街中を歩いていると、工事を様々な所で見かける。住宅を改修していたり、道路を掘り返して水道管などを改修していたり、都会に行けばオフィスビルを建てていたり、ステイホームの合間に散歩すれば、工事を見かけないことはないのではないか。
様々な規模の工事があるが、最も巨大な工事はどんなものだろう。沿岸部を歩くと見かける、大きな発電所や石油精製施設などが一番巨大そうに思える。(エネオスの製油所の公式HP。「京葉臨海工業地帯」を代表する施設らしい。小学校で習ったような日本を代表する工業地帯の一つだ。)
これらを手掛けているのは一体どんな人たちだろうか?調べてみると、それは総合エンジニアリングという業種に属する会社であり、日本で言えばみなとみらいに本社の集まる日揮ホールディングスや千代田化工建設、東洋エンジニアリングといった会社だ。(例えば、日揮ホールディングスの公式HP)
これらの会社は数千人を雇って世界で工事を受注している。ロシアでは2兆円程のプロジェクトにも関わったらしい。また、この業種のアメリカの会社には、従業員が5万人を超える巨大企業もあった。(Fluorの公式HP)
公式情報を読み進めると、これらの企業が手掛ける大型工事は世界のエネルギー消費量や内訳に密接に関わるため、経営の報告書でもそれらに言及し、これからの経営戦略をそれに合わせて策定している。
例えば海外のエネルギー消費量が増えそうだからグローバル経営を進める、環境を考えたエネルギー設備が増えそうだからそれらの案件獲得に力を入れる、などだ。
現在は、世界のエネルギー消費量は横ばい〜増加が見込まれていて、業界各社は公表資料を見る限り活気があるように思えた。日本の企業はコスト管理に課題があったらしく、企業によってはオペレーション改善に向けた取組みを経営者を外部から招いて行なっている。ダイナミックな変革の最中なのだ。(千代田化工建設は三菱商事から、東洋エンジニアリングはインテグラルと三井物産から協力を得ている)
巨大工事のビジネスは、投資したり働いている人にとって、視野が国際的で、内容も変化に富んだ面白い領域と思う。
総合エンジニアリング業界の市場動向と各社比較をしたレポート。用いられるデータに出典をつけつつ市場動向や各社経営状況に一定の結論を出しており、基礎知識が身につく。
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