ここは岩内町の外れに位置する雷電海岸。雷電山の稜線が海岸近くで断崖絶壁となって迫っている。
この地はかって雷電温泉郷として賑わっていたが、数件有ったホテルや旅館も今は全て廃業してしまった。
目前に広がる日本海。背後に迫る断崖。作家の水上勉は講演旅行の折に訪れたこの地で、この寂寥として険しい風景に触れ小説「飢餓海峡」の構想を得たとされる。
物語は、実際にあった昭和29年の台風15号による岩内町大火と青函連絡船洞爺丸遭難事故を巧みに組み合わせ、時代を終戦直後に設定し書かれた。
小説冒頭に登場する朝日温泉。一時期、秘湯ブームで話題になったことがあったが、こちらも今は営業していない。
飢餓海峡 予告篇
映画「飢餓海峡」は昭和39年から40年にかけて公開されたそうだ。当時、小学1年か2年だった自分には当然記憶が無いが、当初は大幅にカットされて上映されたようだ。これは、当時の邦画が二本立ての興業が主流であって、この映画が3時間を超える長尺であったためだろうか。
初公開から10年余りが経った頃、街角で偶然この映画のポスターを目にすることになる。「読んでから見るか、見てから読むか」という有名なキャッチコピーがあったが、今思えば原作を先に読んでいたから観る気になったのだろう。そうでなければ、きっと素通りしていた筈だ。
この映画は昭和の名優と言われる方々が出演されていて、邦画の秀作の中の一作だと思うし、自分の中で記憶に残る映画の一つである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます