空美風~私らしい言葉で~

二胡と歌の親子ユニット空美風のボーカル担当ひとみが綴るブログです。

ハンモックとグランマ

2010-07-13 00:03:04 | ポエム

風もないのに

ひとりでに揺れるハンモック

懐かしい香りはレモンパイ

確かに グランマはここにいる・・


このハンモックは

グランパから 僕への贈り物

小さな頃 手作りしてくれたんだ

嬉しくてたまらなかった僕は

グランパにおねだりして

ハンモックの上で よく遊んでもらったっけ

鳥のさえずる朝も 三日月の夜も

いつも いつも グランパと一緒に・・


グランマといえば

庭の隅にある 白いベンチに腰掛け

温かいミルクを注ぎながら

グランパと僕の為に

焼きたてのレモンパイを用意して

幸せそうに眺めてた


優しい時間は あっという間に過ぎてゆく・・


季節は流れ 大人になった僕

ハンモックはひとりぼっち

そんなある日 グランパが星になって

グランマもひとりぼっち

ふさぎ込むように空を見て

みるみるうちに小さくなって

見えない誰かに語りだした

とても幸せそうに

とても嬉しそうに・・


それからのグランマは

朝から晩までハンモックの上

パパもママもどうしようも出来ないほど

その場所から離れるのを嫌がって

あの頃 僕が読んでもらった数冊の本と

ママが作ったレモンパイに囲まれ

ゆりかごのように揺れながら

星を見て 空を見つめて 夢を見てた

そこにグランパが居たんだよね

きっと 見えてたんだよね・・


そして 幸せそうな寝顔で

グランマも星になった・・


風もないのに

ひとりでに揺れるハンモック

懐かしい香りはレモンパイ 

確かに グランマはここにいる

あの日から

ずっと ここにいる・・






今年五月に天国に行った父・・ 遺影に手を合わせる度に、
父の笑顔、声、思い出が甦って来て、この胸が熱くなります。

父が傍に居るような、そんな錯覚に陥る時、
確かに、ここに(心に)父がいるんだと、とても嬉しくなります

( ※ グランパ-祖父 グランマ-祖母 )




  風香・・





























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