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第5話(3)

水路の戦い(3)

 政府軍から、ミト近くのミタンという小さな町がベトコンに攻撃され、その町の政府軍哨所が包囲されたので救助してほしい、との要請があった。

 秋山らのチーム、2隻に政府軍兵士20人を乗せ、陸上砲撃用の60ミリ榴弾砲も積み込み、出発した。
兵士たちは不安げな表情を浮かべ、やたらと煙草を吹かしている。

 河岸沿いの鉄条網に囲まれた政府軍哨所が、暴煙に包まれていた。
敵の背後に回るため、ミタンの舟着場から政府軍兵士を上陸させることにする。

 舟着場の近くの小さな建物に、解放戦線の旗が翻っている。
「撃て!」
機銃の曳光弾の矢が建物に吸い込まれる。
擲弾筒と榴弾砲も砲撃を開始する。

 建物が崩れ落ちた。
艇を桟橋につけ、政府軍兵士を下ろす。
タン、タン、タタタタッ
兵士が散開して町に近づくと、銃声が起こった。

 艇隊から援護射撃をするが、政府軍兵士は地面にへばりついたまま、進もうとしない。
しかたなく、SEALに応援を要請する。
30分ほどして、SEAL隊員が突撃ボートに乗って到着した。
2隻のPBRも一緒だ。

 SEAL隊員に督戦され、兵士たちが町に入っていく。
激しい銃撃戦。
艇隊からも、SEALからの指示に基づき、砲撃を加える。

 ベトコン部隊は撤退を始めた。

 兵士たちが戻ってくる。
SEAL隊員の1人が負傷している。
政府軍は2人の戦死者、3人の負傷者を出した。

 なんと、政府軍兵士の何人かは、町から奪ってきたステレオやラジオ、ミシンなどを抱えている。
「ダメだ!ポケットに入るものだけで、後は置いて行け。」

     
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