馬インフルエンザ渦は長期化か

今週末の中央３場開催中止に端を発し、大井競馬が昨日になって突然の開催中止。
話はこれだけにとどまらず、金沢競馬と道営ホッカイドウ競馬も、インフルエンザの簡易検査を行ったところ、１～３頭の馬から陽性反応が検出されたため、中止という動きが広がっている。

金沢競馬の開催中止について - 地方競馬情報サイト

旭川競馬の開催中止について - 地方競馬情報サイト

この流れの中、一応、中央競馬は来週は開催したいとして、形上は来週の特別登録を行う旨の発表をしているが、その一方、現場から情報を発進する記者達の間では、「当面の競馬開催は無理」という判断が下されているのだろう。明日発行の「週刊競馬ブック」は発売を中止するという。

競馬ブックＨＰより。

大井競馬の、インフルエンザ感染が疑われた馬については、簡易検査を行ったところ、陰性と判断され、明日からの船橋ケイバは、中央及び地方他地区からは参加させないことを条件に挙行される方向。
ではなぜ、昨日の大井競馬が中止になったかというと、調教師から主催者に「１頭の馬から発熱と水様性鼻汁の漏出を確認した」と連絡があり、馬インフルエンザが疑われたものの、大井競馬場には馬インフルエンザかどうかを確認する簡易検査キットがなく、防疫上の観点から中止を決定したというもの。

そして何より気になるのが、金沢競馬と旭川競馬の開催中止の理由。
実はこれ、両方とも最近ＪＲＡから転入してきた馬が感染していたのである。
これだけを見ても、既に中央から地方へ多大な影響が出ているわけで、この流れからすると、馬インフルエンザ渦の長期化は避けられそうにない。
なによりこの時期に馬の移動を禁止されることで、放牧中のオープン馬が厩舎に戻れない事態になっており、秋のローテーションを鑑みても、秋から冬にかけての競馬の日程は、大幅に組み直さざるを得ない状況だろう。

馬インフルエンザが爆発的に拡大した１９７１年～７２年の頃は、今の様に東西交流も盛んではなかったし、大きなレースがあると、出走馬に帯同馬がついていってレースに使う程度だったから、今の様に西へ東へ当日輸送という時代ではなかった。だからこそ関東一円だけを封鎖しておけばとりあえずは良かったのだが、今や時代はどこへ行くにも基本的に当日輸送だから、罹患馬と肌をすりあわせればあっという間に空気感染してしまうのは想像に難くない。

早いところ、全頭に渡って検査が行われ、なるだけ早い再開を心待ちにしたいものだが、当分はかかるだろうねえ…これは。