「犯罪被害者のための施策を検討している法務省は、
刑事事件の公判手続きの中で
被害者や遺族が被告に損害賠償を請求できるようにし、
有罪の場合は同じ裁判官が賠償命令を出す
「付帯私訴」制度を導入することを決めた。」
偶然発見した記事だが、
またエライ難しい法案が浮上したもんだ。
いやいや、
被害者救済・損害の迅速な回復ってのは、
刑事事件でもテーマにすべきなんだと思う。
現行の刑事手続は、
刑法をはじめとする刑事実体法の実現を目的にしてる。
要は国の刑罰権実現を目的とする手続なわけで、
根本的に被害者救済の手続ではない。
でも、
おそらく国民は、
「なんで刑事手続が終わっても、
被害者に一銭も金が入ってこねえのはヲカシイやろ」
「刑事手続の後に
また別途損害賠償請求をしなきゃならんのは
ヲカシかろう」
と考えているだろう。
管理人も法律の勉強をしてなければ、
当然そう考える。
刑事手続で損害賠償までできるようにしたったらええねん。
…ただ、
国が私人に対して刑罰権を発動する手続と、
私人が私人に対して損害賠償請求をする手続は、
やはり異質。
まず何より、
従来民事手続の分野とされていた手続と、
従来刑事手続の分野とされていた手続が混合するので、
手続が複雑になるのは避けられない。
この法案は、
手続が複雑になることを避けるためか、
口頭弁論を開くことなく、
決定手続で損害賠償の裁判をし、
決定に対する不服申立てを許さず、
不服があれば、別途民事訴訟を利用するというものらしい。
…損害の迅速な回復を謳っている以上、
この「決定」を債務名義として強制執行が開始されるんだろう。
そうすると、
不服がある場合に民事訴訟を利用できるってのは、
請求異議の訴えになるのかね?
請求異議の訴えも通常の民事訴訟だから、
既判力の遮断効は及ぶ。
そうすると、この決定には既判力がないことになる。
じゃあ、
この決定が出たって、
通常の民事訴訟で損害賠償請求権の不存在を争えることになるの?
ごちゃごちゃ考えてみたが、
実益はあるんだろうか?
被告人が裁判所の決定に従って
損害賠償に応じるなら実益はあるだろう。
…ただ、そんなに人のできた被告人がいるのか?
むしろ、
損害賠償額の算定を裁判所に強いると、
裁判所の負担が大きくなり、
ただでさえ遅い刑事手続が、
さらに遅くなったりしないか?
あと、
裁判員制度の導入で、
手続の迅速化が制度化されたが、
それとの関係は?
また、
損害賠償に関する知識を
検察官に要求するのは過酷じゃねえのか?
。。。等々、
凡人が考えただけで、
結構たいへんな問題があるように思う。
それでも、
俺みたいな凡人じゃなく、
スーパーエリートのお役人が考える法案なんだから、
まともなものができあがるだろう。
…いや、できあがって欲しいと思ってる。
まあ、
正直に言えば、
最初に感じた素直な感想は…
被害者側の損害賠償が
刑事事件で片づくなら、
ひとつ
民事弁護の仕事が
減るんじゃないのか?('A')と。
それから、
自分が受験生でいるうちは、
もう改正は勘弁してくれと。
そんなところなんですがね。 <本日の快便指数>65
刑事事件の公判手続きの中で
被害者や遺族が被告に損害賠償を請求できるようにし、
有罪の場合は同じ裁判官が賠償命令を出す
「付帯私訴」制度を導入することを決めた。」
偶然発見した記事だが、
またエライ難しい法案が浮上したもんだ。
いやいや、
被害者救済・損害の迅速な回復ってのは、
刑事事件でもテーマにすべきなんだと思う。
現行の刑事手続は、
刑法をはじめとする刑事実体法の実現を目的にしてる。
要は国の刑罰権実現を目的とする手続なわけで、
根本的に被害者救済の手続ではない。
でも、
おそらく国民は、
「なんで刑事手続が終わっても、
被害者に一銭も金が入ってこねえのはヲカシイやろ」
「刑事手続の後に
また別途損害賠償請求をしなきゃならんのは
ヲカシかろう」
と考えているだろう。
管理人も法律の勉強をしてなければ、
当然そう考える。
刑事手続で損害賠償までできるようにしたったらええねん。
…ただ、
国が私人に対して刑罰権を発動する手続と、
私人が私人に対して損害賠償請求をする手続は、
やはり異質。
まず何より、
従来民事手続の分野とされていた手続と、
従来刑事手続の分野とされていた手続が混合するので、
手続が複雑になるのは避けられない。
この法案は、
手続が複雑になることを避けるためか、
口頭弁論を開くことなく、
決定手続で損害賠償の裁判をし、
決定に対する不服申立てを許さず、
不服があれば、別途民事訴訟を利用するというものらしい。
…損害の迅速な回復を謳っている以上、
この「決定」を債務名義として強制執行が開始されるんだろう。
そうすると、
不服がある場合に民事訴訟を利用できるってのは、
請求異議の訴えになるのかね?
請求異議の訴えも通常の民事訴訟だから、
既判力の遮断効は及ぶ。
そうすると、この決定には既判力がないことになる。
じゃあ、
この決定が出たって、
通常の民事訴訟で損害賠償請求権の不存在を争えることになるの?
ごちゃごちゃ考えてみたが、
実益はあるんだろうか?
被告人が裁判所の決定に従って
損害賠償に応じるなら実益はあるだろう。
…ただ、そんなに人のできた被告人がいるのか?
むしろ、
損害賠償額の算定を裁判所に強いると、
裁判所の負担が大きくなり、
ただでさえ遅い刑事手続が、
さらに遅くなったりしないか?
あと、
裁判員制度の導入で、
手続の迅速化が制度化されたが、
それとの関係は?
また、
損害賠償に関する知識を
検察官に要求するのは過酷じゃねえのか?
。。。等々、
凡人が考えただけで、
結構たいへんな問題があるように思う。
それでも、
俺みたいな凡人じゃなく、
スーパーエリートのお役人が考える法案なんだから、
まともなものができあがるだろう。
…いや、できあがって欲しいと思ってる。
まあ、
正直に言えば、
最初に感じた素直な感想は…
被害者側の損害賠償が
刑事事件で片づくなら、
ひとつ
民事弁護の仕事が
減るんじゃないのか?('A')と。
それから、
自分が受験生でいるうちは、
もう改正は勘弁してくれと。
そんなところなんですがね。 <本日の快便指数>65