いつの間にか 鹿の鳴き声が聞こえなくなっていることに、ふと氣づきました。
1週間ぐらい前だったかな? 朝方の明るくなったころに ひと声響いて、あらこんな時間に。。。。と思ったのが、どうやらさいごだったようです。
もっと氣づかないうちに終わっていたのが、虫たちの声。
ずいぶん数が減ったなぁ、と思ったのは、どれぐらい前のことだったでしょう。
こおろぎ、鈴虫、キリギリス・・・・また来年、だね。
桜の葉も もうほとんどおしまいだなぁ。。。と思いながら、ふとお隣小学校のイチョウに目を移したら、緑と淡黄色のグラデーションだったものが いつの間にやら黄色一色に変わって、葉の量も 半分ぐらいに減っていました。
氣温が下がったことで、一氣に落葉が進んだのでしょうか。
そういえば、空の色も 少しずつ淡くなってきたねぇ。
いのちあるものは じわじわと変っていきます。
ほんの少しずつであっても つねに変化していて、いくら願っても 足を止めてはくれません。
だからこそ、こちらがちょっと立ち止まって、今目の前にあるものを 感じて 愛でて、そして 出会えたことに感謝する。
すべては過ぎ去ってゆくけれど、わずか一瞬でも 時空を共にしたという事実は 決して消えないから。
出会ったことを忘れても、その記憶は 細胞一個一個に刻まれて 心を満たし、ときに思いがけず なつかしい扉を開いてくれるから。
昼間の時間がだんだん短くなって、日ざしが部屋の奥まで届くようになって、いっとき華やかだった山肌の色合いが また少しずつくすみ始めて、夜空がりんりんと冷たく澄んできて。。。。
暖かく彩り豊かだった秋が きりりと冷たい墨絵のような冬に 徐々に入れ替わっていく もの哀しさ、そして そんなもの哀しささえ かすかな痛みと共に たまらなくなつかしい、11月のおわりの日々です。