古今輪風@自転車ふぁん

わからない事だらけのレストア&メンテナンス備忘録

UGカセットフリーの分解

2015-04-07 06:27:07 | レストア&オールドパーツ

古いシマノ600ハブについていたUGカセットフリーの分解メンテ。

レストア中のツーリング車のホイールメンテナンス。てっきりボスフリーと思い込んでいましたが、良く見たらUG(ユニグライド)のカセット式フリーでした。ボスフリーが良かったけど、まぁ仕方無い。この車両、なかなか思う様に行きません(._.)

まずは前輪から。ハブはたぶんシマノ600で、グリスホールが付いてます。ここをグリスで満たすことはしませんが、見た目のアクセントとしては素敵ですねぇ。

リムはUKAIの27×1 1/4サイズ。「シブイチ」なんて言われていたらしいですが、スポーツ車の700Cが一般的になる前はこのサイズが主流。700Cと比べると直径で約1cm大径で、このフレームを700Cで乗ろうと思うと4~5mm程のブレーキ位置調整が必要。27×1 1/4ってサイズ自体は今でもママチャリや軽快車で一般的ですが、この時代のツーリング車に合わせようとするとタイヤはPanaracer PASELA(パナレーサー パセラ)一択。

フロントはチャチャッと流しますが、作業自体はしっかりやってます。

続いて後輪。ボスフリーと思い込んでいて、フリー抜きとスパナを用意して「さて、ボスフリーは外れるかなぁ~」って鼻歌交じりで見てみると、フリー抜き入らないジャンって感じで気付きました(ーー;)

時代はリアエンド124mmから126mm。ボスフリー6-7速、UG6-8速、HG7-8速が入り乱れていた転換期。このハブはUG(ユニグライド)ですが、古いタイプのシマノカセット式は初めて扱うのでギア歯の換えが一切ありません。馴染みのあるボスフリーのハブで組み直してしまうのも一考。

カセット式なので、トップ(又はセカンドも)がネジになっていて固定するタイプ。片方の小ギア抜きをロー側にかけ、もう一本をトップにかけて外します。ここは正ネジ。

セカンドも外す気満々でしたが、ネジはトップだけでした。

外れたスプロケット群。歯数は13-26Tで、ツーリング車としては良い感じの構成。

カセット式フリーの分解はココから。レストアラーはこの中を綺麗にしたい。

※シャフトやハブのベアリングボールは先に外してあります。

リアハブのベアリングボールが入っていたカップ(玉受け)には2箇所の溝があります(写真上、赤矢印)。本来ココに専用工具を引っ掛けて回しますが、専用工具の類は既に廃盤で入手困難。皆さんそれぞれに工夫して対処されている様です。

で、私はハブスパナの2本がけデス(゜_゜>)

写真(上)のかけ方だと左回り。右回りの場合はスパナを前後入れ替えます。ちなみにココはボスフリーと一緒で逆ネジなので、緩める為には右に回します。

詳細は以下の記事でも書いてますので、興味のある方はどうぞ。
関連記事 「リアハブのメンテナンス-分解」  

外れました。このカップは表がリアハブのカップ(玉受け)で、裏はカセット式フリーのコーン(玉押し)という凄いヤツで、まさにスーパーカップ。

これでフリーボディーは引き抜けますが、抜いた途端にフリーのベアリングボールが散乱します。まずは先に見えている外側(上側)のボールをピンセットで救出して、そのあとで慎重にフリーボディーを引き上げます。外側(上側)のボールは24個でした。
※組み付けの段階では1個足して、25個のボールを戻しました。

フリーボディーを外すと内側のベアリングボールが出てきますが、そーっと引き抜けば散らばらずに留まってくれます。ボールが潤滑しているのは、カップを外す段で使ったネジ緩め剤。この場所には25個のボールが入ってました。

ラチェットの上に乗っているスペーサーは非常に薄く出来ていて、何枚か重ねて使われています。ボスフリーの中に入っているスペーサーと役割は一緒で、フリーの玉押し具合を調整している大切な部品ですので、取り扱いは慎重に。

ラチェット部分。

分解したリアハブとフリーの部品一式。


前後共、灯油と柔めの真鍮ブラシでゴシゴシして、古いグリスや汚れを取り除きました。で、あらためてマジマジ眺めていると、このホイールは何て言うんでしょう、逆JIS組みとでも言いましょうか。綺麗になったし、しっかり張ってあるし、そのまま使うつもりでいましたが、JISかイタリアンで組み直す事にしました。



5 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
写真だと… (さくらなみき)
2015-04-07 12:09:42
こちらのイメージ通りに見てもらえるか、特にメンテナンスの時は気を遣いますが、見る度に「うんうん、そうそう、こんな感じ」と分り易いですね。

ハブの中のメンテナンスは(も)まだ見知らぬ領域です。乗れないうちにいろいろいじっておこうと思いましたが、結局「装具屋」留まりデスorz
さくらなみき さん (ken)
2015-04-07 20:48:21
(^^ゞ

仰るとおり、写真って難しいですね。なかなか思ったように撮れなくて、外でも中でも「良い写真」はたまにしか当たりません。

ハブのメンテ、楽しいですよ~
装具屋、良いじゃないですか。発想と実行と新たな展開、大きな魅力です^^
工具 (kuny)
2015-04-12 22:23:50
フリー分解工具は手に入らないですよね。
私の場合、ハブスパナ2枚持ちで挑戦しても
外れないときがあり、タガネで外しました・・・

kuny さん (ken)
2015-04-13 05:20:34
なるほど

タガネだとサイズが丁度良さそうですねェ
幸いガチガチに固いのには当たった事がなくて、今のところスパナ組みで外れてます。いずれにせよ、メンテ出来るのと出来ないのと、結構感触が違いますから、工具が欲しいですよね(._.)
パーフェクトラブ!!から飛んできました (273)
2021-04-30 20:58:13
亀レスご容赦ください。
パーフェクトラブ!!から飛んできました。

いいですね~
今ではシマノ分解禁忌の部分ですね。
上手にオーバーホールすると確実に調子がよくなりますから、腕に覚えのあるレストアマニアならどんどんバラしましょう。

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。