この物語は、ある山奥にある村に住んでいる子供のお話です。
村の中心からさらに山の中に入ると、目の前に田んぼや畑がいくつもあります。田んぼのほうを見渡すと、そこには子供が1人で田植えをしています。
その子供は幼さが残るかわいい男の子であり、着物を着ないで赤い腹掛け1枚だけの格好で田植えを行っています。子供にしてはかなり上手に田植えをしています。
「ばあちゃ、田んぼに全部田植えをしたよ!」
ようやく田んぼ一面に田植えを終えた子供は、元気いっぱいの大声でおばあちゃんを呼びました。自分も田んぼから上がろうとしましたが、足をとられて泥の中に体がベッチャリと転んでしまいました。
それでも、子供は泥んこだらけになっても気にせずにすぐに立ち上がりました。
「敬太、きょうも泥んこになちゃったね」
「ばあちゃ、田んぼに足をとられちゃった」
おばあちゃんが話しかけると、敬太は少し照れそうな顔で言いました。
敬太はおばあちゃんといっしょに、田んぼの目の前にある家へ帰りました。
おばあちゃんは、桶の中に入っている水を敬太にかけました。そのおかげで、敬太の体についていた泥んこはほとんど落ちました。
そして、敬太は泥んこがしみこんだ腹掛けをおばあちゃんに出しました。これを見たおばあちゃんは、自分の力で田植えを頑張ったことを褒めました。
「敬太、田んぼの田植えを一人でがんばったね。新しい腹掛けを出したから、早くつけてね」
敬太は、新しい腹掛けを自分でつけると、すぐにたくさん積み上げられている薪をまさかりを使って薪割りを始めました。
「敬太はまだ年が7つだけど、いつもお手伝いをもしてくれるから大助かりだよ」
おばあちゃんは、敬太が薪割りをしているのを見て感心しながら言いました。
敬太は、まだ7歳になったばかりの元気な男の子です。生まれてから、ずっと金太郎みたいな赤い腹掛け1枚だけで過ごしています。
敬太はいつも田んぼや畑で農作業をしてくれるし、川の中に入って魚を取ってきたりして親孝行をしてくれます。おばあちゃんも、敬太のおかげで大助かりしています。
敬太には、おばあちゃんのほかにおじいちゃんといっしょに暮らしています。
おじいちゃんは木こりで、いつも山の中に入って大きな木を切っています。それを背中に担ぎやすいように切り分けると、背中にかついで村の中心まで運んで行きます。
敬太も木こりの手伝いをしたことがありますが、まだおじいちゃんにはかないません。それでも、敬太は家へ持って帰る分の木をかついで持って帰ることができるようになりました。
おじいちゃんは、いずれ敬太を立派な木こりにしたいと考えています。でも、おじいちゃんは木こりよりも敬太になってほしいものがあります。
「ばあちゃん、敬太、たった今帰ったぞ~」
「じいちゃ、いつもやっているのをいっしょにしようよ」
「じゃあ、早速やろうかな」
おじいちゃんが家へ帰ると、敬太といっしょに稽古するための木刀を取り出しています。
おじいちゃんは、取り出した木刀を敬太に手渡しました。木刀は、大人でも実際に持つとかなり重そうです。けれども、敬太は大人が使う木刀を軽々と持ち上げます。
「それじゃ、敬太、いつものように遠慮は一切しないけどいいか?」
「じいちゃ、いつも通り思い切りやってよ!」
敬太は、おじいちゃんとの剣術の稽古をするのが大好きです。
「エイ!」「ヤー!」「エイ!」「ヤー!」
敬太とおじいちゃんは木刀で打ち合いをしながら、隙があれば木刀で急所を狙う構えを見せています。そして、お互いに急所を狙うと2人の木刀は手前で寸止めしました。
「じいちゃ、もう1回やってもいいかな?」
「じゃあ、敬太、もう1回するぞ!」
2人は、再び木刀で打ち合いを始めました。どちらも隙を見せないようにしているので、なかなか急所をねらうことができません。
しかし、敬太はおじいちゃんの脇腹に隙を見つけると、「エイ!」と木刀をおじいちゃんの脇腹の手前で寸止めしました。
