カヤネット会員のIさんから、「気になる記事を発見しました。」との連絡があった。届いた新聞記事のコピーを見て、思わずううう~~~~~むとうなってしまった。
大陸との陸続き物語るツシマヤマネコ 島の生態系回復で絶滅防げ
(2007/10/28、産経新聞)
ツシマヤマネコの保護活動に関する特集記事で、「ツシマヤマネコのエサであるカヤネズミを繁殖させるために、ソバやどんぐりの木を育てている」という紹介文とともに、ソバ畑の間に植えられたドングリの苗木に集まるネズミと、それを狙うツシマヤマネコのイラストが掲載されていた。
私が気になったのは、以下の2点。
1.ツシマヤマネコ保護プロジェクトの趣旨の取り違え
本プロジェクトは、カヤネズミに限らず、ネズミ類を増やす趣旨だったはずだが、なぜかカヤネズミに絞った記事になっている。
2.カヤネズミの生態を誤解させる内容
カヤネズミはエノコログサなどの草の実やバッタなどの昆虫を主に食べている。
また、イネ科やカヤツリグサ科の植物で巣を作る。
従って、ドングリやソバを植えてカヤネズミを繁殖させるというのは間違っている。
そもそも、ソバ畑のネズミのイラストは、どうみてもカヤネズミではない(「カヤネズミ」と表記された別枠の小さいネズミのイラストはカヤネズミのようだが)。先日、ネズミの生態に詳しい先生とこの記事について話す機会があったのだが、その人もやはり「あの絵はハツカだよ」とのことだった。
どういった経緯で、このような記事になったのかはわからないが、読者に誤った知識を与えかねず、かなり問題がある記事だと思う。
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