さない」学校なのです。
でもちゃんと生徒のことを見てると私は思うんですけどね。
あまりに口を出さなすぎるから、
「まだ中学生になったばかりなんだし、
もう少し口を出してくれればいいのに」と思うことが
私自身にもたまにあるし、
もっと強く感じている保護者もいるかもしれません。

例えれば、こんな感じ。
よく晴れた朝、朝食を一緒に食べている。
テレビで天気予報が、「激しい夕立があるかも」と言っている。
息子は起き抜けでボーっとしているのか関心がないのか
天気予報を聞いてるんだかいないんだか?
出かける息子を見ていたら、折り畳み傘をカバンに入れた気配はない。
そんな時どうしますか?
① その日に限らず、いつも傘はカバンに入れて(入れさせて)おく
② 「折り畳み傘入れておくよ」とカバンに入れる
③ 「降るかもしれないから傘を持っていきなさい」と声をかける
④ 放っておく

私は小学校低学年の頃は②、
高学年になってからは③、
実際には持って行かないことが多かったので結局は①でした。

でも開成の先生は④なのです。

「濡れたら濡れたでいいじゃないですか。
本人に学習させなくてどうします?」というのが開成の考え。
「雨に濡れると困るのは自分だから、天気予報に気を配るように」
な~んて声をかけたりはしないのです。

中学生なんだからそんなの当たり前、なのですが、
濡れたら本人だけじゃなく、
一張羅の学ランを濡らされて困っちゃうわ、と思うと
なかなか過保護から抜け出せず、私はまだ声をかけてしまいます。
でもやっぱり④にすべきなんですよね。
開成は、全てがそういうスタンス。

授業は各教科、担当講師のペースで進みます。
試験範囲が発表され、勉強してできた生徒には良い点が、
勉強せずできなかった生徒にはしっかり赤点がつきます。
試験までの期間、生徒の学習進捗状況を把握はしていても、
「君は理解してないようだからまずいんじゃないか?」
とかのフォローはありません。
でも「この生徒はヤバイな」という生徒のことは
言わないけれどしっかり把握しています。
高校生くらいになるとどうかわかりませんが、
中1では保護者にも先生から個人的に声がかかる例もありました。

授業中、おしゃべりしていようと遊んでいようと寝ていようと
塾の宿題をしていようと(けっこういるらしい)あまり注意されません。
自分で「正さないとダメだ」と気づいて正さなければ意味がない、
という考えなのでしょう。
でも、どの子がそうなんだか担任はお見通しです。
おしゃべりがうるさくて他の生徒が授業の妨げになる状況がひどい時には、
生徒達にホームルームで話し合わせたりします。
でも担任は基本的に口を出しません。
生徒達に話し合わせ、その結論を「ふむふむ」と聞いているだけです。

クラスが騒がし過ぎた時には、クラス全員の保護者が召集され、
状況を聞かされたこともありました。
その時も保護者に対して現状を伝えるのみ。
うるさい生徒、困った生徒は誰かなんて話は勿論しないし、
家でも指導してほしい、などとは言いません。
ただ 保護者が息子に関心を持って目を配っていてほしい、
という意図の話がありました。
開成は自由な学校で、細かいことは言いませんし注意もされませんから、
「何をしてもいい」と勘違いしちゃう子も入学当初は少なくないんです。
そんな息子を
「頑張って開成に入ったんだから好きにさせてやろう」
と、放ったらかしにするのと
「自由ってことは、何をしてよくて何をしたらいけないか
自分で考えて判断することだよ」と
目と気持ちを配る(でも口出しはしない、ここが難しい)ことは
全然違うんですよね。

そんなわけで、「開成健児」の母になるのはある意味大変です。
私もまだまだ初心者。頑張らなくちゃ


開成大運動会2

2007-08-10 | 開成の生活
運動会の前日まで、怖い先輩の指導のもと練習が続きます。
でも先輩は怖いだけでなく、
「これだけキツい練習をやってきたんだから、お前達は絶対勝てる!
みんなで優勝しような!」
というエールを送ってくれます。
ボートレースで上下関係を学んだ新米開成健児は、
運動会練習で学年を越えたチームの結束を学び、
運動会本番に臨みます。

開成の運動会では、
開会式や閉会式の挨拶以外では先生を見かけません。
本部テントの中には いるようですが、
グラウンドには先生の姿は一切見えません。
毎年運動会が終わると次の学年の中で、
運動会準備委員会を立ち上げ、
終了した運動会の反省点、
翌年に向けて改定が必要な事項、競技ルール、係決め…
高3は全員何らかの係(兼任も多数)になります。
組責任者を頭に、応援団、審判団、準備委員、各学年の指導係、
用具、アーチ(各組で作成する巨大な絵)、
エール(各組オリジナル応援歌)、襷…
一年かけて進められる準備は、全て生徒自身が行うのです。
どの競技も男子校らしい激しさで、大いに盛り上がりました。
長男のチームは学年競技で優勝し、感動のウィニングランをしました。
中1指導係も「練習についてきてくれてありがとう」
「勝ってくれてありがとう」と喜びながら一緒にグラウンドを一周します。
残念ながら敗れたチームの桟敷(応援席)の前では、
負けた生徒達が悔し泣き、指導係の先輩達も「俺達の指導力が足りなかった」と
中1にあやまりながら一緒に涙していました。

