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英語で読む海戦史(26)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter ⅩⅡ Atlantic (August 1943―June 1944)
26.
All these kills had been made by the escort carrier’s aircraft; but on 23 July a member of Bogue’s screen, the 1920-vintage destroyer George E. Badger (Lieutenant Thomas H. Byrd USNR), scored. U-613, Florida-bound with a load of mines to close off the mouth of St.John’s river, was the victim. After three depth-charge attacks there were heard on board Badger sounds that are music to a submarine hunter’s ears ― the horrible roarings, rumbling, cracklings, belchings and bubbling that mark the breaking up of a U-boat. Debris appeared on the surface; shattered woodwork, mattresses and clothing, dismembered and mutilated human bodies. Finally and appropriately the sea spewed up a German translation of Poe’s Murders in the Rue Morgue. On the same day, one of the Borgue’s Avengers sank U-527.

Escort carrier Card (Captain Arnold J. Isbell) and her screen of old four-pipers, Barry, Goff and Borie, now began a five-day battle with U-boats. On 7 August an Avenger, piloted by Lieutenant A. H. Sallenger USNR, spotted U-66 about to fuel from U-117. With the help of two other planes the milch cow was sunk, but the other got away ― to be sunk by Buckley nine months later. Next morning, Sallenger and a Wildcat piloted by Ensign John F. Sprague USNR spotted another brace, U-664 and U-262, which had just battled their way past Jack Slessor’s boys in the Bay of Biscay and were full of prunes and vinegar. They shot down both planes and killed Sprague; Sallenger and his gunner were picked up on a rubber raft by Barry.

(訳)
第12章 大西洋の戦い(1943年8月―1944年6月)
26.
  これらの撃沈はすべて護衛空母の航空機によりなされたが、6月23日にはボグーの護衛艦隊の1隻、1920年建造の旧式駆逐艦バーガー(艦長バード大尉)が戦果をあげた。  セントジョーンズ川の河口を封鎖すべく、フロリダめざして機雷を運んでいたU-613が犠牲になった。  3個の爆雷攻撃の後、バーガーの船橋では、潜水艦ハンターの耳には音楽のようだったが、Uボートが壊れたことを示す―恐ろしい轟音、ゴゴゴという船体の裂ける音、ゴボゴボゴボという船体の沈む音が聞こえた。  破壊されたUボートの破片―バラバラになった木工品、マットレス、衣類、手足のちぎれたバラバラになった人間の体、が海面に現れた。 最後に海は、ポーの小説、“モルグ街の殺人”のドイツ・バージョンを吐き出したのである。  同じ日、ボグーのアベンジャーの1機がU-527を沈めた。

護衛空母カード(艦長イスベル大佐)と護衛艦隊の旧式4本煙突の駆逐艦Barry、 Goff と Borieは5日間の対Uボート戦を開始した。  8月7日サレンガー大尉により操縦されたアベンジャーは、U-117から燃料補給しているU-66を見つけた。  2機の助けをかりて乳牛U-117を沈めたがU-66は取り逃がした。  U-66は9ヶ月後バックレイにより沈められた。  翌朝、サレンガー大尉のアベンジャーとスプラーグ少尉が操縦するワイルドキャットは別の敵艦、U-664 と U-262を見つけた。  両艦はビスケー湾でスレッシャーの部下との戦いを切り抜けてきた直後だった。  そして、彼らはプルーンとビネガーを満載していた。  両艦は2機を撃墜した。  スプラーグは殺され、サレンガーと後部銃手は、ゴムの救命いかだで漂流しているところを駆逐艦Barryにより助けられた。  

(注釈)
          1940年6月、ドイツは戦車を核とする機甲師団と支援航空隊による電撃作戦により、フランスを屈服させた。  ドイツに占領されたフランス北部の大西洋岸のいくつかの港をUボートの基地とし、眼前に広がるビスケー湾を通って、Uボートは大西洋に出撃した。  ドイツから大西洋にでるより800Kmも距離が短縮されたため、その分、大西洋での戦いが激しくなった。

〔参考文献:デビット・メイソン著「Uボート」、サンケイ出版〕
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