バーベキューを食べ終えて、満腹になった僕は、レストランのベランダに座り海を眺めていた。
巨大なオレンジの夕陽が、間もなく漆黒の海に消えようとしている。
気付いたらボブのママが、枯れ木のような身体を僕の隣に置いていた。
その動きがあまりに静かなせいか、或いは僕が沈み行く夕陽を見ながら思いに耽っていた故か、ママの存在に気がつかなかった。
ママにバーベキューのお礼を言った。本当に美味しかった。
ママは独り言のような調子で、僕に語りかけた。
「ボブは死んだよ。2年前、クリスマスの翌日に。あの子の好きだったバーベキューの味を残すために、私はこのレストランを始めた。
あなたが定期的に送ってくれるお金に手をつけたことは、一度も無かった。
しかし、このレストランを開くために少しだけ使わせてもらった。
そのお詫びと、お礼が言いたくてあなたに手紙を送った。
まさか、わざわざ会いに来てくれるとは思わなかったよ。」
僕は、強く否定した。
「ママ、とんでもない。あのお金は全てボブのものだよ。僕は、ボブに頼まれて送金の手筈を整えただけだよ。全てのお金の権利はママにあるんだ。」
しかし…、しかし…、ボブが死ぬなんて。
ママが語った話を要約すると次の通りだ。
巨大なオレンジの夕陽が、間もなく漆黒の海に消えようとしている。
気付いたらボブのママが、枯れ木のような身体を僕の隣に置いていた。
その動きがあまりに静かなせいか、或いは僕が沈み行く夕陽を見ながら思いに耽っていた故か、ママの存在に気がつかなかった。
ママにバーベキューのお礼を言った。本当に美味しかった。
ママは独り言のような調子で、僕に語りかけた。
「ボブは死んだよ。2年前、クリスマスの翌日に。あの子の好きだったバーベキューの味を残すために、私はこのレストランを始めた。
あなたが定期的に送ってくれるお金に手をつけたことは、一度も無かった。
しかし、このレストランを開くために少しだけ使わせてもらった。
そのお詫びと、お礼が言いたくてあなたに手紙を送った。
まさか、わざわざ会いに来てくれるとは思わなかったよ。」
僕は、強く否定した。
「ママ、とんでもない。あのお金は全てボブのものだよ。僕は、ボブに頼まれて送金の手筈を整えただけだよ。全てのお金の権利はママにあるんだ。」
しかし…、しかし…、ボブが死ぬなんて。
ママが語った話を要約すると次の通りだ。