カモシカさんの山行記録・旅日記etc.

山は心のふるさと。登山(アルプス~低山まで)・ハイキング・小旅行の気ままな記録です。

いざ、奥穂へ! ①

2008-10-26 | 山行記録

 

 いざ、奥穂へ! 

 

 10月11日、午前4時前。

 ヒュッテを叩く雨の音で目が覚めた。

 この日天気が崩れるのは承知の上での入山だから、それほどショックはない。

 今回は前線の通過が早いはずだから 欲張ったコース取りをしなければ

 十分稜線が楽しめるはず。

 しかし、外が明るくなっても雨は一向にやむ気配がない・・・。

 

 

  ↑ 昨夏 槍穂縦走の時。 奥穂山頂にて。↓

 

   果たして、この山岳風景を目にすることは出来るのか?

 

 雨は強く降ったり、小降りになったり、また強く降ったりを繰り返す。

 風は強い。

 この時点で、ジャンダルムを踏むコースはプランから消えた。

 昨日までの燃える紅葉に輝いたカールがぼやけて見える

 モノトーンに包まれたカールと穂高の稜線・・・・・。

 じっと時を待つ。

 9時過ぎ、常念山脈の稜線がいくらか明るく見え出した。

 穂高の稜線は全く見えてないが、カール内の雨は上がる気配が感じられた。

 「カモシカさん、そろそろ出番ですよ!」 やっちゃんから声が掛けられた。

 

 快晴の涸沢カールの様子 <クリックで比較>

 

 ヒュッテのテラスから再度 稜線の様子を窺う。

 稜線はまだ見えてこないが、 この色、風の流れ・・・。回復は早いぞ。

 装備の点検をして、GO!

 

 

 見る見る間に稜線が姿を現した。よっしゃー!

 

 できることなら、青空を眺め輝く紅葉を愛でながら登りたかった。

 

 紅葉帯を抜け、獅子岩付近まで登るとやはり風が強く、冷たい。

 

 ザイテングラートの基部、取り付きで常念岳をバックにポーズをとってみても

 モノトーンで冴えない。

 

 ザイテングラートを見上げる。

 稜線は雲の中に消えた・・・。強風!

 今年は9月下旬に積雪があった。2年前は雪で遭難が・・・。頭をよぎる思い。

 

 だが、見下ろすカールは霞みながらも明るい。

 くっきりしたカラーでこの紅葉を俯瞰できたら、どんなにか素晴らしいか。

 

 対面の常念山脈は明らかに天気が回復しているのがわかる。

 これがプラス材料だ。

 

 ザイテンを登り始めて直ぐのところで、屏風の頭・耳を振り返る。(常念が消えた)

 

 パノラマコースまったりの方が良かったかとの思いも浮かぶ。

 

 ここが山の一筋縄では行かないところ。目まぐるしく天候が変わる。

 しばらくの間写真撮れず。

 強風と共に霙。そして、雪が舞う。

 雨具を着込み、カメラは仕舞った。

 白出のコル手前まで完全防備。  だが、稜線を目の前にして日が射す。

 めまぐるしく変わる天候。

 

 白出しのコル到着。 風が強く、雲がビュンビュン流れる。

 カールは日差しが出て明るくなったのが救い。

 だが、奥穂・涸沢岳共にこのときはまだ雲の中であった。

 穂高岳山荘で宿泊の手続きをして、しばし様子を見る。

 大半の人が既に今日の登頂はあきらめ 小屋で寛いでいた。

 しかし、私の中にあった確信

       :今回の前線の通過は早い。天気回復の強風である。

 

 雲の中に隠れていた奥穂への取り付き部分が見えてきた。

 2~3人が先行した。

 今夏は槍穂の縦走が出来なかっただけに 

 穂高が「会いに来い」と私を呼んでいるようだった。

 高度感を感じる白出しのコルからの急登であり、強風にさらされたが、

 何度も登ったところだ。すいすいと快適に登れた。

 

 空中に足を踏み出し、高度測定中(笑  冗談ですよ。プロトレックありますから。

 

 先行する登山者。

 

 急登を終えて、だらだら登りに差し掛かる。

 強風が、雲が、 ガスが・・・! 奥に見えるのが奥穂山頂。

 

 展望なしかぁ~・・・・。

 

 ジャンダルムも見えず。  強風に耐えて登る。

 

 錆びたピッケルが特徴の指導標に達すると一瞬にわかに明るくなった。

 

 すかさず後方も振り返る。

 北穂だぁ! 涸沢岳、槍はまだ雲の中だ。

 風が強い。雲が次から次へと押し寄せる。あっという間に北穂は消えた。

 

 一瞬、槍の穂先が見えた。

 

 ビュンビュン雲が流れる。 一瞬見えた! ジャンダルム!

