毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

続 ・ あらゆる問題の根底に潜む お金 ・ 時間 ・ 法律にまつわる催眠を解く ~ その9

2020年12月11日 13時18分15秒 | 貴秋の視点、すなわち偏見
前回に引き続き 「ヒューマニエンス ・ 49億年のたくらみ ~ 自由な意志 それは幻想なのか?」 から。

ご紹介の順序が逆になりましたが、番組で最初に出てくる実験は、ベンジャミン ・ リベットというアメリカの生理学者が1983年に行なったもの。

番組内の再現実験で 被験者は好きなタイミングでキーボードのエンターキーを押すように言われますが、このとき被験者の前のモニターには0、5秒間隔でアルファベットがランダムに映し出されており、被験者はキーを押そうと決めたときに現れていた文字をその都度申告する、これを何度も繰り返します。

同時に別室では被験者の脳波が測定されており、その複数人分のデータを解析して平均的な脳波の動きを割り出したグラフと 被験者たちの動きのタイミングを照らし合わせると、被験者がキーを押そうと決断する1~2秒前にすでに脳活動が発生し 高まりを見せていることがわかったのです。

この実験は 以来37年間複数の科学者によって検証されており、結果はほぼ同じだそう。

ならば 私たちが動こうと決めるより早く脳に活動を起こさせているのはいったい何なのか、ということになりますが、貴秋はこのグラフの謎の立ち上がり部分、体験的にわかる氣がします。




貴秋が日ごろ知覚しているのとは別の意識が自分の中にあると初めて明確に感じたのは、2001年に住み慣れた奈良を離れ 和歌山に移ることを決めたとき。

いまと違って未知の土地や人に極度に臆病だった貴秋に とてもじゃないがそんな決断ができるはずもなく、自分の好みや感情とは別の何かに強く促される形で 清水の舞台から飛び降りる氣持ちで家を出ることになったのです。

その二年ほど後 車中泊の旅がマイブームとなり、地図をお供にあちこち走り回る中で、再びこの “何か” の存在を感知することに。

機械オンチの貴秋はカーナビではなくペーパー地図の愛用者なのに 「地図の読めない女」 でもあるおかげで、道を間違えるのはしょっちゅう。

そんな度重なる 「あ~あ」 の中で あるとき氣づいたのです、正しい道と思い込んでいるのとは別の道に ふと氣を惹かれる瞬間があることに。

そして後から、その氣を惹かれた道が 実は正しい道だったとわかります。

これを繰り返すうち、この 「ふと」 という感覚がだんだん掴めるようになり、自分の判断よりも 「ふと」 のほうを選ぶこともしばしば、その情報の確かさに「ふと」 への信頼が次第に増していきました。

そして 2005年に伊勢に行ったときのこと。

当初の目的地は能登半島で これをぐるっと一周し、琵琶湖畔まで戻って とりあえずは目についた道の駅で一泊することに決め、休む前に銭湯を探そうと走っている最中 ふと目にした 「伊勢○○km」 の標識に、なぜか突然自我とは別に 伊勢に行こうという意志が湧き上がり、「さっさと道の駅に戻ろうよ~」 と訴える自我の声をものともせず 伊勢へと車を向かわせたのです。

えー なんでなんで!? と騒ぐ自我の声は大きくうるさいのに、その意志は微笑む女神か慈母のように優しく静かで穏やか、でもやかましい自我にまるで影響されることなく淡々と意を通し、そしてなぜかからだは自我ではなくそちらに従う。

この静かな意志は 憑依でも他者のコントロールでもなく自分のものだとわかりますが、それでいてその思い付きや意図は 自我のそれとは明らかに違っています。

和歌山移住の件以来 個の自分よりもっと大きな力があることは認めていましたが、自我と 自我を超えて自分を動かす意志、別々の二つの意識の存在を同時にあれほどはっきり感じたのは初めてです。

以来、この不思議な意識と 日常のあちこちで出くわすようになっていきました。




番組に話を戻すと、トークパートナーのいとうせいこうさんが、小説の執筆で 冒頭に生じた矛盾をそのままに話をどんどん展開させ、自分でも結末がどうなるのかわからないまま書き進めていたら、不意のひらめきで解決がつき 無事書き終えることができたというような話をされていました。

いとうさんは、このひらめきがきっと起こるという信頼のもと 執筆を続けながらゆったり待ち構えておられるようでしたが、貴秋も どう解決したものかわからない問題をノートに書き出し、あとは天に丸投げしてしばらく経つと 不意に答が下りてくるという体験を いく度となくしています。

こういう個の意志や思考とは別に 不意に答を投下してくる “何か” 、自我とは別に常に自分の中にあって ぐらつきも傷つきも間違いもしない “何か” 、これこそあのリベットさんの実験で 最初に脳を動かし始めた意志だと 貴秋は思うのです。

この “何か” は 自我とは違い、時間空間の縛りを超えて知恵や情報をもたらすことができるらしい。

この “何か” の存在を思い出し 信頼してその力を使うことで、私たちはこれまでの人間の限界と考えられてきたものを突破することができそうです。