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第3話(3)

 第3章 「天文対話」2日目

(3)(2)への反論(その1)
 ガリレオ:
 実験によれば、船のマストから落とされた
石は、船が静止していようと、高速で動い
ていようと常に、マストの根本に落ちます。
大地が静止している確証にはなりません。

 パウロ:
 しかし、大地の運動も立証されません。

 サグレド:
 船を動かす力が、マストを離れた後も
石に働く(慣性力)のであれば、石は斜線
を描いて落下し、その斜線の距離は船の
速度が大きくなればなるほど長くなる、
と考えてよいのですか。

 ガリレオ:
 そうです。そして斜線の長さに関係なく、
落下に要する時間は一定です。
マストから落下する石の運動は、垂直
の落下運動と船を追う運動の合成になり
ます。

 高い塔から落下した石や真上に撃ち上
げられた砲弾も、垂直の落下運動と地球
の回転を追う運動が合成され、塔の真下
および砲弾発射地点に落下します。

     
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