「参った、参った! 剣の達人であるわしでさえ、敬太の木刀は一瞬の隙を見逃さない振り方だったし、さすがというしかないなあ」
敬太の木刀の上手な振り方は、剣の達人であるおじいちゃんも舌を巻くほどです。
「わーい、今日もじいちゃに勝ったぞ~」
「いやあ、本当に敬太にはかなわないよ」
剣術の稽古が終わると、元気いっぱいの敬太とやさしいおじいちゃんの声が空に響き渡りました。
おじいちゃんは、剣術のうまい敬太に感心しています。敬太は、立派な武士になれるかもと期待しています。
「お侍さんになるのだったら、ちゃんと着物を着ないといけないなあ」
「やあだ、やだ、やだ! ぼくは今の腹掛け1枚だけのままでいいの!」
武士の子供たちは敬太と同じくらいの年齢であっても、腹掛けの上に着物を着ています。しかし、敬太は7歳になったいまでも赤い腹掛け1枚だけで過ごしています。
そして、敬太は着物を着てもすぐに脱ぎ捨ててしまうほど、着物を着るのが大嫌いです。
もちろん、おじいちゃんもおばあちゃんも、敬太が着たくないと言っているのに着物を用意するわけにもいきません。
「ぼくは、ばあちゃが作ってくれたこの腹掛けがとっても大好きだよ。夏の暑いときも、冬の寒いときも腹掛けだけでへっちゃらだよ」
敬太は雨の中であっても雪が積もっていても、この腹掛け1枚だけで平気です。
「そうかそうか、寒いときも腹掛け1枚なら強くて元気な子供でいられるし。じゃあ、これからも敬太はずっと腹掛け1枚でいいかな」
「わーい、わーい! これからも毎日腹掛けをつけていっぱい遊んだり、畑仕事やお手伝いをしたりしてがんばるよ!」
敬太はこれからも腹掛けだけで過ごすことができるので、何回も飛び上がるくらい嬉しそうです。
敬太の元気さを見て、おじいちゃんとおばあちゃんも大きくなるまでは腹掛け1枚だけでいいかなと考えています。
村の中心からさらに山の中に入ると、目の前に田んぼや畑がいくつもあります。田んぼのほうを見渡すと、そこには子供が1人で田植えをしています。
その子供は幼さが残るかわいい男の子であり、着物を着ないで赤い腹掛け1枚だけの格好で田植えを行っています。子供にしてはかなり上手に田植えをしています。
「ばあちゃ、田んぼに全部田植えをしたよ!」
ようやく田んぼ一面に田植えを終えた子供は、元気いっぱいの大声でおばあちゃんを呼びました。自分も田んぼから上がろうとしましたが、足をとられて泥の中に体がベッチャリと転んでしまいました。
それでも、子供は泥んこだらけになっても気にせずにすぐに立ち上がりました。
「敬太、きょうも泥んこになちゃったね」
「ばあちゃ、田んぼに足をとられちゃった」
おばあちゃんが話しかけると、敬太は少し照れそうな顔で言いました。
敬太はおばあちゃんといっしょに、田んぼの目の前にある家へ帰りました。
おばあちゃんは、桶の中に入っている水を敬太にかけました。そのおかげで、敬太の体についていた泥んこはほとんど落ちました。
そして、敬太は泥んこがしみこんだ腹掛けをおばあちゃんに出しました。これを見たおばあちゃんは、自分の力で田植えを頑張ったことを褒めました。
「敬太、田んぼの田植えを一人でがんばったね。新しい腹掛けを出したから、早くつけてね」
敬太は、新しい腹掛けを自分でつけると、すぐにたくさん積み上げられている薪をまさかりを使って薪割りを始めました。
「敬太はまだ年が7つだけど、いつもお手伝いをもしてくれるから大助かりだよ」
おばあちゃんは、敬太が薪割りをしているのを見て感心しながら言いました。
敬太は、まだ7歳になったばかりの元気な男の子です。生まれてから、ずっと金太郎みたいな赤い腹掛け1枚だけで過ごしています。
敬太はいつも田んぼや畑で農作業をしてくれるし、川の中に入って魚を取ってきたりして親孝行をしてくれます。おばあちゃんも、敬太のおかげで大助かりしています。
