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英語で読む海戦史(25)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter ⅩⅡ Atlantic (August 1943―June 1944)
25.
Escort carrier Core, commanded by Captain Marshall R.Greer, stood out from the Capes of Chesapeake 27 June on her first war cruise. Screened by destroyers Bulmer, George E. Badger and Barker, she remained within hailing distance of Convoy UGS-11 until 11 July when it was about 700 miles south of Sao Miguel. Captain Greer then received a signal from Cinclant to join westbound Convoy GUS-9. On the afternoon of 13 July one of Core’s Wildcat-Avenger patrol teams, about 720 miles SSW of Fayal, sighted the 1600-ton tanker U-487, and sank it, losing one plane and pilot in the fight. Three days later, the Core group made a second kill, of U-67.

Santee(Captain Harold F. Fick), with destroyers Bainbridge, Overton and MacLeisb, was equally successful. An Avenger-Wildcat team, patrolling about 150 miles north of the carrier at 0803 July 14, sighted U-160. Santee’s air squadron was now equipped with the homing torpedo “Fido”, for which a new form of attack had been worked out. The Wildcat forced the sub to dive; the Avenger dropped a Fido which quickly smelt its target and sent U-160 to the bottom with all hands. Next day, the same tactics disposed of another 740-tonner, U-509, about 180 miles south of Santa Maria. Fick joined a Gibraltar-Norfolk convoy, recognized as still the best bait for U-boats. Upon reaching mid-ocean on 30 July, a Wildcat pilot sighted two submarines; U-43 playing milch cow to U-403. The fighter plane’s strafing runs forced both boats to submerge; and while the larger still had decks awash an Avenger dropped two depth bombs and a Fido near enough to do the trick.

(訳)
第12章 大西洋の戦い(1943年8月―1944年6月)
25.
  グリー大佐に指揮された護衛空母コアは、6月27日にチェサピーク岬(アメリカ東海岸)から初の戦いに出航した。  駆逐艦Bulmer、Badger およびBarkerに周囲を守られ、コアは7月11日まで、USG-11船団の至近距離に位置した。  その日には、サンミゲル(アゾレス諸島)の南ほぼ700マイルの位置にあった。  グリー大佐は西行船団GUS-9に加わるよう、大西洋首席司令官から指令を受けた。  7月13日、コアのワイルドキャット戦闘機-アベンジャー攻撃機のパトロールチームの1組は、ファヤル(アゾレス諸島)の南南西720マイルで1600トンの潜水タンカーU-487を見つけ、沈めた。その戦闘で、1機の飛行機とパイロットを失った。3日後、コア・グループは2番目の戦果、U-67を沈めた。

     駆逐艦Bainbridge、Overton 、MacLeisbを伴った護衛空母サンテー(フィック大佐)も同様に成功した。  アベンジャー-ワイルドキャット・チームは7月14日8時3分、空母の北150マイル付近をパトロール中、U-160を見つけた。  サンテーの航空隊は、いまや誘導魚雷“Fido”(音響追尾魚雷)を 装備していた。  それにより、新しい攻撃の形が使えるようになったのである。  ワイルドキャットは潜水艦を潜水させ、アベンジャーがFidoを落とした。  魚雷は目標をかぎつけ、U-160を乗組員もろとも海底に送り込んだ。  次の日、サンタマリア(アゾレス諸島)の180マイル南で、同じチームが740トンのU-509をやっつけた。  フィックは、Uボートにとり最良の獲物であると見られていた、ジブラルタル-ノーフォークの船団に加わった。  7月30日ちょうど大西洋の真中に差し掛かったとき、ワイルドキャットのパイロットは2隻の潜水艦、U-403と、それに給油しているU-43を見つけた。  戦闘機の機銃掃射により2隻は潜水を強いられた。  そして大きな方のU-43のデッキが水面すれすれの時、アベンジャーは2発の爆雷を投下し、さらに不意をつくのには十分な近くにFidoを落とした。


(注釈)
          水中では電波はすぐ減衰してしまうが、音波は遠くまで伝播する。音響誘導魚雷は、敵艦の放射音(エンジン音やスクリュープロペラ音)をキャッチして、その音のほうに向かうものである。  Uボートも、同じころ音響誘導魚雷を装備しだした。  日本海軍は、こういった誘導兵器、電波兵器の開発では遅れをとった。

〔参考文献:デビット・メイソン著「Uボート」、サンケイ出版〕
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