カヤ日記

活動する研究者、かやちゅ。@カヤニストの行動記録
カヤネズミの研究&保護活動や野生生物の保全に関する話題をつれづれに

大戸川ダム凍結撤回

2007-08-30 | 気になるニュース

淀川水系5ダム中4ダムを建設へ 国交省(朝日新聞) 2007年08月29日 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200708280054.html(関西版)

国交省近畿地方整備局が28日、淀川水系の河川整備計画の原案を発表し、大戸川(だいどがわ)ダムの凍結方針を撤回し、建設を推進する意向を示した。同日の社会面には淀川流域委・前委員長の今本博健氏の「(原案は)住民参加の治水に逆行する」というコメントが載っていた。

「生態系に重大な影響を及ぼすため、ダムは原則建設しない」とした、淀川流域委員会の意向を受けて凍結を決定した、そのたった2年後に、いとも簡単に覆されたことは、非常に残念だ。

国交省が示した建設理由はさっぱり理解できない。桂川の洪水対策に河川整備を行うのはやむを得ないとして、それでどうして滋賀県にダムを作らないといけないのか。本当にダム建設しか、方法がないのか。

紙面版の解説記事によれば、そもそも、淀川流域委(前組織)は4年前の提言で「ダム以外に有効な方法が無い場合に限って建設が認められる」としたが、国交省はダム建設の根拠となるデータを示せなかったとのこと。

また、地元の談話として、大戸川ダム対策協議会と大津市のコメントが紹介されていたが、上記の理由で建設するなら、桂川流域も「地元」ではないか。桂川流域住民に、事前に十分な説明はあったのか。

官と民が一体となって川作りを進めるモデルケースとして、全国から注目されていた淀川水系で、このような「方針転換」が起きたことで、他水系の、河川行政への影響も懸念される。これは国の市民に対する「暴挙」と言っても過言ではないだろう。

私は桂川流域住民の1人として、また河川生態系の保全に関心を向ける者として言う。「大戸川ダムはいらない」。


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