ヒノキ(ヒノキ科ヒノキ属)
福島県南部から鹿児島県の屋久島に自生するほか、
北海道と沖縄を除いた地域に広く植林されている
*生活に密着した香り高き友人*
常緑の高木で最大樹高40m胸高直径3mに達する
ヒノキはマツやスギと並んで、日本人に最も親しまれている
針葉樹のひとつである
ヒノキの木材は緻密で堅く、腐りにくいので、身の回りの
建築建材あるいは器具材などによく用いられており、
「日本書記」にも宮殿にヒノキを使うことが記されている
高級材の代表として、建築、家具、仏像彫刻、曲げ物、
桶、風呂桶などの浴室用品などに利用される
とくに材の白さが好まれて、神社仏閣などの
建築用材として欠かせない
「火の木」が名前の由来で、火を起こすのに
利用された
最近では、材や精油に含まれる鎮静作用を利用した
リラクゼーショングッズもつくられている
木曽にはほとんどヒノキだけの林が大規模に広がっている
それは江戸時代に木曽の五木とよばれる針葉樹
(ヒノキ、サワラ、クロベ、アスナロ、コウヤマキ)
が保護され育成された結果である
木曽からヒノキが搬出されるようになったのは
鎌倉時代から
14世紀半ばには伊勢神宮の遷宮用材にも選ばれ、
豊富秀吉は木曽谷を直轄領にして、木材を
築城に利用したという
尾張藩は資源確保のため、木曽山林などの一括管理に
乗り出し、ヒノキの優良林を指定して住民の立ち入り
を禁止する「留山」を設けた
この保護政策が今ある木曽の天然ヒノキ林を生んだといえる
参考 「日本の樹木06 ヒノキ」