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ウイグル族、なぜ中国政府に反発?

2014-05-01 04:42:19 | 全国ニュース
昨日は、習近平主席が訪問後、爆弾テロがあり、3人死亡、負傷者97人を出した。
ちょっと、長くなるが、ウイグル族の近辺を説明した記事を紹介する。
ウイグル族、なぜ中国政府に反発? 
 
             (毎日新聞 2013年11月02日 東京朝刊)

◇漢族との所得格差に不満
ウイグル族はトルコ系民族の一つでウイグル語を話し、多くがイスラム教を信じています。
中国では北西部の新疆ウイグル自治区を中心に1007万人が住んでいます。

元々モンゴル高原にいた人々が南下し、シルクロードのオアシスでの交易などで繁栄しました。
18世紀に清国が平定し、「新疆(しんきょう)」すなわち新たな領土と名付けられました。
1933年に「東トルキスタン・イスラム共和国」、
44年に「東トルキスタン共和国」として独立した。
しかし、長続きせず、49年に中国共産党の人民解放軍が進駐、
55年に新疆ウイグル自治区となりました。
人民解放軍は50年にチベットにも入り、西部への支配を広げました。

中国には人口の9割以上を占める漢族以外に、55の少数民族がいます。
政府は全ての民族は「対等な一員」として、五つの自治区などで自治を認めてきました。
しかし、自治区の実質的トップである共産党委書記には漢族が就くなど、自治の内容は限定的です。

大きな不満の一つが漢族と少数民族との所得格差です。
政府は石油などの豊富な天然資源に目を付け、2000年から国家プロジェクト「西部大開発」として大規模投資を続けています。
しかし、発展の恩恵は政治や経済の要職に就く漢族に集中しています。
開発に伴って漢族が大量に流入して、摩擦が増えたこともあり、不満は解消されていません。女性が顔を覆うスカーフの着用を禁じたりするなどイスラム教に対する厳しい姿勢も抵抗を強める一因です。

北京五輪のあった08年は新疆で妨害を狙うテロが相次ぎました。09年には自治区の区都ウルムチで大規模な暴動が発生し、政府発表で約200人が亡くなりました。
多民族国家の中国にとって少数民族の「分離・独立」運動は統治の根幹に関わる問題で、強硬な姿勢を取っています。
安全保障上で譲歩できない「核心的利益」としている新疆の問題の解決は簡単ではありません。


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