主人が撮影したアヲちゃん。この日は背景も含めてかっこいい。かっこいいと言えば、あたしの旧姓、かっけ〜んだぜ。別姓がOKだったらキープしたなぁ。とは別の理由で、あたしは、選択的夫婦別姓を強力に支持している。
昨日テレビで、「あなたのアイデンティティとは、名前が変わっただけで失われる程度のものなのか?と皮肉をこめて問いたい」と、とある有識者(男性)がドヤ顔で発言して心底驚いた。何にもわかってないのね、ばぁ〜〜かっ!とテレビに叫んじゃった(苦笑)。えっらそ〜なおっさんに限って、姓に基づくアイデンティティのことを、女性が自分の旧姓に対して持つ愛着と矮小化してしか考えられないんだよね。
確かに自分のアイデンティティにとって、苗字はルーツを示すのだから大事な要素ではある。でも他人が自分をどうアイデンティファイするか?も、やはり苗字が一つの大きな要素だってことに思いが至らないことに驚かされる。そして結婚の前後で苗字が変わることが、他者から自分がどうアイデンティファイされるかにどう影響するのかが、全く想像できない「有識者」という狭量な人たちには、さっさと退場してもらいたいと心から願う。きっと女性が「社会で輝い」ちゃったりしたら、真っ先にお払い箱にされるってわかってんだね(苦笑)。
一番わかりやすい、昔から言われている例は、研究者の実績の継続性が奪われる件。結婚前の論文と結婚後の論文の著者としての苗字が違うと、検索した時に引っかからないので評価で不利になる。このケースは、研究者が旧姓を通称使用することで解決されるから、その方が夫の姓を名乗りたい場合はそこで問題解決。女性の政治家が旧姓を名乗っていることからわかると思う。彼女らは、選択的夫婦別姓じゃなくて通称使用でえ〜やん、とこれまた問題を矮小化する。
研究者に限らず、自分を直接知らない人にとっては結婚前と結婚後で自分の業績や経歴が分断される、認識できなくなる。個人としてのあるいは研究者としてのアイデンティティの全体像が、結婚で寸断されちゃう。結婚したら家庭に入る女性が圧倒的に多かった時代には、第三者が結婚の前後で名前の違う女性を同じ人だと認識できないことに、何の問題もなかっただろう。でも、これってフェアではない。憲法が保障する男女の平等に、どっちか一つの姓にしなきゃならないと求める民法が、邪魔してないのか?っていう人権の話なんだと、あたしは考えてる。そしてそれが軽んじられて放置されているのに、社会が崩壊するとか結婚が破綻するとか、科学的根拠が全くないとんでもない理論を持ち出してきたことが問題だと考えている。
あたし自身、いやな思い出があるし。
結婚して入籍した直後に、唐突にオーストラリア出張が決まった。パスポートを新しい苗字で取り直す時間がなく、パスポートの写真のページの次あたりにある「追記」っていうセクションに、結婚後の姓を記載事項の変更という形で記入するという変更にとどめた。戸籍上の名前が変わっているので日本に入国する時にトラブったらやだな、という単純な発想だった。が、それがとってもまずいことに・・・。オーストラリアの入国の際、その追加で記載された苗字、あるいは2つも苗字があるあたしのパスポートが問題になり、しばらくその場で待たされた。あたしを立たせたまま入国管理官はどっか行っちゃった。別室に連れていかれそうになる直前までいった。どう解決したのかは覚えていないのだけど、入国管理官が駐豪日本大使館に照会してクリアされたのたか、同行者の中の偉い人(笑)がレスキューしてくれたのか、どっちかだと思う。
とにかく、その時の教訓は、明らか。
旧姓プラス結婚後の姓を記載したパスポートは、疑わしいと判断されるってこと。通称利用(旧姓と結婚後の姓の併記という変形バージョンだけど)は、たとえお上のお墨付きがあっても海外では理解されないってこと。なので、その後も海外出張をすることは明らかだったので、帰国して速攻で新しい名前でパスポートを取り直した。
銀行口座、クレジットカード、さまざまな契約(結婚直後あたしのマンションで主人と暮らしたので賃貸借契約とか)も、ぜえぇぇぇ〜んぶ名前を変えるという面倒な手続きをようやっと済ませた、その最後のトドメの一撃だったなぁと思う。
両性の合意で成立した結婚の後に名乗る苗字をどうするか?に関してオプションがあっても、家族も社会も崩壊するなんて思えない。そんな程度で崩れる家族関係なら、もう壊れてるか他の理由でも簡単に壊れると思う。しかも、選択制でっせ?!義務じゃないのに。それこそ「アイデンティティってその程度のものか?」と言い放ったオヤジに「お宅の夫婦関係は、その程度のものですのね、ほ〜っほっほっ」って言ってやりたい。現在国際結婚では別姓が許されているんだから、そんなに大した変更でもないんじゃないの?それでも反対する政治家(と御用学者と御用宗教団体)には、別姓にしたら崩壊しかねない家族関係ですというレッテルをべったり貼り付けた上で、国民の半分を占める女性の人権をどうお考えか問い詰めてやりたい。
今回の総裁選挙でこの問題が再燃してますね。
X(旧Twitter)読んでたら、暗鬱な気分になります。
ええ加減にせぇと言いたい。
思想的にも生き方も気味の悪い某女性総理候補に対する
Xの礼賛コメントに嵐に気持ちが悪くなり、
こういう特殊なネット民の意見に左右される政治家に恐怖すら感じます。
やっていいことと悪いこと、やるべき順番とその理由、それが全て一部のネット民の歓心を買うかどうかが判断基準
この国の形が本当に不安。