会場はとにかくすごい観客の数です。
特に中1などは憧れの開成大運動会に初めて参加するわけで、
一人の生徒に対し、両親、兄弟、祖父母二組の計7人が見に来たりしますし、
来年、再来年受験を考えている親子もわんさか来ます。
グラウンドでどのように競技が進行しているか、
背伸びしてもなかなか見えません。
足が棒のように疲れて、自分の息子の出番が済んだら、
適当なところで退散するつもりでしたが、
幸運にも長男のチームは総合優勝でした。
終盤には戦況が予測されていましたから、これは帰るわけにはいきません。
六年在学しても一度も優勝できない生徒もいるのに、
この機会を見逃すわけにはいかないわ!

というわけで、朝7時にはグラウンドに到着していた私は、
ほぼ12時間開成にいたことになります。

まず感動したのは、閉会式の入場行進。
2100人の生徒全員が入場行進をしたら何時に終わるかわかりませんから、
グラウンドに入場整列するのは、
応援団、学年学年担当のチーフなど高学年の一部で、
その他の生徒は、それぞれの組の桟敷に立っています。
入場行進曲は、音楽部の生演奏。
曲はTOKIOの「宙船」です。

桟敷は斜めに傾斜している木製の台のようなもので、
自分の出番以外の生徒は一日そこに立って応援しています。
傾斜がついているのは、後ろの生徒からもグラウンドの競技が見られるように、
なのでしょうけど、
前に傾斜している桟敷に一日立っているのは、
息子曰わく非常に疲れるそうです。

入場行進曲を聞いているうちに、生徒達は気分が高揚してくるのか、
その桟敷を足で踏み鳴らし始めます。
いつのまにか学年関係なく、隣同士肩を組んで、
曲に合わせて体を揺らし、かけ声がかかります。
薄暗くなったグラウンドを挟んで向こう側の組の桟敷では、
何人かの生徒がペンライトを揺らしています。

そして、「優勝、青!」とアナウンスされた時の
青組の桟敷から起きた「ウォーッ」という野太い歓声。

閉会式が終わり、解散した後も、それぞれの組が胴上げをして大騒ぎ!
運動会準備委員の撤収指示のアナウンスが流れても、まだ興奮はさめやらず、
委員達が「撤収しろーっ!」と注意しながら
グラウンドを注意して周り始めて、
ようやく生徒達は教室に戻っていきます。
こうして、開成生活初めての大運動会の長い一日が終わりました。

運動会は日曜日なので、生徒達は翌日は代休です。
私は翌日はもちろん出勤。疲れと筋肉痛でトホホ…
でもやっぱり開成大運動会はスゴイ!

開成大運動会1

2007-08-08 | 開成の生活
ボートレースが終わるとすぐに運動会の練習が始まります。
高校は8クラスあり、クラスごとに色が決まっています。
この8色で総合得点を競うわけですが、
中学は7クラスしかないので、それぞれのクラスを8色に分けます。
これにより、同学年の違うクラスにも友達のつながりができるので、
この制度はなかなか良いものだと思います。

所属するチームカラーが決まると、
チームごとの練習が始まります。
実践練習や応援練習が毎日昼休みや放課後あり、
とにかく忙しかったようです。

昼休みにゆっくりお弁当を食べる時間はないそうで、
2-3時間目の休み時間、3-4時間目の休み時間に細切れで早弁をし、
食べ残した分を放課後練習後に食べてくる、
なんて毎日でした。
17時までの練習の後、30分ミーティングがあったりして、
遅い時間にヘトヘトになって帰宅です。
保護者の方の中には
「練習が毎日のように17時過ぎまであるなんて聞いてなかった。
塾があるのに…」
と思われた方もいたようです。

運動会の練習計画も進行も、
全てその組の責任者や中1係の高3がやるのです。
先生は統括はしていますが、具体的な運営は生徒にまかせています。
各各組の責任者達が日程や場所の調整をして、
前日か前々日くらいに予定がネットで配信されるのです。
だから先生方も、練習の予定については直前までご存知ないし、
先生方からあらかじめ練習予定の案内などは配布されないわけです。

ちなみにこの練習は、授業ではありませんから、
出なくても出席や成績には全く関係ありません。
実際に、体調や都合で練習に参加せず帰宅する子もいたそうです。

私としては、自主性を重んじる校風の開成を選んで入学したのですから、
子供自身に決めさせればいいのではないかしら?と思うのですが。
塾に行くより、運動会の練習に出る方を選ぶ子がほとんどだと思いますが、
それじゃダメかなぁ?
開成に入学したのは、塾に行くため?東大に行くため?
私はどうしてもそういう気持ちにはなれないのです。

中学高校時代は、友人と出会い、
その時にしかできない貴重な体験をする期間。
私自身が充実した中高生活を送らせてもらったので、
せっかく開成に入ったのに「開成らしさ」に集中しないで
塾の予定を心配するのって、
なんだかとってももったいない気がしてしまって。

私はこの頃の長男を見ていて、とても嬉しかったです。
毎日新しいことの連続で、
初めての運動会に向けてワクワクしているのが
表情から読み取れて、私自身も毎日ワクワクでした。