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バイケイソウ
バイケイソウ、弓張山地にて
分類
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 単子葉植物綱 Liliopsida
目 : ユリ目 Liliales
科 : ユリ科 Liliaceae
属 : シュロソウ属 Veratrum
種 : Veratrum album
亜種 : バイケイソウ
subsp.oxysepalum
学名
Veratrum album L.
subsp.oxysepalum(Turcz.)Hult n[1]
和名
バイケイソウ
(梅〓草)
英名
False Helleborine
バイケイソウ(梅〓草、学名:Veratrum albumsubsp.oxysepalum(Turcz.)Hult n[1])は、ユリ科シュロソウ属に属する多年草。
APG植物分類体系ではユリ目メランチウム科に分類される。
特徴[編集]
開花時期は、6-8月[2][3]。
直径1.5-2cmほどの緑白色の花を房状に多数つける(茎の上部に大形の円錐花序となる。[2])[3][4]。
6枚の花被片は長さ1-1.5 cm程の細卵形でその先尖り、雄しべはその半分程の長さ[4]。
開花期の草丈は0.6-1.5mとなる[4]。
葉は長さ15-30 cm、幅10-20 cmの広楕円形-長楕円形で、その先が尖る[2][4]。
この和名は、花がウメ、葉がケイランに似ていることに由来する[3]。
新芽
丹沢山・06年5月
葉
天王寺尾根・06年5月
蕾
鈴鹿山脈・13年6月
花
弓張山地・13年6月
分布[編集]
種(Veratrum album)は、ヨーロッパ、北アフリカ、シベリア、東アジア、アリューシャン列島、アラスカ州のスワード半島に分布する。
その亜種のバイケイソウ(V. s.subsp.oxysepalum)は北東アジアと日本に分布し、その基準標本はカムチャッカ半島のもの[4]。
日本では北海道、本州、四国、九州の山地から亜高山帯にかけての林内や湿った草地に分布する[4]。
利用と注意[編集]
根茎にジエルビン、ベラトリン、プロトベラトミンなどのアルカロイドを含む[4]。
根茎は白藜蘆根(びゃくりろこん)と呼ばれ血圧降下剤として用いられたが、催吐作用や強い毒性があるので現在では用いられない。
また、東雲草(しののめそう)の名で殺虫剤としても使われた。
芽生えの姿が、山菜のオオバギボウシ(ウルイ)やギョウジャニンニクとよく似ているため、毎年のように誤食して中毒する事例がある。
血管拡張作用があるため血圧低下を引き起こし、重症例では意識喪失し死亡するケースもある。
分類[編集]
ミヤマバイケイソウ[編集]
ミヤマバイケイソウ(深山梅〓草、学名:Veratrum alpestreNakai)は、バイケイソウの高山型で北海道の中央高地と本州の中部以北の亜高山帯から高山帯下部の湿地に分布する。
バイケイソウよりも小型で高さは、50-80 cm[4]。シノニムが、Veratrum albumsubsp.oxysepalumfalpestreで、バイケイソウを区別しないとする見解もある[4]。
コシジバイケイソウ[編集]
コシジバイケイソウ(越路梅〓草、学名:Veratrum nipponicum Nakai)は、バイケイソウとコバイケイソウとの雑種とみられている[4]。
シノニムが、Veratrumxnipponicumで、日本の固有種。花期は8月で結実しない[4]。
花被片は白色で、基部は黄色を帯びる[4]。
コバイケイソウ
Veratrum stamineum
コバイケイソウ[編集]
近縁種にコバイケイソウ(小梅〓草、学名:Veratrum stamineum Maxim.)がある[2][3]。
詳細は「コバイケイソウ」を参照
種の保全状況評価[編集]
日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]。
絶滅危惧I類(CRまたはEN) -島根県[6]、佐賀県
Aランク[注釈 1]-兵庫県
絶滅危惧IB類(EN)-和歌山県
絶滅危惧II類(VU) -福岡県[注釈 2][7]
準絶滅危惧(NT)-秋田県、大阪府、鳥取県[8]
要注目種-京都府[9]
画像[編集]
バイケイソウ
(空木平・09年8月)
バイケイソウの花
(大室山・09年7月)
バイケイソウの若芽
バイケイソウの花
Veratrum album(スケッチ)
脚注[編集]
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注釈[編集]
^ 兵庫県のAランクは、環境省の絶滅危惧I類相当。
^ 矢部川県立自然公園の指定植物。
出典[編集]
^a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “バイケイソウ”.BG Plants 和名-学名インデックス(YList).2013年6月18日閲覧。
^a b c d 林弥栄 (2009)、607頁
^a b c d 高村忠彦 (2005)、267頁
^a b c d e f g h i j k l 豊国秀夫 (1988)、556-557頁
^ “日本のレッドデータ検索システム「バイケイソウ」”. (エンビジョン環境保全事務局).2013年6月18日閲覧。- 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
^ “しまねレッドデータブック・バイケイソウ”. 島根県 (2004年).2013年6月18日閲覧。
^ “福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA・バイケイソウ”. 福岡県 (2011年).2013年6月18日閲覧。
^ “レッドデータブックとっとり (植物) (PDF)”. 鳥取県. pp. 162 (2002年).2013年6月18日閲覧。
^ “京都府レッドデータブック・バイケイソウ”. 京都府 (2002年).2013年6月18日閲覧。
参考文献[編集]
高村忠彦(監修) 『季節の野草・山草図鑑―色・大きさ・開花順で引ける』日本文芸社〈実用BEST BOOKS〉、2005年5月。ISBN 4537203676。
豊国秀夫 『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1。
林弥栄 『日本の野草』 山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。
関連項目[編集]
レスベラトロール
有毒植物
生薬一覧
外部リンク[編集]
自然毒のリスクプロファイル:高等植物:バイケイソウ(厚生労働省)
バイケイソウ(農業・食品産業技術総合研究機構)
バイケイソウに御用心(茨城県林業技術センター)
バイケイソウの標本(北海道厚岸郡浜中町で1987年6月26日に採集) (千葉大学附属図書館)
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