現実ブログ 「遺品が語る真実」 遺品整理ブログ
遺品整理屋は見た”天国へのお引越しのお手伝い” 孤独死 自殺 遺品整理 不用品 遺言 ・・キーパーズ




誰にでも訪れる死。

その死に際し、どこの国でも人間は故人を送るために行う事がある。

それは「故人を送る手続きと共同作業と様々な整理」ですね。

なぜ、他の生物と違って簡単に死ぬことはできないのか?

簡単に言えば人間は欲が深く生き方に不器用だから!

しかし、人間として生まれた以上避けられないのが現実なんですね。

では、なぜ避けて通れないのでしょうか?

あくまでも私の個人的な考えなので間違っているかもしれませんがこんな事を考えました。

・感情と記憶力が発達し、悲しみを強く感じるから。(他の生き物には、どれほどあるのかは解りませんが・・・)
⇒故人の死を認め、受け入れて時間を掛けて記憶を薄める為の気持ちの切り替えや整理をする時が必要である。

・人間は、宗教を信じる人が多い生き物だから。(ちなみに私は全くの無宗教ですが・・・)
⇒宗教ごとのしきたりに応じて、死者を送る儀式を行う慣習がある。

・人間は、どこかの国家に属し、その住民として登録している為。
⇒戸籍上の登録を抹消し、国は国家の人口を正確に把握しなければならない。(今年はこの話題でメディアが大騒ぎしましたね・・・)

・社会生活における人間関係を継続できなくなる為の告知をする必要が生じる為。
⇒職場や地域のコミュニティなどや友人関係にお知らせをしたり、会の退会手続きなどを行わないとならない。

・個体が比較的大きく、多い為(約68億人)に亡骸を放置すると生活環境に影響を与える為。
⇒死後そのまま放置されると、腐乱してしまい強烈な死臭などによって周辺の生活に支障を生じさせてしまう為に、火葬や土葬などによって遺体を処理しなくてはならない。

・人間だけが生活に必要な備品を使用し、死後遺品を遺してしまう為。
⇒動植物と違って人間は、個人の欲や嗜好によって様々な物を所有している為、故人とともにその遺品を整理して故人の生き様や存在感を消し去る作業が必要となる。


少なくとも上記の六つの現実と意味がある為に、人間は動物や植物と違って死後の事まで気にしなくてはならないのですね。

そして、その事柄を放置された場合は、この世をきれいに完結出来ていないことになります。

こんな事を言うと様々な意見もあるかもしれませんが、人の記憶と宗教的な儀式は意識の問題が大きい為に時間が解決してくれる事ではあります。

しかし、登録された戸籍を抹消しないと、今年のように死んでいるのに何百歳まで生きていた事になってしまいますよね。
友人に伝えてあげないといつまでもその存在は残ります、会費だって本人はいないのにいつまでも引き落とされたりしてしまいます。
また、遺体と遺品の処理を行わないとそのままの状態で何年も放置されてしまう事になるので、これもまたまずいですよね。

このような意味があると同時に、人間は結構様々な要件を満たしながら生きているのです。

たくさんの人間関係を持ち、たくさんの物を持ち、たくさんの経験をし、たくさんの契約(約束や登録)をして、人間は生きているんだなあと改めて感じますよね。

ちょっと面倒に感じる人が居るかもしれませんが、そう思わないでくださいね。

たくさん有ればあるほど、人間は日々楽しく充実感を味わい生きていけるのですから。

楽しみと責任?権利と義務?・・、上手く表現は出来ませんがバランスを保ちながら生きているってことですよね。

ちなみに、遺品整理をこの様に考えてみてもらいたいなぁって言うのが今日の一番の趣旨です。

どんな本を読んでもサイトを見ても「葬儀」の意味の中に、遺品の整理の項目は入っていないのです。

しかし、私が以前から言っているように故人の身体も納骨され、戸籍上も抹消され、儀式も終わって、悲しみが癒えても、遺品がきれいに片付くまではこの世に故人の生きた証と生き様がそのまま遺されてしまい、その場に存在が遺り続けてしまうので、人生の幕は完全に下ろせないのです。

遺品整理は、ないがしろにされている訳ではないが、あまり重要視されていませんでした、しかしもし自分が死んだ時には非常に気になるのではないでしょうかね。

最後に。
この様な「故人を送る手続きと共同作業と様々な整理」は、自分では出来ないので、遺された遺族や友人など第3者の手を借りなければいけないという事は認識しておきましょうね。

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死んだら終わり?記憶も無いし、何が起ころうが関係ない?
たしかにそうかもしれません、天国へは請求書も届かないでしょう・・・

しかし、あなたは本当にそう割り切って生きていけますか?