 

 ロバの耳とジャン。

 

 次の雲が押し寄せる。

 

 聳えるジャンダルムも束の間、

 

 何も見えなくなった。

 

 奥穂山頂。 青空なし。 めっちゃ風強し。

 身を低くして、風が収まるまでシャッターチャンスを待つ登山者。

 

 

 見え隠れするジャンダルム。 風と雲がビュン、ビュンだ。

 

 

 

 北穂と槍も同じく見え隠れ。

 

  

 

 こちら側は、青空が望め明神岳までクリアに見え始めた。

 

 見えてるうちに  千晴 記念撮影だ。

 

 ジャンダルムの方から雲が飛んでくる!

 晴れろ~!!!

 

 応えて、槍が姿を現す。

 

 青空の面積が広がる。

 槍・北穂・涸沢岳、3,000峰の揃い踏み。

 

 千晴、今だ 記念写真!

 

 槍が キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!

 

 

 奥穂山頂からの定番の眺め。 A

 

  奥穂山頂からの定番の眺め。 B

 

 ジャンダルム!

 

 槍ヶ岳

 

 大好きな眺め

 

 迫力の稜線美

 

 青空の面積も増し、くっきりとした展望が得られた!

 

 前穂

 

 明神岳

 

 太陽光線パワーアップ!

 

 この青空と輝きを待っていた! 千晴、よかったね!

                     ワン、だふるぅ~!

 

 奥穂山頂から、360度の代表で 前穂、明神方面の眺め!

 

 涸沢岳、北穂、槍ヶ岳へと連なるお気に入りの眺め!

 

 

 風で帽子が飛ばされないように、がっちり押えてポーズ。奥穂3190m。

 

 

 

 

 どっちの方角を見ても素晴らしい!

 

 この大パノラマを見ることができて、感慨一入。

 

 明日は、涸沢岳を越えて 北穂へ! 大好きな槍と大キレットが待っている!

 

 

 「いざ、奥穂へ ②」 につづく。 

 

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8 コメント

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Unknown (いく@しずおか)
2008-10-26 23:28:05
カモシカさん こんばんは~
紅葉の涸沢 見ましたよ~~~~

すごいすごいすごいすご~~~~~い の連続
青空って、紅葉が似合いますね。

この日は、曇ってしまったそうですが
曇りの日の紅葉も載せることで、晴れの日が
いかに良かったか解りました。
雲の中のジャンダルムは神様のように見えました。
すごくいい写真ですよ~^^
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Unknown (つばさ)
2008-10-27 11:14:27
槍やジャンダルムが雲で見え隠れする様も素晴らしいです。それにしてもこれだけの展望を見られると感慨無量ですね。
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Unknown (ぜいぜい)
2008-10-27 20:16:39
雲が造る風景も荘厳ですばらしかったです。
待った甲斐があって、真っ青な空が望めてよかったですね。
私たちのときはどんなに風が吹いても雲は飛んでいってくれませんでしたから、うらやましいですよ。
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いくさん ( カモシカ)
2008-10-28 12:33:07
>紅葉の涸沢
>すごいすごいすごいすご~~~~~い の連続
三島では見られない山岳紅葉ですからね、お楽しみください!
>晴れの日がいかに良かったか解りました。
紅葉を際立たせるのは、やはり青空です!同じ場所で同じ紅葉を見てもお天気具合で随分印象が変わります。
お陰様で、いい日、当てました!
>雲の中のジャンダルムは神様のように見えました。
実際は雲や光が激しく動きもっと神々しかったですよ!写真ではその一部しか伝えられないけど“神様のようだ”なんていう捉え方をしてもらい嬉しいな。
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つばささん ( カモシカ)
2008-10-28 12:37:38
>槍やジャンダルムが雲で見え隠れする様
いやー、風が強いのなんのって・・・。
雲のスピードも凄かったです。

>これだけの展望を見られると感慨無量ですね。
最終的に雲が晴れて風が収まり、日差し・青空と共にお約束の展望をゲットできて ◎の日でした。
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ぜいぜいさん ( カモシカ)
2008-10-28 12:43:33
>雲が造る風景も荘厳
写真では、1カットのストップモーションですが、実際は、迫力の雲の流れでした!
全く視界のない時間帯もありましたが(気持ち沈みます・・・)終盤で定番の展望を得ることができました。ドラマチックな展開でした。
ぜいぜいさんは、今夏は展望なしの奥穂山頂で、残念こでしたから、また来年ですね。登頂ファイトー!
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幻想的 (りん)
2008-11-01 12:35:37
私の中ではジャンはいつもガスガスでした・・・。
だからガスのジャンは見慣れているのだけれど、今回カモシカさんの見たジャンは風と雲に造られた幻想的な光景でしたね。
ジャンだけでなく槍をはじめ周辺の景色がとても素晴らしい。
そして最後はやっぱり青空なんですね。
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りんさん ( カモシカ)
2008-11-02 22:44:55
>今回カモシカさんの見たジャンは風と雲に造られた幻想的な光景でしたね。
いくさんが「神様のように見える」とコメントしてくれていますが、まさにその通り。幻想的!
寒さを忘れて見入ってしまう、そんな迫力でした。

>ジャンだけでなく槍をはじめ周辺の景色がとても素晴らしい。
刻々と変化する眺め。その素晴らしさは穂高ならではです。
>最後はやっぱり青空
 これで決まり!(笑
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