the Laughing Gnome

スポーツ・音楽・美術に関する話題。
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Even Johansen 'Quiet&Still'

2005-08-27 | 音楽の泉
現在の日本のような極度の消費経済社会に生きていると当然ストレスがたまる。音楽鑑賞はストレス解消に有効な方法の一つである。

最近、ノルウェー・ジャズが熱い。一昔前まではジャズもポップ・ロックもノルウェーより隣国のスウェーデンが北欧モノの代表格だったが、ノルウェーの台頭は凄まじい。ジャズがとりわけクローズアップされているが、今回紹介するのはロックである。

昨日の新聞に新譜が紹介されていたmagnetが本名名義でアメリカから2001年にリリースしたのがこの'Quiet&Still'である。

このmagnetことEven Johansenの経歴を紹介すると・・・、

MagnetことEvenJohansenは、UKやノルウェーでは彼の過去の経歴であるChocolate OverdoseやLibidoでよく知られている。 彼の最初のバンドChocolate Overdoseは1991年にノルウェーのBergenにてシンガーソングライター兼プロデューサーのGeir Luedyによって結成された。 彼らの苦労の賜物のデモ曲は1992年にワーナーから出たデビューアルバム”Everybody Likes Chocolate”によって実現化するも、あまりセールスは良くなかった。 次に望みをかけるべく、レコード会社は彼らをデンマークにあるヨーロッパ屈指の有名スタジオPUKに送った。 その結果として生産過剰になってしまった”SugerBaby”を1993年にリリースする。彼らはいつもプレスや評論家達には寵愛されたが、彼らのオリジナルのバンドと、あまりにも不釣合いなメジャーなレーベルとプロデューサーのコンビネーションに、それだけでなくハイプに即座に結果が出ない状態が、またもや惨憺たる結果を生んでしまった。 彼らには長いブレイクと充電期間が必要となる。しかしその間に、EvenはBergenのDokken Lyd Studioでサウンドエンジニアーをしている傍ら、今後のどうするかについて真剣に模索していた。そして彼はLibidoのフロントマンとしてCocolate Overdoseをはなれる事となる。Libidoは彼らの音楽を”より情感を強調したPOP”と称し1995年の後半にBergenにて結成する。 そしてアルバム”Killing some dead time ”をリリースしたのち、バンドはロンドンに移る。 彼らはロンドンでアパートの2階を貸切り、上のフロア-をEvenが、下のフロア-をEikelandとLandhaugが占領し、近所の間では”Libido Tower”として有名になった。「僕らの野望はノルウェーで果たすにはでかすぎたんだ」とEvenは言う。
「最初にソロレコードを出そうと思ったきっかけは、僕がある11曲を欠き終えたときだった、全曲共通した雰囲気をもっていてね、それの雰囲気は、今のLibidoにはないものだったし、そしてこれからもないだろうってものだったんだ。 そしてそのチャンスを逃したくなかったし、もっと自由奔放に、そして静かだけど重みのあるような、もっと他の音楽の道を模索したかったんだ。」と彼は言う。 多くの曲は2000の夏にBergenに戻った時に書いて、レコーディングしたようだ。Magnetという名の最初のアルバムはノルウェーのREC90から2000年12月にリリースされる。そしてそののちアメリカのFiveOne Incから再びリリースされる事となる。ヨーロッパではMagnetという名で発売されていたが、アメリカではEvenJohansenとなっていた。 かれのUKデビューは以前に出したWhere Happiness Liveを再レコーディングしたものと、他の3曲が入ったEPとしてオーストラリアのレーベルUltimateDilemmaからリリースさる。

彼の音楽人生は、スウィング・ジャズ・ダンスなどやるバンドマンのメンバーであった父の影響によるものが大きい。小さな時から、父のお古の四弦ギターなどを触って音楽に慣れ親しんできた。そんな彼がスコットランドで運命のラップスティールギターに恋に落ちるのその後かなり後の話だ。「僕がその美しいギターに会ったのはDumfireのショウウィンドーだった。でもその時は買えなかったんだ。」  そしてついに、神様の贈り物ともいえよう、そのギターを手にした時「僕はカウボーイになったのさ。」と彼は言う。マグネットという名は彼がまだ小さい頃に起こった事件に由来する。彼がまだ13歳だった時、彼はよく貧血を起こす体質で、それは鉄分不足によるものだ診断されていた。 休暇中に、彼が、彼の父親がよくかかっているロックンロールドクター(←「コイツはドラッグディーラーかなんかだったと思うんだけど、一応、白衣は着てたんだ」Even談)の所に訪れた時の事である。 インド人と中国人のハーフの怪しい医者は、まだ少年のEvenに特別のインクで、なんと「Magnet」のタトゥーを入れたのだった。 奇跡とも呼ぼうか…タトゥーの痛みが消えた後、彼は以前よりずっと体調が良くなっていたのだ。「そのころはそんな事をほんとに信じちゃうほどお馬鹿だったわけだけど、ま、信あれば徳ありというかね、ホントに治っちゃったんだよ。」

・・・という感じである。

音楽も自分で「カウボーイ」と言うぐらいなので、アメリカのフォーク・カントリーの影響を受け、それを彼なりに消化している印象を受ける。やはりノルウェー人的な消化の仕方というか、アメリカンフォークにありがちな間延びしたような田舎くささが抜け、ピンと張り詰めたような空気感、憂いに満ちた叙情感がある。また強く感じられる「湿度」はイギリスのColdplay等にも共通したものだと思う。Coldplay同様'Low'な感じで、何か重く垂れ込める暗雲のようなものを背後に感じられながらも、そのメロディーは甘美で心に染み渡り、なかなか離れがたいものがある。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かに、湿っぽいですねぇ... (Krain)
2005-08-28 15:21:11
非常に内容の濃いレビュー...

EvenJohansenは聴いたこと無いですが、興味がそそられちゃいました...



いいっすねぇ...北欧!

kawaharaさんのご指摘通り、北欧独特の湿りっ気がたまらない...

「モワ~」っとした感じではなく、朝方の様な清々しい湿りっ気...

明るい曲でも何となく「憂い」が感じられます...



北欧系は、TimChristensenと言う人に最近ハマり気味です...

コレもグッチョリしてますよ...
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Krainさま (kawahara)
2005-08-28 17:34:03
北欧系は英国同様に湿度・憂いのような物がありますね。



Tim Christensen、ココ(http://www.excite.co.jp/music/artist/81106465/)で聴いてみました。いいですね~。Magnet(Even Johansen)、コールドプレイ、キーンと同系統の感じです。デンマークの人なんですね。どうもありがとうございました。
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