空美風~私らしい言葉で~

二胡と歌の親子ユニット空美風のボーカル担当ひとみが綴るブログです。

Summertime Serenade ~夏夜織詩~

2024-08-07 07:41:55 | My Original Vest



 




神に与えられし我が命

わずかに灯る命なら

指折り数える残り日を

ともにあなたと生きましょう


黒髪結った 夏の午後

祭りの太鼓 蝉時雨

母のお下がり 赤い下駄

すました顔で 背伸びする


橋のたもとの細い道

あなたを待った 星の夜

不安とときめき交互に

小さな胸が波打った


神に背けぬ我が命

余命短い命なら

清き乙女の胸の絵を

ともにあなたと描きましょう


近づく影に胸躍り

浴衣のすそを直すふり

高鳴る胸をすれ違う

ため息こぼれた 夏の夜


待てど暮らせど訪れぬ

はがゆい胸の隙間から

せつない想い込みあげて

思わず泣いた 風の夜


神に染められし 我が命

思うままない命なら

あなたの好きな その色に

すべてを染めてみせましょう


橋のたもとに背を預け

小石を蹴った月の晩

浴衣の裾がひらひらと

風に舞った 銀の夜


息を切らして 手を振った

あなたのもとに駆け寄れば

ただひとこと ”ごめんね”と

震える私の背を抱いた


夏を彩る風物詩

夜風の音色 星の道

無情に時は過ぎゆけど

褪せることない宝物

あなたとともに生きた人生(みち)

あなたとともに泣いた人生(みち)

あなたを愛せた喜びを

胸に閉まって封をする

思い出詰まった 夏祭り

思い出重ねた 夏の夜

先立つ今宵 ひそやかに

天の橋が舞い降りる

瞳に映る 天の川

儚く消える 時の河

命の灯火 身代わりに

線香花火が花を咲す


神に清められし我が命

涙に濡れた 恋い人の

幸せ願う 鶴のよに

天の橋を渡りましょう

天の国へ

向かいましょう







星の寿命からすれば

命の一生は

あっという間の流れ星

だからこそ

あなたの命も

私の命も

慈しみ深いもの



風香










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