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コメント
 
 
 
亡き母の遺品 (さすらいの筋肉マン)
2010-10-11 19:55:23
 1年近く寝たきりで意識の戻らなかった母が最近死去しました。

 自分も彼女の遺品を整理することになり、いろいろなことを考えさせられました。

 今回の記事には多くの示唆を受けました。ありがとうございました。
 
 
 
考えさせられますね (葉桜)
2010-10-12 12:10:49
死んだ後のことを考えて、せめてものだけでも、残された人たちがスムーズに処理できるようにしないといけないな、と感じましたね。
 
 
 
父の死 (ゆう)
2010-10-27 10:17:13
はじめまして。
私の父は23年前蒸発して以来、何の音沙汰もなかったのに、死亡したと役所を通して知らされました。
人の死・・・それも、もう憎しみや恨みなんて言葉もない「今」の私に、いろんなことが押し寄せてきました。
私の兄弟は5人です。私は末っ子。父のアパートなどの片付けなどもあって、兄弟に相談しました。上の兄弟は、父の借金などで本当に嫌な思いがあってか、皆手続きなども拒否していました。私がやるしかない。。。状況でした。
書類上の手続きは役所で進んでいきましたが、住んでいたアパートの片付けがありました。何の感情もない父にも、生活があったんだな。。。当たり前ですが、ここに住んでいたんだ。。。馬鹿な人だな。。。遺していったものの中には、相変わらず借金の請求書もあって、ぞっとしました。それが私に来ませんように。。。今更ですが、もう借金取りのあの怖さは体験したくないです。。。。トラウマです。
父の借りていた部屋は、「片付けやさん」が引き受けてくれることになりました。大家さんもいつまでもこのままにしておきたくなかったのでしょう、その取引は早いものでした。男一人にしては、綺麗な部屋でした。いろんなものがありましたが、父が家にいた頃の面影というか、雰囲気というか・・・そういうものも感じられました。
父が死んで子供の私に連絡が来たことは、父は幸せだったなと思います。家族を置いて、自分だけ逃げた父。その後の私たち家族の生活がどんなものだったのかなんて知らずに死んでいった父。私のことを、まだ小学生くらいにしか思ってなかったかもね。。。
もっと早くキーパーズさんの存在を知っていればなと、後悔しています。
著書も買わせていただきます。

みんなが幸せに生きれたら。。。いいのにな。。。

 
 
 
孤独死 (栃木のママ)
2011-08-04 00:40:40
昨年、四十数年来のアルコール依存のため父が亡くなりました。
晩年の暴力や諸事情で亡くなる三年前から近くのアパートで独り暮らし。
二,三日連絡がなかったので訪ねた私が、死後四日経った父の遺体を見つけました。
依存症でしたが、素面の父は家族にとっては大事な大好きな尊敬する父でした。
蒸し暑い六月だったため、父の周りには数十匹のハエが飛びまわり、とにかく片付けなければと必死にはらったのを覚えています。
遺品整理屋という事も知らず、旦那と二人で汚れた寝床や布団の処理、父の遺体も夫婦で葬儀屋に運びました。
今思えばどうしてあんな事が出来たのか不思議です。恐くはなかった。
ただ父を一人にしてしまった罪悪感からの一心だったのかもしれません。

壁には、「通夜なし、葬儀なし、涙なし」のメモ書きが張ってありました。
あの時の部屋の匂いは未だに忘れる事が出来ません。

父は何を最後に見て何を思って逝ったのか。
出来る事はもう何もないと思っていましたが、もう少し何かしてやれなかったか。
後悔ではないですが、今も思います。
 
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