カワちゃんの写真日記

田舎の暮らしやら風景やら。

イナバウアーのこと

2018-02-13 09:16:50 | 日記

 2月8日付北海道新聞朝刊、読者の声欄に若い女性の投稿があった。要約するとこうだ。

 「皆さん、イナバウアーとは何かご存知ですか?トリノで金メダルを取った荒川静香選手のイナバウアーを見て、背中を反らす技だと思っていませんか?そもそもイナバウアーとは足を前後に開き、つま先を180度開いて真横に滑る技。旧西ドイツのイナ・バウアー選手が取り入れたことで、その名が付けられたのです。ところが最近は、大相撲の琴奨菊関の琴バウアー、卓球の張本選手の張バウアーなど、背中を大きく反らす選手が出る度に間違った使われ方をしている。もう○○バウアーという使い方は止めて欲しい。今は亡きイナ・バウアーさんに失礼です。」

 そうだったのかぁ、知らなかった。トリノでの荒川選手のイナバウアー、確かに両足の形がイナバウアーなので解説者は一言「イナバウアー」と入れたんだろうけど、荒川選手がイナバウアーで滑走しながら行なったあの上体後方反らしが余りにもインパクトがあったため、大多数の人が誤認識してしまったんだな。

 これは調べてみればすぐに判ることだし、実際荒川選手も自分の技を「レイバック・イナバウアー」と呼んでたらしい。でも、自分としては調べる程のことでもないと思っていたのでずっと誤認識したままだった。多分、大多数の人がそうだったと思う。マスコミも得意の省略で、「レイバック・イナバウアー」をただ「イナバウアー」と報道するし、その後もテレビや雑誌で芸能人とかの上体反らしの映像や画像をイナバウアーとして流しまくるに至って、世間の誤認識がすっかり定着してしまった。こんな事言うと本当イナ・バウアーさんに失礼かも知れないが、たかがフィギュアスケートの話、そんなに目くじら立てることでもないなということで、誰も声高に訂正を求める訳でもなく今に至ってる。でもこれって、もっと重要な問題で、それが意図したもの、しないものに拘わらず、誤った情報が流された時、無知な我々としてはそれをスンナリ受け入れてしまう可能性があるということだよね。それは非常に危険な事だと思うが、もう既に今の社会で起こっている事なんじゃないかな。

 そんな事を思いながら色々な方のブログや動画投稿サイトなどを見ると、ありますねぇ、単なる噂話や憶測によるもの、曲解や偏見じゃないかと思うもの、様々な情報や意見が飛び交ってる。今や誰もがSNSなどでお手軽簡単に発信出来る時代だからね。でもそんな時代だから、発信する側はもっと慎重になるべきだし、受け取る側も無知、無防備じゃいられないと思うんだが。だって、こうしたものは既に、社会の流れに影響を与えるほど大きな力を持っているのだから。

 イナバウアーの事から始まって、色々考えてみたが、頭の中で考えていることを文章にするの難しいと改めて思った。まぁ、これも自分磨きの一つですかね。