KEVINサイトウの一日一楽 

人生はタフだけれど、一日に一回ぐらい楽しみはある。

拝啓、父上様

2007年03月01日 | Music,Movie & TV
 拝啓、父上様。

 30年前に、「前略、おふくろ様」という素敵なドラマがありました。

 作者は、倉本聡さんで、「北の国から」などを書く前です。

 舞台は、深川の老舗の料亭で、主人公である板前見習いの青年を当時のヒーローであるショーケン(萩原健一)が演じていました。

 この青年が、自分の身の回りの出来事や自分を取り巻く人々のことを故郷の母へ送る書簡としてドラマは構成されていました。

 時に歯茶目茶だけれども人情溢れる人々の優しさ、そしてそんな人々が生活する深川という場所が、東京という街の大都市化によって変節を強いられる理不尽を切なさと、悲しみと、少しの怒りで描いた秀作でした。 

 時代の象徴であったショーケンが、気弱で無口で純情な青年を演じたのは驚きでした。そして母役は名優、田中絹代さんであり、殆ど登場しないのに、ドラマの背骨になっているのは流石でした。 

 又、このドラマで、日活ロマンポルノに出ていた桃井かおりや、東映やくざ映画の脇役陣でピラニア軍団と言われていた室田日出男や川谷拓三が全国区になりました。

 板長役は梅宮辰夫で、包丁さばきが見事でした。

 そして、僕達の間で、圧倒的に人気があったのが女将役の八千草薫さんです。
 僕達の母親よりも、年長なのに、とても可愛くて、皆が八千草さんのファンになりました。

 この名作から30年・・・。

 拝啓、父上様。

 続編が出ました。
 勿論、作者は倉本聡さんです。

 今回の舞台も、老舗の料亭ですが、場所は神楽坂です。

 主人公の板前見習いは、二宮和也君が演じています。アイドル・グループ「嵐」のメンバーというよりも、最近ではすっかり演技派俳優です。

 父を知らないという複雑な境遇に生まれながらも、純情で、優しく、奥手で、少し気の弱い青年を好演しています。

 板長は、変わらず梅宮辰夫です。

 そして、八千草薫さんが30年を経て、再び女将の役です。30年の月日が過ぎても八千草さんの可愛さは全く変わらない。今回の役柄は、前回よりもお茶目なので、そのかわいさは以前にも増してひと際です!



 30年前は、丁度、オイル・ショック前夜で、日本はまだ高度成長にありました。高度成長が次第に下町に残る風情や人情を蹂躙しようとする時代でした。

 そして、今では下町の風情や人情など霧散してしまいました。しかし、かすかに重要文化財の様に或る場所で息を潜めながら、それらは残っているのです。それが、このドラマの舞台である料亭「坂下」であり、女将の坂下夢子(八千草薫)なのです。
 しかし、時代はこれらの場所や人が永続することを許さない。

 日本人の良心とその喪失をこのドラマは描いています。
 登場する人々が善良であればあるほど、切ない。

 とても上品なユーモアに溢れたドラマなのに、実に切ない。

 しかし、良い本は本当に俳優を生かすものです。

 主人公の母親役を高島礼子が演じているが、実に良い。こんなに良い高島礼子を見たのは初めてです。

 森山良子の音楽も素敵です。

 木曜日は、早く家に帰って、このドラマが始まるのを心待ちにしています。

 拝啓、父上様。あなたもこのテレビを見ていますか?

 では、お元気で。

             敬具


 

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2 コメント

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Unknown (sato)
2007-03-01 12:24:45
そんなに素敵なドラマだったんですね。
知りませんでした。
今日は早く仕事を終わらせて、見てみます!
返信する
From China (KEVIN)
2007-03-01 21:03:36
>sato-san

I am now at Guangzou Airport in China.
I am writing this comment by using PC at airport lounge. Unfortunately this PC does not heve Japanese Environment.
Today is Thursday.
It is unlucky I cannot watch this TV program.
From now I will fly to Hanoi.
I hope you will like this TV dram.
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