スティーブン・ボーゲル教授が朝日の夕刊に書いていた。小生のブログでも何度となく書いてきたが、庶民から学者まで同じように、日本のGDPを追いかける愚かな行為に、いかにうんざりしているかが分かって溜飲が下がる思いだ。
新聞社は報道機関なので、日本がドイツに抜かれたことを大々的に書いていた。仕方ないとはいえなんとも情けない。百歩譲って一人当たりのGDPならまだ理解できる範囲だが、国全体の数字を比べるとなると戦争でも仕掛けるつもりなのかと疑いたくなる。
GDPの関連として言えば、一極集中を極限まで追求した結果が今のGDP値である。その歪みたるや全国津々浦々まで広がって、その影響で猿や鹿や熊の行動範囲もおかしくなってしまった。最近では、8割社会という造語がはやされて、少子化だけを取り上げて大問題になってしまっている。一極集中を止めて均衡の取れた町づくりをすれば、東南海大地震がきても助かる人は現在推定の何倍にもなるだろうに、そんなことに気づくのはいつなんだろうと危惧する。
戦後79年にして未だにGDPに執着しているのは、日本国民一人一人の暮らしから視線をずらしたままに来てしまった結果でもある。もういい加減ふるさと納税とか、箱もの万博とか、カジノ狂騒曲とかから抜け出して、国民の国民による国民のための政策に目覚めるときだろうと想う日々である。