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第4話(1)

 生みの苦しみ(1)

 事態は急展開する。

 政治力を失ったゴルバチョフは大統領を辞任し、クーデターと積極的に戦った
エリツィンがソ連邦大統領になった。
エリツィンはクーデター首謀者14人を逮捕、クーデターを企てたソ連共産党を解散させた。

 74年続いたソ連社会主義体制の終焉である

 エリツィンは、経済では計画経済を廃止し、急速な市場経済化を目論む。
対外的には、各共和国の独立を認め、ソ連邦を解体し、独立国家共同体を設立する。
バルト三国の独立も認めた。


 ヒョードルの両親にとってはもちろん、ヒョードルにとっても、めまいを起こさせるような変化だった。
価値観、人生観の大転換を迫られたのだ。

 “今まで価値があると認められていたものが無価値に、とるにたらないとおもわれていたものが価値を持つようになったのだ!”

 造船所では、共産党幹部がいなくなり、労働組合による自主管理になった。
皆、右往左往し、仕事も投げやりになってしまった。
給与が支払われないため、生活のためにアルバイトを始める。

 「ヒョードル、きみはどうする?」
「設計の仕事は続けたいので、両親と野菜を売ったりして、食いつなぐよ。ミハイル、君は?」
「もう、この仕事はダメだ。琥珀を動かして一儲けするつもりだ。軌道に乗ったら、声をかけるよ。」

 参考図:「ソ連崩壊」、日本テレビソ連横断特別取材班、日本テレビ放送網(株)、1991 
     
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