朝がまた来る

旧ブログ名「母のようになりたくないのに」です。
毒親、ママ友、育児、病気のこと…40代パート主婦が呟いています。

母と祖父の話②

2022-06-24 17:09:49 | 毒親のこと

真夜中に母の実家(伯父)から「祖父が車で事故を起こしたので迎えに行って欲しい」と電話があり、父と一緒に迎えにいきました。
警察署に到着し、私の顔を見るなり「あ、孫です。」と、何があったかわかってない表情の祖父。
警察の方が「“おばあちゃんと一緒きた”と仰ってるが、事故当時からおばあさんの姿が見えない」と。
祖母は半年前に亡くなっています。


祖父の言動を見ていた警察の方が「もしかして、おじいさんは少し…」と言葉を濁らせました。
私は「祖母は半年程前に亡くなっています。祖父に会うのは葬儀以来ですが、半年前もこのような感じでした。」と答えました。
祖父の言動と事故の状況を見た警察の方が「大きな事故にならなくて本当に良かった。おじいさんがここまで辿り着けたのは奇跡です。ですが、今後の運転はやめた方が…」と仰いました。
私は「伯父にもキチンと伝えます。」と言いました。

その後、パトカーに先導されながら事故現場へ。
真っ暗闇の農道。
私も一度も通った事のない道でした。
一番近くのインターチェンジからも離れていて、どこを通ったらこの道に辿り着くの?と、まったく想像が出来ない場所でした。
真っ暗で街灯もない道。祖父の車は緩やかなカーブを曲がりきれず頭から畑に突っ込んだ状態で停まっていました。
たまたま通りかかったトラックの運転手さんが事故に気付き、車の近くでポツンと立ち尽くしていた祖父を“保護”してくださったそうです。
レッカーを手配し、祖父の車を引き上げてもらいました。祖父は「直せばまだ乗れる」と言っていましたが、伯父さんと電話で話し合い、祖父の車を廃車にすることにしました。
車を引き取ってもらう業者の連絡先、そして畑の所有者の連絡先も教えてもらい、祖父を連れて帰宅しました。
家に帰る車の中でも「おばあちゃんと一緒にきた」「あの車はまだ乗れる」と言う祖父。でも時々いつもの“お茶目”なおじいちゃんになり、私の手をさすりながらニコニコ笑います。祖父に怪我がなくて本当に良かった。

 

翌朝、私と父は仕事を休みました。午後には伯父が新幹線に乗って祖父を迎えにきてくれます。お世話になった警察署への挨拶、廃車の手続き、そして畑の所有者さん宅へのお詫び。
祖父を連れて一緒に行くことにしました。
その前に祖父を母の所へ連れていかなければなりません。
今回の出来事のきっかけは私たち家族。そして“母”が原因です。
私は朝食を済ませたあと、祖父と二人で母の住むアパートへ行きました。私の家から車で10分ちょっとの所です。
「おっ、けめこは運転上手だな」
「この車はリッター何キロ走るんだ?」
「ここの道は広くしたのか」
いつもと変わらぬ祖父。
久しぶりに私たち家族が住む街に来たのに街の景色をよく覚えていました。
母の住むアパートへ到着。
母も祖父に会うのは祖母の葬儀以来です。
「まったくみんなに迷惑かけて…」
「こんなところ見られたくなかった…」
泣きながら母がぼやきます。
すると祖父が
「お前が全て間違っている」とボソリと呟きました。
いつもニコニコ、茶目っ気があり、穏やかな祖父。
祖父の怒鳴り声も、難しい事を話す真剣な声も聞いたことがありません。
祖母の葬儀の時「私は報われない人生だ!」と母が祖父に嘆いたことがありました。その言葉に対し「お前たちは最初から間違っていたんだ」と祖父がボソリと言いました。
所謂“できちゃった婚”で結婚した私の両親に祖父が“本音”を言ったのです。
ボソリと呟く祖父の声を聞くのはその時以来でした。


私は自分の存在を呪いました。
私がいなければ…
私が生まれてこなければ…
私の存在がみんなに迷惑をかけている…
私の存在のせいでみんな幸せになれない…
やはり私が母の面倒を見た方がいいのか…
母の面倒を見ない私は“不孝者”なのか…

 

「もうここまでドン底の生活に落ちたんだからしょうがないでしょ」と吐き捨てる母。
母のために、母を心配して会いに来てくれた祖父。祖父の気持ちは母に届きませんでした。

 

自宅に帰り、今度は父と一緒に伯父さんを迎えに行きました。
無事に伯父さんと合流後、菓子折りを持って“お詫び行脚”です。
穏やかな祖父に対して、クール過ぎるくらい冷静な伯父。祖父の意向は一切聞かず、淡々と手続きを済ませていきます。
廃車の手続きに納得できない祖父を宥めて、話題を逸らして…。私は祖父の“お世話係”に徹しました。

移動中、伯父さんに母の様子を話しました。
「お母さん、思ってるより元気です。糖尿を患ってるけど、動けるし、食べれるし。“何か新しいことを始めたい”って前向きな事も言ってたし。」

しかし、冷静な伯父さんが言いました。
「あいつは何も変われない」

少し悲しい気持ちになりましたが、伯父さんの言っている事は間違っていません。
私は“何も変われない母”を一番近くで見てきました…

 

祖父と伯父さんが帰った次の日。
仕事終わりの私の携帯電話が鳴りました。


ブログをご覧いただきありがとうございます。
私は伯父さんから冷たい態度を取られた事はありません。(母から伯父さんについての悪口を散々聞かされてきた影響で伯父さんに懐いてはいませんでしたが)

祖父と違ってあまり笑顔を見せない伯父さん。クールだけど、心根は優しい人なんだろうな…と思っています。
伯父さんの子ども(私のいとこ)はとてもしっかりしていて、優しい人たちです。知的で穏やかないとこを見ていると“親に愛されて育った人なんだな”と感じます。



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