川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

「浅間嶺に煙(けぶり)立つ見つ」

2010-03-21 09:50:11 | 出会いの旅
「第10回きいちご移動教室」のキャッチコピーを考えているうちに「落葉松(からまつ)」の世界に浸っていました。 

 

 落葉松   北原白秋


からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。


からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。


からまつの林の奥も
わが通る道はありけり。
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。


からまつの林の道は、
われのみか、ひともかよひぬ。
ほそぼそと通ふ道なり。
さびさびといそぐ道なり。


からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり、
からまつとささやきにけり。


からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。


からまつの林の雨は
さびしけどいよよしづけし。
かんこ鳥鳴けるのみなる。
からまつの濡るるのみなる。


世の中よ、あはれなりけり。
常なれどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。

 出典http://hakusyu.net/Entry/8/


 訪ねるのは5月15日です。このころの嬬恋高原のからまつ林はどんな風景なのでしょう。芽吹きはもう終わっているのでしょうか。

 カラマツ 芽吹き http://blog.goo.ne.jp/3sen6gou/e/5581ca7aeeb30182ae5785e9ee151d9a

 からまつの林を出でて、
 浅間嶺にけぶり立つ見つ。
 浅間嶺にけぶり立つ見つ。
 からまつのまたそのうへに。


 からまつを見たこともなかった高校生のころからあこがれてきた風景です。

 中国で育った人々の目にはどう映るのでしょうか。

 5月中旬のこのあたりの風光を紹介したブログがありました。勝手ながら紹介します。

  石楠花咲く浅間北面http://ymanotayori.at.webry.info/200705/article_5.html

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この詩は私も大好きです。 (インレッド)
2010-03-24 20:10:35
今晩は。
この詩の最後が私は好きです。
 
 ・・世の中よ あはれなりけり
    常なけれどうれしかりけり
      山川には山がはの音
        からまつにからまつのかぜ

この詩は白秋は 声を出して歌うものにあらず

 と言ったとか、何と無く解るような気がします。

嬬恋の石楠花園の落松も石楠花咲く頃は綺麗ですが、浅間山荘あたりの落松や、車坂峠あたりの落松も美しいですよ。
返信する

コメントを投稿