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山田長政(7)

 山田長政(7)

  その後、ビルマ軍との小競り合いや、再度のスペイン艦隊襲来

 があったが、おおむね平穏だった。

 しかし、長政の後ろ盾であったソングタム王の死去と共に、

 雲行きが怪しくなる。

 王位継承を巡る争いが、アユタヤ王朝を揺るがす。

 

  ソングタムの長子をおす勢力とソングタムの弟を王位に

 つけようとする勢力の暗闘が始まる。

 とびぬけた戦闘能力を持つ日本人傭兵隊を率いる長政が、

 どちらにつくかで、勝敗が決まる。

 

  長政は長子を押す勢力に組する。

 兵蔵らはシャムの兵士を引き連れ、宮中に乗り込み、

 弟を押す臣下らをとらえた。

 宮中を脱した弟は兵を集め、反旗を翻す。

  日本人傭兵隊とシャム兵の大軍は激しい戦いの末、これを鎮圧した。

 

  事はこれで終わらなかった。

 王位についた長子は年少だったため、摂政のカラホムが実権を握った。

 カラホムは自分が王になる野望を持っており、陰謀をめぐらし、

 長子を追い出す。

  カラホムは自分が王位につこうとするが、長政は長子の弟を推す。

 結局、長子の弟が王になった。

 カラホムにとり、長政は目障りな存在になった。

 

  兵蔵らにとり、王宮内の争いに右往左往させられるのは、

 迷惑千万な話だった。

 「跡目争いは、日本でもシャムでも同じだな。」

 「今日の味方は明日の敵になるかもしれん。くわばら、くわばら!」

 「頭領の長政殿に、しっかりしてもらわねば。」

 

 参考図:「王国への道」、遠藤周作、平凡社、1981

     

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