敬太には、おばあちゃんのほかにおじいちゃんといっしょに暮らしています。
おじいちゃんは木こりで、いつも山の中に入って大きな木を切っています。それを背中に担ぎやすいように切り分けると、背中にかついで村の中心まで運んで行きます。
敬太も木こりの手伝いをしたことがありますが、まだおじいちゃんにはかないません。それでも、敬太は家へ持って帰る分の木をかついで持って帰ることができるようになりました。
おじいちゃんは、いずれ敬太を立派な木こりにしたいと考えています。でも、おじいちゃんは木こりよりも敬太になってほしいものがあります。
「ばあちゃん、敬太、たった今帰ったぞ~」
「じいちゃ、いつもやっているのをいっしょにしようよ」
「じゃあ、早速やろうかな」
おじいちゃんが家へ帰ると、敬太といっしょに稽古するための木刀を取り出しています。
おじいちゃんは、取り出した木刀を敬太に手渡しました。木刀は、大人でも実際に持つとかなり重そうです。けれども、敬太は大人が使う木刀を軽々と持ち上げます。
「それじゃ、敬太、いつものように遠慮は一切しないけどいいか?」
「じいちゃ、いつも通り思い切りやってよ!」
敬太は、おじいちゃんとの剣術の稽古をするのが大好きです。
「エイ!」「ヤー!」「エイ!」「ヤー!」
敬太とおじいちゃんは木刀で打ち合いをしながら、隙があれば木刀で急所を狙う構えを見せています。そして、お互いに急所を狙うと2人の木刀は手前で寸止めしました。
「じいちゃ、もう1回やってもいいかな?」
「じゃあ、敬太、もう1回するぞ!」
2人は、再び木刀で打ち合いを始めました。どちらも隙を見せないようにしているので、なかなか急所をねらうことができません。
しかし、敬太はおじいちゃんの脇腹に隙を見つけると、「エイ!」と木刀をおじいちゃんの脇腹の手前で寸止めしました。
「参った、参った! 剣の達人であるわしでさえ、敬太の木刀は一瞬の隙を見逃さない振り方だったし、さすがというしかないなあ」
敬太の木刀の上手な振り方は、剣の達人であるおじいちゃんも舌を巻くほどです。
「わーい、今日もじいちゃに勝ったぞ~」
「いやあ、本当に敬太にはかなわないよ」
剣術の稽古が終わると、元気いっぱいの敬太とやさしいおじいちゃんの声が空に響き渡りました。
おじいちゃんは、剣術のうまい敬太に感心しています。敬太は、立派な武士になれるかもと期待しています。
「お侍さんになるのだったら、ちゃんと着物を着ないといけないなあ」
「やあだ、やだ、やだ! ぼくは今の腹掛け1枚だけのままでいいの!」
武士の子供たちは敬太と同じくらいの年齢であっても、腹掛けの上に着物を着ています。しかし、敬太は7歳になったいまでも赤い腹掛け1枚だけで過ごしています。
そして、敬太は着物を着てもすぐに脱ぎ捨ててしまうほど、着物を着るのが大嫌いです。
もちろん、おじいちゃんもおばあちゃんも、敬太が着たくないと言っているのに着物を用意するわけにもいきません。
「ぼくは、ばあちゃが作ってくれたこの腹掛けがとっても大好きだよ。夏の暑いときも、冬の寒いときも腹掛けだけでへっちゃらだよ」
敬太は雨の中であっても雪が積もっていても、この腹掛け1枚だけで平気です。
「そうかそうか、寒いときも腹掛け1枚なら強くて元気な子供でいられるし。じゃあ、これからも敬太はずっと腹掛け1枚でいいかな」
「わーい、わーい! これからも毎日腹掛けをつけていっぱい遊んだり、畑仕事やお手伝いをしたりしてがんばるよ!」
敬太はこれからも腹掛けだけで過ごすことができるので、何回も飛び上がるくらい嬉しそうです。
敬太の元気さを見て、おじいちゃんとおばあちゃんも大きくなるまでは腹掛け1枚だけでいいかなと考えています。
※第2話以降は、こちらの小説投稿サイトにて読むことができます(無料です)。